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第13回 夜も更けたよおしゃべりやめて 佐藤友哉「妻を殺したくなった夜に」

北国の地方都市を舞台に、少女連続殺人事件をめぐる中学生男女の冒険を描く、佐藤友哉による青春ミステリー。
[毎月最終火曜日更新 はじめから読む

illustration Takahashi Koya


  クローゼットの中にいた少女は高校生くらいで、薄い色の下着を身につけていたが、裏を返せばそれだけだった。
 ブラジャーの隙間からのぞく乳房や、パンツから突き出た太ももが、薄闇の中で妙に輝いていて、さとるは興奮すればいいのか恐怖すればいいのかわからなくなり、頭が痛くなった。
「えへへー」
 少女は剃り跡の残る脇を見せながら、きまりが悪そうに頭に手を置く。
 その様子はまるで、下着姿でいることよりも、見つかったことを恥じているようだった。
「あなたはだれですか?」
 見船みふねがたずねる。
 すると少女は、この場にそぐわぬ明るい声で、
「んーと、あたしはサキだよ。18歳だよ。すごいでしょ」
「なにがですか」
「わかんないけど」
「サキさんは、どうしてクローゼットの中に?」
「下の階で大騒ぎしてたら、ふつうは隠れるでしょ」
「たしかに」
「で、あんたらはだあれ?」
「私たちは、正義の味方です。友だちが売春のうたがいをかけられているので、それが本当かどうかをたしかめにきました」
「正義とかふつうにクソじゃん。あたしなんてほら、今まさに、売春って感じだよ。えへへー」
 サキと名乗った少女は、なんのつもりか笑った。
 さすがの見船も、一瞬ことばをつまらせたが、すぐに立て直して、
「……では中山憲二なかやまけんじさんは、買春常習犯というわけですね」
「それ、だあれ?」
「あなたを買った男ですよ。家に連れこまれているのに、どうして名前を知らないんですか」
「だってえ、名前とか興味ないし」
 サキはクローゼットの中で、むきだしの太ももをかきながら、
「あのおじさんはね、金払いはシブいんだけど、そのかわり、しょっちゅう会ってくれるんだよ。しょっちゅうだよ」
「やっぱり買春常習犯でしたか。ちなみにサキさんは、中山憲二さんと何回くらい関係を持ちましたか」
「んー、百回」
「百回」
「嘘だよお」
「…………」
「でも、数え切れないくらい会ってるのは本当かな。先週も会ったばかりだし」
「どうしてそんな、売春なんて……」
「理由はいつもちがうけど、今のところは、まあ、ティファニーかな」
「ティファニー? アメリカの女優ですか?」
「えっやだ、あんたティファニー知らないの? ちょっと、信じられないんだけど。女の子なんだから、もっとおしゃれに気をつかわないと」
「家庭の事情で、そうもいかないんです」
 見船は憮然ぶぜんとして答えた。
「でもティファニーだよティファニー。去年、ものすごく流行ったし、ふつうは知ってるでしょ。ほらあれだよ、ピカピカした銀色の、輪ゴムみたいな……」
 サキが説明をはじめようとしたそのとき、
 ドン!
 という音がした。
 大きな炸裂音が、階下から響いたのだ。
 サキは顔を上げて、「やっばあ」とつぶやき、
「あれたぶん、猟銃だよ。やっばあ」
 猟銃?
