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第16回 夏のダメージは今のうちにリカバリー 血管と腸と心を癒す新習慣 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!」

混乱の日々の中でも、小さなハッピーをミルフィーユのように積み重ねていきたい。BBAの自由なファッション&日常を数センチ豊かにするヒントを、スタイリスト・地曳いく子が綴ります。
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photo:地曳いく子/design:アルビレオ


まだまだ暑い日々が続く東京ですが、陽が落ちるのが以前より早くなったりと、暦の上ではもう秋。夏は暑いものとはいえ、今年は暑すぎた日々で身も心もクタクタになっているのは私だけでしょうか? 水泳のコーチが言うには、「今受けたダメージや運動したり食べたりしたことの結果は、3~6か月後の身体に出る」と言っていました。そうだとすると、夏のダメージが身体に出るのは秋か冬? 忘れた頃に出るなんて怖いですよね。

結局、美も健康も「血管と腸」?

すでに健康診断で血圧や血糖値など幾つかの項目で引っかかっていた私は、この夏に色々始めました。今まで苦手だったトマトジュースを毎朝一本飲むこと、同じく苦手な納豆を、毎日とまではいかなくても2日に一度は食べること、腸内環境を改善して痩せる? と噂の酪酸菌サプリを飲むことです。すべて、血液をサラサラにしたり、善玉菌を腸内に増やす効果があるとされているものばかり。そんなことを続けて2か月あまりですが、なんと体重が1.5キロ減りました。相変わらず水泳も続けているためか体力も付き、数か月ぶりにプールで会った水泳仲間に「初めて会った時より姿勢が良くなった、以前は前肩で猫背気味だったのに」と言われ、とても嬉しい気持ちになりました。

なぜ急にこの夏から腸活や運動をまめに始めたかというと、たまたま見たYouTubeで「ドクターハッシー(内科医・橋本将吉)」という熱血ドクターの番組を発見したからです。一見チャラいけれど、彼の番組は血液や血管の仕組みをわかりやすく説明しています。

健康診断で担当医に聞いた説明では、なぜ甘いものを食べすぎたり、脂質をとりすぎると血管が劣化するのか、いまいちわかりませんでした。でもドクターハッシーは、血糖値が上がる仕組みや血管が固くなる原因などを本当にわかりやすく、図解付き(かなりの下手うま)で説明してくれます。しかも、あれもこれも食べてはダメという話ではなく、考えて食べようという柔軟で素敵な考え方です。

「結局人間は、食べたものでできている!」そう考えて、少し食べ方に気をつけるだけで体は変わるみたいです。また、先日見た「カズレーザーと学ぶ。」というTV番組では、運動すると筋肉からホルモンの一種が出てきて、その働きで肌のシミやシワが改善されるという驚きの話も。そういえば、水泳仲間の私より10歳以上年上のお姉さまたち、すっぴんでもシミやシワが少ないので驚いていました。もちろん背中もスッキリしていらっしゃいます。重ねるごとに少しずつ太ったり、血管がもろくなってきた私ですので、急に生まれ変わったように痩せたりとかではなく、日々の食事や運動で少しずつ改善できたら良いなあと思っています。新しい習慣で来るべき秋や冬に備えたいと思います。

トマトジュースは、食塩や添加物が無添加のものを選び、胡椒、オリーブオイル少々と、余裕があればベランダからバジルの葉を摘んで入れます。歪んだグラスは、沖縄の手吹きガラスの作家もの。有楽町の「わしたショップ」(沖縄物産の店)で購入しました。

マティスに学ぶ「失って得るもの」

上野の東京都美術館で開催されていた「マティス展」に滑り込みで行きました(8月20日で終了)。大学時代から大好きなマティス。友人たちが次々と行ったというレポートをFBやインスタにあげる中、好きすぎて、東京でのマティス展に行くのが怖くて、かなり出遅れました。60歳を過ぎて見た今回の展覧会は、若い頃に海外で見たマティスとはまた違い、感慨深いものでした。

アンリ・マティスは若い頃からその独特な画法でパリの画壇で天才と呼ばれ、確固たる地位を築いていました。若い時代の彼の作品も、もちろん素晴らしいのですが、私が若い頃から惹かれていたのは、後期の切り絵や線画などのシンプルな作品。今回改めてマティスの年表を見ると、それらの作品は彼が70歳を過ぎて患い、長い間闘病生活を強いられていた頃の作品でした。闘病により以前のようには筆が進まず、不自由な体で描いた一筆書きや、色を塗った紙をハサミでぎこちなく切った作品は、闘病前の巧みな筆捌ふでさばきから生み出されていた作品とは全く違ったものになりましたが、それが彼の新しい画風となり、私たちを感動させてくれているのです。

歳を重ねると、誰でも若い頃のようになんでもテキパキとできなくなります。でも、何かができなくなることによって発見できること、できることがあるのです。マティスは綺麗な色の切り絵を通して、その大事なことを私に教えてくれた気がしました。

マティス展の最後を飾った、南フランス・ヴァンスにある「ロザリオ礼拝堂」の展示も圧巻でした。実は30代の頃、ニースに住んでいた友人に会いに行った折に、一人でヴァンスまでバスに乗り、ロザリオ礼拝堂を訪ねたことがあったのです。やっと辿り着いた丘の上にある礼拝堂は、サボテンの庭に囲まれたとても小さなものでした。マティスが晩年のすべてをかけて設立した真っ白な小さな礼拝堂。そこにあったステンドグラスは、ブルーと黄色で描かれたサボテンの柄でした。マティスは晩年、このステンドグラスなど大きな作品を作るときに、切り絵を何枚も作り、色々と配置してみて全体像を決めたそうです。また、聖母子像や枢機卿など一筆書きの作品は、車椅子に座りながら、棒の先にくくりつけた筆で描いたもので、その制作風景の写真も今回のマティス展で展示されていました。30代の私は、マティスの礼拝堂をただ綺麗とか素敵と思って見ていましたが、その30年後、60歳を過ぎた私が見たロザリオ礼拝堂の展示は、全く違うものに見えました。

