「わるい」懊悩 千早茜「ときどき わるい食べもの」
[不定期連載 はじめから読む]
illustration:北澤平祐
「わるい食べもの」の連載がはじまったのが二〇一七年十一月、もう六年も前のことだ。その間にコロナ禍があり、京都から東京への引っ越しもあった。「わるい食べもの」の単行本は三冊が刊行された。世の中も、私の環境も変わった。
実はここ一年ばかり、気になっていることがある。「わるい食べもの」は正直であることが信条だ。なので、黙っていると隠しているようで落ち着かない。書いてしまいたい。
私はもう暴食をしていない。