 とんでもない単語を聞いた気がして、悟は総毛立った。
 どうして猟銃なんて物騒なものがあるのか。
「あのおじさん、趣味でシカとかイノシシを撃ってるんだって。それで玄関の靴箱に猟銃をしまってるんだって」
 最悪な情報をサキが教えてくれた。
 ふたたび銃声がした。
 皿なのか花瓶なのかはわからないが、その手のものが砕ける派手な音が聞こえた。
「やっばあ、めちゃ怒ってるよ。あんたら、なにしたの? なんかおじさんが、『助けてくれ』とか叫んでたのは聞こえたけど」
「包丁でおどして、ガムテープでぐるぐる巻きにしてやりました」
「そりゃ怒るねー」
「どうやら拘束が甘かったみたいですね。それはここにいる浅葉あさばくんの責任です」
「死刑だねー」
 サキは笑いながらクローゼットから出てくると、
「逃げよ逃げよ。撃ち殺されちゃうかも。やっばあ」
 そう言って悟の手をとる。
 案外と、あたたかい手だった。
 サキの判断はすばやく、悟の手を引っぱり部屋のドアを開けて、すぐさま廊下に飛び出した。
 だが、いったいどこに逃げるというのか。そもそも部屋を出た瞬間に、猟銃を持った中山と鉢合わせする可能性もあったのではないか。悟はあれこれ気になったが、サキは深く考えていないのか廊下を走り、べつのドアを開けた。
「は?」
 悟は思わず、そんな声をもらす。
 飛びこんだ先の部屋は、端的に言って異様だった。
 壁一面に、少女の写真が貼られていた。
 少女たちは裸か、裸同然の姿で撮影されていて、そんな写真の枚数は1枚や2枚ではなかったし、少女の人数も1人や2人ではなかった。
「はいロックー」
 サキは慣れた手つきで、ドアに鍵をかける。
 壁に貼られた大量の写真にも、この部屋に鍵がついていることにも悟は慄然りつぜんとなり、頭痛が増した。
「ちくしょうが! 殺してやる!」
 中山の怒号と、階段を駆け上がる音が聞こえた。
 ドアノブが回された。
 鍵がかかっていることを知ると、中山はこんどはドアをなぐりつけながら怒鳴った。
「おい、おいこらふざけんな! 俺の部屋に勝手に入るなよ! ガキども開けろ! さっさと開けろおおおお!」
 見船におどされていたときとは別人にしか思えない、凶悪な声だった。
 そういえば、見船がいない。
 中山は今、「ガキども」と言った。それは悟とサキではなく、悟と見船を指したことばだろう。つまり中山は、見船をまだ見つけていないわけだ。
 どこに行ったのだろうか。
 うまく逃げたのだろうか。
「開けろって言ってるだろおおお!」
 今はとりあえず、自分の心配をしたほうがよさそうだ。
 ざっと周囲を見回す。
 この部屋にもクローゼットはあったが、隠れたところで時間稼ぎにもならないだろう。窓もあったが、2階から飛び降りるわけにもいかない。
 結局、悟とサキは、部屋のすみに縮こまった。
 悟はすっかりおびえていたが、サキはのんきに笑いながら、
「えへへー、こういうシーンってさ、ゾンビ映画にあったよねえ。えっとお、なんてタイトルだっけ」
 その映画を悟は知らなかったが、こういうタイプの女が劇中で真っ先に死ぬことは知っていた。
「開けろ!」
 中山はしばらくドアを叩いていたが、自分が手にする得物の効果を思い出したらしく、猟銃が火を噴いた。

 

 ドアの一部が吹き飛び、拳大ほどの穴が空いた。
「ちくしょうが、人の部屋に勝手に入りやがってよお! おまえら絶対にゆるさねえからな!」
 ドアの穴に口を当てながら、中山が叫ぶ。
 まるでドアそのものが怒鳴っているようで、悟はそれを気味悪く感じた。
 火薬のような匂いが鼻を突いた。
「ちくしょう。ああちくしょう……なんだよ、なんで俺ばっかり、こんな目にあわなくちゃならないんだよ……ああ? 悪いのかよ。俺が悪いっていうのかよ。こっちは金を払ってるんだ! むりやり犯したわけじゃないんだ! 売春は人類最初の商売だぞ。だから合法なんだ!」
