マガジンのカバー画像

千早茜「なみまの わるい食べもの」

21
一度読んだらクセになる味わい。直木賞作家にして稀代の食いしん坊、千早茜の人気エッセイ「わるたべ」シリーズ最新作。定期連載化にあたってマガジン名を「なみまの わるい食べもの」に改称…
運営しているクリエイター

記事一覧

眠る人 千早茜「なみまの わるい食べもの」#12

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  七、八年ほど前のことだ。…

韓国のスプーン 千早茜「なみまの わるい食べもの」#11

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  傷痕をめぐる十の短編が入…

退屈しない飴 千早茜「なみまの わるい食べもの」#10

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  口寂しい、という感覚をい…

呪いの真実 千早茜「なみまの わるい食べもの」#9

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  桜もとうに散った四月の末…

姫と騎士修行(後編) 千早茜「なみまの わるい食べもの」#8

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  デビュー戦当日は狼煙をあ…

姫と騎士修行(前編) 千早茜「なみまの わるい食べもの」#7

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  年に数回、妹に会いにいく…

愉快などら猫 千早茜「なみまの わるい食べもの」#6

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  去年の暮れに、小さな家族が増えた。猫である。数日間あずかったことはあるが、猫という種と暮らすのは初めてだった。それも齢十歳、人間に換算すると私より年上の雄猫だ。そう簡単に懐くまい、と覚悟していたが、三日ほどで小さな家族は「アー!」と鳴いて私の膝にのった。  猫は気まぐれと知人の猫飼いから聞いていたので、もうのるまいと思っていたが、毎日「アー!」と要求して膝にのる。食事中でも、仕事中でも、休憩中で

白雪姫の歯形 千早茜「なみまの わるい食べもの」#5

[第2・4水曜日更新 はじめから読む] illustration:北澤平祐  秋になると、長野から林檎…

肉のお花畑 千早茜「なみまの わるい食べもの」#4

するどい言葉と繊細な視点で、食と人生の呪縛を解く。人気エッセイ「わるたべ」がHB連載に帰っ…

かがやく馬 千早茜「なみまの わるい食べもの」#3

するどい言葉と繊細な視点で、食と人生の呪縛を解く。人気エッセイ「わるたべ」がHB連載に帰っ…

せりの街 千早茜「なみまの わるい食べもの」#2

するどい言葉と繊細な視点で、食と人生の呪縛を解く。人気エッセイ「わるたべ」がHB連載に帰っ…

なみまの原木 千早茜「なみまの わるい食べもの」#1

するどい言葉と繊細な視点で、食と人生の呪縛を解く。人気エッセイ「わるたべ」がHB連載に帰っ…

「わるい」懊悩 千早茜「ときどき わるい食べもの」

[不定期連載 はじめから読む] illustration:北澤平祐 「わるい食べもの」の連載がはじま…

初体験の夏休み 千早茜「ときどき わるい食べもの」

[不定期連載 はじめから読む] illustration:北澤平祐  食べものの味がしないという経験は、誰しも数回はあるだろう。挫折や喪失ゆえだったり、好きな人との初めての食事という緊張からだったり、はたまた単純に体調が悪いせいだったり。  人見知りの私は、初対面の人との食事も茶も、ちゃんと味わえる気がしない。なので、極力逃げるが、どうしても避けられないこともある。  例えば、仕事での顔合わせ。新担当者とは出版社での会議室ではなく、喫茶店や「まあランチでも」という感じで