HB ホーム社文芸図書WEBサイト

HB[エイチ・ビー]は、集英社グループの出版社・ホーム社の文芸サイトです。2017年1…

HB ホーム社文芸図書WEBサイト

HB[エイチ・ビー]は、集英社グループの出版社・ホーム社の文芸サイトです。2017年11月にウェブサイトを立ち上げ、2020年にnoteへ引っ越しました。小説やエッセイを中心に、毎日をより楽しく過ごすための、さまざまなコンテンツをお届けします。

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    言葉の舟 心に響く140字小説の作り方

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    パフェとデートする。 ~ ひとりパフェ活のすすめ ~

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    80年代音楽ノート

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  • 滝本竜彦「超人計画インフィニティ」

    老いと死の不安を乗り越えるために「超人計画」が再始動する。滝本竜彦によるハイブリッドノベル![毎月金曜日更新]illustration 安倍吉俊

  • 姫野カオルコ「顔を見る」

    幼い頃から人の顔色を窺うと同時に、「顔」そのものをじーっと見続けてきた作家・姫野カオルコ。愛する昭和の映画を題材に、顔に関する恐るべき観察眼を発揮し、ユーモアあふれる独自理論を展開する。顔は世につれ、世は顔につれ……。『顔面放談』(集英社)につづく「顔×映画」エッセイを、マニアック&深掘り度を増して綴る! [毎月第4金曜日更新]

  • 蟹めんま「出戻りて、奈良。~中年娘のシカ県民やり直し日記~」

    修学旅行では行けない奈良、あります――。16年ぶりに地元で暮らすことになったアラフォー漫画家が、ゆかいな奈良の素顔をお届け! 連載コミックエッセイ。 [毎月第2・第4金曜更新]

  • 連載 ほしおさなえ【10年かけて本づくりについて考えてみた】

    活版印刷や和紙など古い技術を題材にした小説を手掛ける作家・ほしおさなえが、独自の活動として10年間ツイッターに発表し続けてきた140字小説。これをなんとか和紙と活字で本にできないか? 自主制作本刊行に向けての模索をリアルタイムで綴る記録エッセイ。

  • 宇野常寛「ラーメンと瞑想」

    東京には一人で食事のできる場所が多くある。ラーメンやさまざまな外食を楽しみながら、更なる充足に向けて探求する著者の日々を綴った小説的エッセイ。[毎月水曜日更新]design:Kawana  Jun

記事一覧

【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第2回

2 夜明け ボートは暗闇の中を二〇分ほど疾走すると、徐々に速度を落とし始めた。すると、しぶきに濡れた窓越しに、自分たちの乗るボートが、多くの船が停泊している港の…

【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第1回

1 入国 ボートは轟音を立てながら、飛び跳ねるように夜明け前の海面を突き進んでいた。シエラレオネ共和国のルンギ国際空港に到着したのは、二〇一四年一一月一〇日の午…

第16回 夏のダメージは今のうちにリカバリー 血管と腸と心を癒す新習慣 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!…

混乱の日々の中でも、小さなハッピーをミルフィーユのように積み重ねていきたい。BBAの自由なファッション&日常を数センチ豊かにするヒントを、スタイリスト・地曳いく子…

ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(後編)

巨匠たちの恋愛に注目して作品を読み解く美術本『こじらせ恋愛美術館』。発売を記念したトークイベント採録記事の後編です。お相手は、ナカムラさんが全幅の信頼を置くデザ…

ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(前編)

美の巨匠たちの“こじらせた人生”に魅了され、彼らの人生や作品を追い続けているナカムラクニオさん。新刊『こじらせ恋愛美術館』の発売を記念したトークイベントが、東京…

第八話 アプレンティスの来訪 滝本竜彦「超人計画インフィニティ」

老いと死の不安を乗り越えるために「超人計画」が再始動する。滝本竜彦によるハイブリッドノベル! [毎月金曜日更新 はじめから読む] illustration 安倍吉俊 1  終…

【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第2回

【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第2回

2 夜明け ボートは暗闇の中を二〇分ほど疾走すると、徐々に速度を落とし始めた。すると、しぶきに濡れた窓越しに、自分たちの乗るボートが、多くの船が停泊している港の中の狭い隙間をすり抜けるように進んでいることがわかった。ボートを操縦する人たちにとっては庭のようなものかもしれないが、たとえそれが暗いせいでそう感じられるとしても、通り過ぎていく船との距離のあまりの近さに肝を冷やした。ボートがエンジンを止め

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【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第1回

【試し読み】加藤寛幸『生命の旅、シエラレオネ』第1回

1 入国 ボートは轟音を立てながら、飛び跳ねるように夜明け前の海面を突き進んでいた。シエラレオネ共和国のルンギ国際空港に到着したのは、二〇一四年一一月一〇日の午前三時過ぎ。モロッコ・カサブランカでのトランジットを含めるとオランダのアムステルダムを発ってからおよそ一二時間が経過していた。空港から首都フリータウンまでの移動手段は、小型のモーターボートだ。
 疲れと眠気でぼんやりしたままオレンジ色のライ

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第16回 夏のダメージは今のうちにリカバリー 血管と腸と心を癒す新習慣 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!」

第16回 夏のダメージは今のうちにリカバリー 血管と腸と心を癒す新習慣 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!」

混乱の日々の中でも、小さなハッピーをミルフィーユのように積み重ねていきたい。BBAの自由なファッション&日常を数センチ豊かにするヒントを、スタイリスト・地曳いく子が綴ります。
[毎月1回月曜日更新 はじめから読む]

photo:地曳いく子/design:アルビレオ

まだまだ暑い日々が続く東京ですが、陽が落ちるのが以前より早くなったりと、暦の上ではもう秋。夏は暑いものとはいえ、今年は暑すぎた日々

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ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(後編)

ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(後編)

巨匠たちの恋愛に注目して作品を読み解く美術本『こじらせ恋愛美術館』。発売を記念したトークイベント採録記事の後編です。お相手は、ナカムラさんが全幅の信頼を置くデザイナーでありながら、縄文好きをこじらせて、専門家たちとの共著『土偶を読むを読む』まで出してしまった望月昭秀さん。おとなの“こじらせ”の行き着く果てに何があるのか? 後半はお客さんたちも巻き込んで、ゆるくて熱いトークが続きます。【はじめから読

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ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(前編)

ナカムラクニオ×望月昭秀(縄文ZINE)“こじらせ”から考えるアートと縄文の世界(前編)

美の巨匠たちの“こじらせた人生”に魅了され、彼らの人生や作品を追い続けているナカムラクニオさん。新刊『こじらせ恋愛美術館』の発売を記念したトークイベントが、東京・下北沢の本屋B&Bで開催されました。お相手は、ナカムラさんが全幅の信頼を置くデザイナーでありながら、縄文好きをこじらせて、専門家たちとの共著『土偶を読むを読む』まで出してしまった望月昭秀さん。おとなの“こじらせ”は人生にどう影響するのか…

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第八話 アプレンティスの来訪 滝本竜彦「超人計画インフィニティ」

第八話 アプレンティスの来訪 滝本竜彦「超人計画インフィニティ」

老いと死の不安を乗り越えるために「超人計画」が再始動する。滝本竜彦によるハイブリッドノベル!
[毎月金曜日更新 はじめから読む]

illustration 安倍吉俊



 終電を逃した絶望を抱えながら、俺は青山の背を追った。
 ジャージを着た大学生風の彼女は俺を先導し、道玄坂から文化村通りを無言で西方に歩いていく。
「…………」
 渋谷駅から遠ざかるごとに、歩道をすれ違う人の数は減った。夜の

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