 中山は独自の論理をふりかざしながら、ふたたびドアをなぐりはじめた。
 猟銃を持った男を相手に、ドアがいつまでももつとは思えない。
 とはいえ、逃げ場はなかった。
 部屋をいくら見回しても、壁に貼られた少女たちの写真が視界に入るだけで、自分を助けてくれるものはどこにもなかった。
「あれ、あたしー」
 サキが壁を指差す。
 そこにはたしかにサキの写真が数枚あり、ちょっとないほどに淫靡いんびなポーズをとっていたが、このときの悟は、それをほとんど見ていなかった。
 
 上野原うえのはらの写真があったからだ。
 
 幸か不幸か、服は脱いでいない。
 写真に写る上野原は、シャツとスカートという格好で床にぺたんと座り、見慣れた笑顔を振りまいていた。
 こんなところに上野原の写真がある。
 それはつまり、
 上野原は売春を、
 売春を……、
「写真にさわるんじゃねえぞ!」
 中山の大声で我に返った。
「絶対にさわるなよ……いや、ちがうちがう。見るなよ。見るのもやめろよ。あの写真はなあ、俺の大事なコレクションなんだよ。俺の生きがいなんだよ。ここまで集めるのに、いくらかかったと思ってるんだ! ちくしょう……ぶちのめしてやる。ぶちのめしてやるからな!」
 ふたたび銃声が聞こえた。
 同時に軽い金属音が響く。
 今の発砲で、ドアノブが壊れたことを悟は理解した。
 ついにドアが破られ、中山が部屋に入ってきた。
 細長い猟銃をかまえながら、ものすごい形相で悟をにらみつけてくる。
 血走った両目からは、殺意しか観測できない。
 あとさきを考えていない、純粋な殺意だった。
 大人が本気で殺意を向けてきて、しかも猟銃を持っている。
 悟はその現実に耐えきれず、萎縮して動けなくなった。
 しかし動けたところで、どうにもならないのも事実だった。中山との距離は2メートルもなく、悟はしゃがみこんでいて、ぱっと行動できる状態ではなかった。
 中山は弾を装填すると、じゅうぶんすぎるほど近づいて、悟に銃口を向けた。
 殺される。
 殺される。
 殺される。
 頭には、それしか浮かばない。殺される。殺される。殺される……。
 中山は引き金に指を当てたまま、
「サキちゃん……ちょっとだけ、まっててね。今からこいつを撃ち殺すから、そのあとで、つづきをしようね」
「殺すの?」
「殺すよ」
「それはやばいよ。ちょっとまってだよ」
 サキが止めに入った。
 悟はサキの対応に望みを託した。
「あのね、おじさん、人を殺したら犯罪になっちゃうんだよ。つかまっちゃうんだよ。それでもいいの?」
「バレなきゃつかまらない」
「いや、バレるでしょ」
「ところがバレないのさ。こいつらを殺したことを、僕はだれにも言わない。ママは口が利けない」
「あたしはしゃべれるけど?」
「サキちゃんがだまっててくれたら、完全犯罪が成立する。ガキどもを殺して、死体を庭に埋めて、これで問題なしだろ?」
「んー……」
「理解した?」
「したかも。おじさん、頭いいねー」
 こんなやつに期待した自分が馬鹿だった。
「そういうわけで死ね」
 中山が銃口を突きつけ、ぐいっと押し当ててくる。
 冷たい鉄の感触が、悟の額を支配した。
 熊の一撃を喰らっても生きのびた自分だが、さすがにこれはむりだろうと絶望して、思わず目を閉じる。
 激烈な恐怖のせいか、ろくな人生を送ってこなかったのが原因か、走馬灯はやってこなかった。
 あるのは暗闇だけ。
 だれの顔も浮かばない。
 父親も母親も弟も、上野原の顔さえ出てこない。
「死ね」
 中山がふたたび宣告した。
 ドン!
 大きな音がして、悟は目を開く。痛みはなかった。そして意識があった。生きている。でもどうして?