一人胸が熱くなりながらも帰りに寄ったミュージアムショップでは、梅酒ロックをいただくのにぴったりな小さなグラスと、自分で切り抜くマティスの切り絵セットを購入しました。複製プリントされたマティスが描いた線にそってハサミで切り抜くのですが、よく見るとその線は滑らかではなく少しヨレヨレしていて、晩年の不自由な身体で描いた線にまたグッときてしまいました。6枚入りでしたがとりあえず1枚仕上げて、早速ベッドルームの窓に貼り付けてみました。明日から、プロヴァンス気分で朝を迎えられそうです。

ユニクロフラワーの可愛すぎるランに癒される!

10年くらい前から急にランの花が好きになり、それもミニ胡蝶蘭こちょうらんを見ると震えてしまうほど魅了されてしまう私ですが、何しろ蘭といえば高価な花の代名詞。のめり込み過ぎたらうちの経済崩壊? でも欲しい。と思っていたところ、銀座のユニクロ一階にあるユニクロフラワー(UNIQLO FLOWER)でミニ胡蝶蘭の鉢を発見! それも税込990円という可愛い価格。早速購入して窓辺に飾りました。水やりの仕方に気をつければ1か月くらい花が楽しめるようで、なんとコスパが良い優秀な子なんでしょう。友人へお誕生日プレゼントにしても喜ばれました。

銀座店だけでなく、ユニクロフラワーを取り扱う店舗は増えてきたようなので、皆さまも見つけたら是非。くれぐれもお水の遣りすぎは厳禁です。週に一度くらいで大丈夫みたいです。

夏の終わりに下着をアップデート

以前訪れたトリンプの展示会で、高機能な大人ブラを発見。AMOSTYLE(アモスタイル)の美姿勢サポートブラです。AMOSTYLEといえば、駅ビルに入っているナウなヤングの下着ブランド、ターゲットは30代らしいのですが、私たち還暦世代のお悩みに応えてくれそうなブラも見つけることができます。

肉質が柔らかくなった大人の胸を幅広いサイドでしっかりサポート。あの「ブラ、背中で止めるのきつい問題」も解決の嬉しいフロントホック。幅広いサイドで横に流れ出るバストのお肉を堰き止めバストアップ。しかも猫背改善が期待され、楽々腕が動く独特のストラップは「ブラ肩紐落ちちゃう問題」も解決してくれそうですね!

ファッションとアートの融合 “着るアート”にワクワク♪

この夏に惜しまれながら閉館してしまいましたが、デザイナーのMIHARA YASUHIRO(ミハラ ヤスヒロ)さん(株式会社ソスウ/SOSU)が、日本橋三越の向いに「日本橋アナーキー文化センター(NACC)」というギャラリーを1年間開いていました。その名の通り、アナーキーな前衛芸術アーティストの作品を1か月ごとに、入場料無料で展示していたのですが、その中でも特に私が好きだったのが、ドル紙幣をプラスチックのオブジェ化したジュエリーデザイナーのKOTA OKUDA(コウタ オクダ)さんの作品と、インパクトありすぎエロチックな図柄の織物タペストリーを作成したニットデザイナーurayutaka(浦豊)さんの作品です。

KOTA OKUDAは、ニューヨークと東京を拠点に活躍するジュエリーデザイナーで、海外ではその作品はいつも即完売。NACCのHPには<アーティストとして資本主義における価値の不思議を探求すべく、“MONEY”をテーマに置いたコレクションやアート作品の企画・展⽰を多数⼿がける。2018NYFW(ニューヨーク・ファッション・ウィーク)で発表したファッションショーが話題になり、カニエ・ウエストやリアーナを始めとした数々のセレブリティーと交流。全⽶他、世界各地へ⾐装提供している>とあります。

ジュエリーデザイナーKOTA OKUDAの作品。

MIHARAさんのこの秋冬の展示会で見つけたのが、なんとその二人のアーティストとMIHARAさんがコラボしたドル柄のワンピースと、ジャカードニットのストールでした。

ワンピースは、KOTA OKUDAのシグネチャー作品である“ドル紙幣”に、「Maison MIHARA YASUHIRO」の文字を施してアレンジを加えたアイテムを展開。

ジャカードニットは、ニットデザイナーのurayutakaが手掛けており、ドル紙幣が細部に至るまでリアルに表現されています。

urayutaka氏は2015年からニットを使ったアート作品に取り組んでいて、HPによると<主に70年代後半〜90代前半の空気感をテーマにエモさと皮肉を交えたデジタルコラージュを作成し、そのコラージュ作品をあえてアナログ(編み物)に落とし込む技法でアート作家としても活動しています>。

まさに着るアート! 秋物とはいえ8月から販売するということでワクワクしている私です。

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連載【日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!】
毎月1回月曜日更新

地曳いく子(じびき・いくこ)
1959年生まれ。スタイリスト。「non-no」をはじめ、「MORE」「SPUR」「Marisol」「eclat」「Oggi」「FRaU」「クロワッサン」などのファッション誌で30年以上のキャリアを誇る。スタイリングのみならず、洋服のプロデュースからTV、ラジオと幅広く活躍中。著書に『50歳、おしゃれ元年。』『服を買うなら、捨てなさい』『日々是混乱 これが私のニューノーマル』『ババアに足りないのは愛!+60からのHappyおしゃれBOOK』(槇村さとるさんとの共著)『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』など多数。新刊は『60歳は人生の衣替え』。
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