HB ホーム社文芸図書WEBサイト

HB[エイチ・ビー]は、集英社グループの出版社・ホーム社の文芸サイトです。2017年1…

HB ホーム社文芸図書WEBサイト

HB[エイチ・ビー]は、集英社グループの出版社・ホーム社の文芸サイトです。2017年11月にウェブサイトを立ち上げ、2020年にnoteへ引っ越しました。小説やエッセイを中心に、毎日をより楽しく過ごすための、さまざまなコンテンツをお届けします。

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マガジン

  • 鈴木涼美「ノー・アニマルズ」

    取り壊しが決まっている老朽化マンション。そこで暮らす住人たちの小さな破綻と孤独を描く鈴木涼美初の連作短篇小説。204号室に暮らす28歳の芹は、コンセプトカフェに勤めながら恋人との同棲生活を送っている。あと2年で退去を迫られているなか、勤務先である店がなくなると知らされ……。[毎月金曜日更新]

  • 滝本竜彦「超人計画インフィニティ」

    老いと死の不安を乗り越えるために「超人計画」が再始動する。滝本竜彦によるハイブリッドノベル![毎月金曜日更新]illustration 安倍吉俊

  • 連載 斧屋「ひとりパフェ活のすすめ」

    人生を豊かにする「趣味としてのパフェ」指南。毎月第1・3金曜日更新 illustration: onoya / logo design: NILSON

  • 千早茜「なみまの わるい食べもの」

    一度読んだらクセになる味わい。直木賞作家にして稀代の食いしん坊、千早茜の人気エッセイ「わるたべ」シリーズ最新作。定期連載化にあたってマガジン名を「なみまの わるい食べもの」に改称しました。[第2・4水曜日更新]illustration:北澤平祐

  • 宇野常寛「ラーメンと瞑想」

    東京には一人で食事のできる場所が多くある。ラーメンやさまざまな外食を楽しみながら、更なる充足に向けて探求する著者の日々を綴った小説的エッセイ。[毎月水曜日更新]design:Kawana  Jun

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記事一覧

終わりなき「越境」の旅 ――東山彰良『越境』台湾版刊行に寄せて|李琴峰

昨年7月に刊行した東山彰良『越境(ユエジン)』の台湾版が、今年10月、台湾の尖端出版から刊行されました。翻訳を手がけたのは、小説家で翻訳者の李琴峰(り・ことみ)さ…

第1話 僕たちはなぜ、水曜日に働くことをやめたのか 宇野常寛「水曜日は働かない」

宇野常寛さんの連載エッセイ「水曜日は働かない」が単行本になりました。  2019年の7月24日の、たぶん午前11時30分ごろ。僕たちは毎週水曜日に働くことを、やめた。  …

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(4)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

「ぼっち」にぴったり! 絶妙なイラストと帯文──みなさんへ。『今日もぼっちです。』の装画・挿画は、WEB連載時にもイラストを描いていただいた漫画家の山本さほさん…

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(3)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

初のエッセイ連載を振り返る──賽助さんへ。単行本に収録されたエッセイの中で思い入れのあるものを教えてください。 賽 二人が挙げてくれた話は思い入れあるな。 P …

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ) 雑談・特別回(2)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

賽助少年のエピソードがやばい──ドンピシャさん、ぺちゃんこさんへ。『今日もぼっちです。』の中で、お気に入りのエピソードを教えてください。 D 俺はね、好きなのが…

ウミガメって、食べたことある? カリブ海のフィールドから|湯澤規子「食べる歴史地理学」第5話

食べながら歩く歴史地理学者・湯澤先生の連載、前回の大航海時代に続いて舞台は大海原。ただし今回のフィールドは、現代のカリブ海、ニカラグア共和国です。「ウミガメって…

終わりなき「越境」の旅 ――東山彰良『越境』台湾版刊行に寄せて|李琴峰

終わりなき「越境」の旅 ――東山彰良『越境』台湾版刊行に寄せて|李琴峰

昨年7月に刊行した東山彰良『越境(ユエジン)』の台湾版が、今年10月、台湾の尖端出版から刊行されました。翻訳を手がけたのは、小説家で翻訳者の李琴峰(り・ことみ)さん。台湾版の刊行にあたってエッセイをご寄稿いただきました。
※見出しの写真は台湾の誠品書店での展開(写真提供:尖端出版)

 東山彰良さんのエッセイ集『越境』の繁体字中国語訳を手がけさせてもらったご縁で、このエッセイを執筆する機会を賜った

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第1話 僕たちはなぜ、水曜日に働くことをやめたのか 宇野常寛「水曜日は働かない」

第1話 僕たちはなぜ、水曜日に働くことをやめたのか 宇野常寛「水曜日は働かない」

宇野常寛さんの連載エッセイ「水曜日は働かない」が単行本になりました。

 2019年の7月24日の、たぶん午前11時30分ごろ。僕たちは毎週水曜日に働くことを、やめた。

 それは夏の、暑い日の朝だった。僕と相棒のT氏は朝いちばんで集まって、10キロのランニングを終えた。見上げた空はピーカンで家から一歩出るともう、それだけで茹で上がるような気分になっていた。僕たちはビルの谷間の日陰を選んで、身を隠

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三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(4)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(4)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

「ぼっち」にぴったり! 絶妙なイラストと帯文──みなさんへ。『今日もぼっちです。』の装画・挿画は、WEB連載時にもイラストを描いていただいた漫画家の山本さほさんです。ご感想を伺えますでしょうか。

D 山本さんに描いてもらえて、本当によかったね、鉄塔さん。

賽 よかったよね。そもそも自分が山本さんの大ファンで、WEB連載のときにダメ元でお願いしてみたら、快くお引き受けいただいて、さらに単行本のカ

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三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(3)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ)雑談・特別回(3)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

初のエッセイ連載を振り返る──賽助さんへ。単行本に収録されたエッセイの中で思い入れのあるものを教えてください。

賽 二人が挙げてくれた話は思い入れあるな。

P あ、そう。

賽 やっぱり子供のころに結構強烈に残ってるんだよね。特に野球部の経験とかは、今思っても、別に何の足しにもならなかったなっていうふうに思ってて。

P 部活の経験って、大体プラスになってることが多いはずだと思うんだけどね。

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三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ) 雑談・特別回(2)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

三人称(ドンピシャ×賽助×ぺちゃんこ) 雑談・特別回(2)─賽助『今日もぼっちです。』刊行記念

賽助少年のエピソードがやばい──ドンピシャさん、ぺちゃんこさんへ。『今日もぼっちです。』の中で、お気に入りのエピソードを教えてください。

D 俺はね、好きなのが「野球少年」。

P あれな。

D そう。自分に野球の才能があると思っていたって話。実際にはなかったんだけど、実は剛速球を投げられるんじゃないかと思っている賽助少年が……。

P やばいよね。

賽 まあ、想像するよね、自分なら絶対でき

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ウミガメって、食べたことある? カリブ海のフィールドから|湯澤規子「食べる歴史地理学」第5話

ウミガメって、食べたことある? カリブ海のフィールドから|湯澤規子「食べる歴史地理学」第5話

食べながら歩く歴史地理学者・湯澤先生の連載、前回の大航海時代に続いて舞台は大海原。ただし今回のフィールドは、現代のカリブ海、ニカラグア共和国です。「ウミガメって、食べたことある?」と先輩地理学者から話しかけられた湯澤先生、今回も壮大な地理と歴史の旅に出発します。

「ウミガメって、食べたことある? 甲羅が結構おいしいのよ」

 文字に残らない世界は、時間がたつと見えなくなってしまうことが多い。

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