 悟の目の前には、猟銃をかまえた中山のかわりに、見船が立っていた。
 どうしたわけか、中山は床にのびていた。
 見船の手には、木製のハンガーがにぎられている。
 ハンガーの先端には、血がついていた。
「ひどいですよ。あーあ、まったくひどい。私を置いて、さっさと逃げちゃうんだから。くひひひ」
 見船は口もとだけで笑って、
「2人が逃げちゃったので、私はれいのクローゼットに隠れていました。このハンガーは、そこから拝借したものです。それにしてもまさか、『刑事物語』なんていうくだらない映画の知識で命拾いするなんて……。私は一生、武田鉄矢に感謝しながら生きることになってしまいました。つらい人生です」

 バスに乗って帰った。
「ドイツは合理的な国として有名です」
 バスに揺られる2人は無言だったが、鶏荷町とりにちょうに近づいてきたとき、隣に座る見船が不意にそんなことをつぶやいた。
「……それは西ドイツ? 東ドイツ?」
「どっちだってドイツですよ」
 見船は窓の外を見るともなく見ながら、「さっきの魔女裁判の話ですけど」と前置きして、
「ドイツは魔女の処刑をさくさく進めるために、蒸し風呂を造ったんです。そこで魔女たちをまとめて、一気に蒸し殺したわけ。いちいち処刑するよりも、ずっとかんたんですからね」
「はあ」
「蒸し風呂による犠牲者は、1000人を超えるそうですよ。ナチスがアウシュビッツを発明する何百年も前から、ドイツはずっと合理的だったわけです。きっとこれからも合理的な判断を下して、世界から嫌われるんですよ」
「見船さん、それ、なんの話? 事件と関係あるの?」
「あるわけないでしょう。ただの雑談です。『昨日の「爆笑!スターものまね王座決定戦」見た? ビクター犬のものまね、すごいおもしろかったよねー。淡谷先生めっちゃ怒ってたよねー』みたいな、クラスの連中が話しているのとおなじくらい無価値な雑談」
「雑談にしては、特殊な感じもするけど」
「ウチにはテレビがないんです。あるのは本だけ。そりゃ雑談の内容も、魔女やナチスになっちゃいますよね」
「僕はてっきり、きみの趣味がそう言わせているのかと思った」
「浅葉くんは私のことを、どんなふうに見ているんですか?」
「べつに、見たままだけども」
「すべてを生まれのせいにする気はありませんが、まじめにはたらく父親や、優しい母親でもいれば、今とはまるでちがった人間になっていたと思うことはあります」
 おそらく本音なのだろう、見船にしては真摯しんしな声だった。
 悟の本音としては、自分たちがこんな人間になってしまったのも、事件の捜査に入れこんでいるのも、生まれた町のせいだと思っている。
 なので見船の言を借りれば、生まれた町がもっと都会だったら、自分は今とはまるでちがった人間になっていたし、上野原だってべつの人生があったと確信していた。
「ねえ見船さん……あの2人、あのままにしておいてよかったのかな」
 上野原のことを思いながら、悟は口を開いた。
「もちろんですよ。向こうも私たちも、警察に腹をさぐられたくないという意味ではいっしょですからね。おたがい、なにもなかったことにして別れるのが正解です。私たちは今回、うまくやりましたよ」
「……進展はなかったけどね」
 中山が目を覚ましたあと、すべてを聞き出した。
 証言によれば、寝室のベッドにいた老婆は、長いこと寝たきり状態の母親で、中山はそんな母親の介護をしつつ、時間を作っては少女たちを買っていたらしい。
 買春相手は、中山が個人で見つけていたらしく、大島雫おおしましずくの父親が経営している『ビッグ・アイランド』のことは聞いたこともないと答えた。うばった猟銃でおどしても返答は変わらなかったので、本当に知らないのだろう。ねんのためサキにも確認したが、返答は似たようなものだった。
 結局、少女連続殺人事件と、『ビッグ・アイランド』とのつながりは、依然として謎のまま。
 中山という男は、たんなる変質者にすぎなかったわけで、あとには、上野原が売春をしていたという事実だけが残された。
「ぼぼぼ、僕は……上野原って子を鶏荷駅で見かけて、それでその、あんまり綺麗だったから、思わず声をかけたんだ。だからその、声をかけたのはたしかに僕だけど、誘ってきたのは向こうからで……う、嘘じゃない! 本当なんだ! それで結局、四回くらい会ったかな。ヌード写真は撮らせてくれなかったけど……でも、結局……した。しました。嘘を吐いて悪かった。ゆ、ゆるしてくれ! だって、きみたちが急におどしてくるから怖かったんだよお! 殺さないでくれえ! ゆるしてくれえええ!」
 猟銃を突きつけられ、泣きながら告白する中山と、壁に貼られた上野原の写真が、すべての証拠だった。
「上野原さんのこと、だまっておこうよ」
 バスに揺られながら、悟がそんな提案をすると、見船は愚弄するような目を向けた。
 言わなければよかったと、すぐに後悔した。
「私は死人を売るような人間じゃありませんが」
「ごめん……」
「シケたことを言ったり、すぐに謝罪したりするようなまねは二度としないで。気分が暗くなります」
 見船は悟をにらみながら、
「あーあ、やんなっちゃう。今ごろソ連の潜水艦は、核兵器を積んで元気いっぱいに泳いでいるのに、私たちはろくな収穫もなく、帰りのバスにしょんぼり乗っている……。そんなときに、シケたことばかり言ってくる浅葉くんなんて、バスから突き落としてやりたい」
「ごめんって」
「謝罪にはなんの意味もないことを、中山憲二を見て学ぶべきですね。あやまるひまがあるなら、あなたは自分がやるべきことをやってください」
 わかっている。
 本日のミッションは2つ。
 上野原の売春が、事実かどうかを確認すること。
 それと、悟の父親から、文通や血のついたコートについて聞き出すこと。
 悟がこれまでずっと逃げ回ってきたことを、とうとう実行する日がきた。そしてそれは今日だった。
「できそう?」
 見船が聞く。
「……やる。今日やる。絶対にやる」
「もしまたできなかったら、本当にバスから突き落としますからね。それとも、頭をドスンと撃ち抜かれたい? 私はべつに、どっちだっていいんですよ。くひ、くひひ……」
 見船は笑って、足もとにころがっている細長いケースを軽く蹴った。
 そこには猟銃が入っていた。
 なんの気まぐれか、見船がうばってきたのだ。
 バスは鶏荷駅でとまり、2人は降りた。
 特別なあいさつもなく別れ、悟は家に帰った。

 覚悟を決めて家のドアを開ける。
「おかえりなさい。遅かったじゃないの」
 キッチンから出てきた母親がそう言った。
 いつもの家庭の風景だった。
「どこ行ってたの?」
 母親がたずねる。
 それもまた、いつもの家庭の風景だった。
「寄り道してた……」
「あっそう。学校終わったら、すぐに帰りなさいよ。頭の怪我はどう? まだ痛む?」
 いろいろなことがありすぎて、そんなことなど完全に忘れていた悟は、「もう平気」と答えた。
 すると母親は、めずらしく気まずそうに視線をさまよわせながら、
「それだったら、とおるの様子を見てほしいんだけど……」
「透?」
 弟がどうしたというのだろう。
「あの子ね、なんか最近、おかしいの。返事もしないし、おやつも食べないし、ずっと上の空というか、とにかくおかしいの。あんた、なんか知らない?」
 知らないこともない。
 透の通う水泳教室で、上野原と透の同級生が、おかしな会話をしていたのを聞き、それについて悩んでいる様子だった。
「知らない」
 だけどそのことを話して、母親にさわがれるのも面倒だったので、悟はとぼけてみせた。
「まあそうでしょうね」
 母親は落胆したようにうなずき、
「とにかく悟も、ちょっと話してみてちょうだい。なにかわかったら母さんに知らせて。おねがいね」
「わかった」
「ご飯は六時だから」
 それだけ言ってキッチンに戻った。
 悟は少し考えたが、やるべきことがなかったので、子供部屋に入った。
 透は2段ベッドの上にいた。
 悟が部屋にやってきても反応はなかった。
「透」
 声をかけても反応はない。
 無視された悟は、できるだけさりげない調子を装って、
「なあ透、母さんが心配してたみたいだけど、調子よくないのか? 一応、返事くらいはしておいたほうがいいと思うぞ。母さん、怒ったら面倒だから」
「…………」
「水泳教室のことなんだろ。なあ、そうなんだろ」
「…………」
「もしよかったら、その話を聞きたいんだけど。相談なら乗るぞ」
「…………」
「おい透」
 無反応に苛立った悟が、つい声を荒らげると、
「兄ちゃん」
「なんだよ」
「質問したからって、素直に答えてくれる人なんていないんだよ」
 妙に大人びた口調におどろいて、悟は透を見上げた。
 目が合い、おどろく。
 透の顔は疲れきっていて、とても小学生に見えなかった。
 はたして透は、いつからこのような状態だったのだろう。悟は記憶をたどろうとしたが、これまで自分の問題で手いっぱいだったこともあり、なにも思い出せなかった。
 そんな悟を2段ベッドから見下ろしながら、透はつづけた。
「兄ちゃん、ぼくはなにも話さないよ。そういうことができるタイミングは、もう、すぎちゃったんだ」
 声変わりがはじまったのかと思うほどに低い声だった。
「なんだよ、タイミングって」
「タイミングは、タイミングだよ。知らないの?」
「知ってるけど……」
「だいたい、兄ちゃんなんかが解決できるわけもないんだから、相談したいって思うわけないでしょ、はじめから」
 ひどいことまで言ってくる。
 弟の変化に心を乱して沈黙していると、敷地に車が入る音が聞こえた。
 父親が仕事から帰ってきたのだ。
「お父さんだよ」
 透が低い声で言った。
「わかってる。いちいち言うな……」
「兄ちゃん、お父さんに聞きたいことないの?」
「あ?」
「聞きたいことないの?」
「…………」
「ほらね、兄ちゃんじゃだめだよ。解決できるわけないんだ」
 透はほとんど真理のように言った。
 いっぽうの悟はことばをうしない、逃げるように子供部屋を出た。
 すると、ちょうどリビングに入ってきた父親が、「ただいま」と言った。
「……おかえりなさい」
 悟はそれだけ言って、必要もないのに早足でトイレに向かった。
 頭の中で、透がせせら笑う幻聴が響いた。

 午後六時になった。
 母親が時計のように正確に動き、リビングに食事がはこばれ、家族みんなで夕飯を食べた。
 そのあいだ、母親はぺちゃくちゃとしゃべり、悟はたまに相槌を打ち、透と父親は無言だった。
 テレビはついていない。
 いつのころからか、食事中はテレビが消されるようになっていた。
 夕食を終えても、悟はリビングから動かなかった。透のいる子供部屋に戻りたくなかったのと、父親に声をかけるチャンスをうかがっていたからだ。
 悟と父親の2人は、ソファにならんで座っていた。
 父親は缶ビールを飲みながら、バラエティ番組を見るともなく見ていて、悟はその横で、雑誌を読むともなく読んでいた。父親が気まぐれに買ってくる雑誌には、ゴルフやワープロについての情報が書かれていたが、どれも父親の人生とは関係のないものばかりだった。
「お風呂、沸いたわよ」
 キッチンから母親の声が聞こえ、はっとして顔を上げる。
 時計の針は、午後八時を指していた。
 ……またこれだ。
 結局、なにもしないまま、またこんな時間になってしまった。
 悟はソファから立ち上がると、雑誌を棚に戻しながら、とりあえず風呂に入って気分を変えよう、そのあとでかならず父親から話を聞こうと自分に言い聞かせた。
 言い聞かせたが、自分がその誓いを破ることも同時にわかっていた。
 このまま風呂に入ったら、おれはどうせ楽なほうに流される。湯船に浸かって、パジャマを着て、ベッドにもぐり、寝逃げするにきまっている。なぜならおれは卑怯者なのだ。臆病者なのだ。
 今までもそうだった。
 これからもそうにちがいない。
 だけど。
 そんなおれの人生の中でも、もっとも勇気にあふれる輝かしい1日のひとつが、今日ではないのか。
 おれは今日、ずいぶんいろんな冒険をした。上野原の秘密も知った。それによってこの性格が変わったわけではないにせよ、昨日や明日の自分とくらべれば、あきらかに強い。
 やるなら今日しかない。
 やれるのは今日しかない。
 悟は深呼吸をした。
 ソファに戻り、父親の横に座る。
 そして、ついにというべきか、ようやくというべきか、声をかけた。
「父さん……聞きたいことがあるんだけど」
「ああ、どうした」
 父親はテレビを見ながら言った。
「ええと、あのさ」
「ああ」
「あのさ」
「ああ」
「父さん、『トップガン』見てたよね」
「ああ」
「父さん……映画好きだよね」
「映画?」
「そう映画。好きだよね」
「まあ、そうかも」
「父さん、映画の雑誌って……ウチにあるかな」
「あ?」
「映画の雑誌」
「ない」
「なんで?」
「買ってないから」
「なんで? 映画好きなんでしょ」
「ああ」
「買ったことある?」
「なにを」
「だから映画の雑誌を」
「ない」
「なんで?」
「…………」
「父さん、映画の雑誌に……」
「あ?」
「映画の雑誌に、なんか書かなかった?」
「あ?」
「映画の雑誌に、なんか書かなかった?」
「なんかって、なんだよ」
「わかんないけど……文通とか」
「おまえ」
「え」
「おまえ」
「父さん?」
「おまえ……」
「え、なに?」
「おまえ、おまえ」
「父さん?」
「おまえ、おまえ……」
 このときの父親は、悟を見ていなかった。
 ビールの缶を手にして、テレビ画面を凝視している。
 缶をにぎった手が小刻みに震え、ビールが泡となってこぼれ落ちたが、それにかまうことなく、「おまえ、おまえ……」とくり返すだけ。
 壊れた。
 父さんが壊れた。
 悟はそう思った。
 まるで正解を告げる鐘のように、チャイムが鳴った。
 悟は動かなかった。
 父親も動かなかった。
 ふたたびチャイムが鳴った。
 それでも動かないでいると、母親がキッチンから飛んできて、「ちょっと2人とも、そこにいるなら出なさいよね。まったくだれよ、こんな時間に」と文句を連発しながら玄関に向かった。
「ああどうも奥さん、夜分遅くに恐縮です……おや、おどろかせたようですね。これはすみませんね、はっはは!」
 玄関から、聞き覚えのある笑い声が聞こえた。
 その瞬間、悟はすべてから逃げたくなったが、それでも逃げられないことを理解して、声のするほうに移動する。
 はたして玄関前には、病室にやってきた2人組の警察官、宮島みやじま原田はらだが立っていた。
 宮島は警察手帳を母親に見せつけていたが、悟に気づくと、ひそかにサインでも送るように片目を細めた。
 父親に話を聞きにきたのだ。
 悟はそう直感した。
「警察がなんのご用でしょうか」
 なにも知らない母親がたずねた。
 宮島は警察手帳をようやくしまうと、
「じつはですね、確認したいことがありまして、こうしてあちこち、各家を回っているんです」
「確認って……なんの確認ですか」
「奥さん、そんなの、事件のことにきまっているじゃありませんか。いやだなあ、はっはっはは」
「事件のことなんて、私たちはなにも知りませんよ」
「ええ、ええ。そうですよね。いやなに、形式的な質問ですし、すぐ帰りますから、そこはご心配なく。というわけで、質問なのですが……」
 宮島が話しはじめたそのとき、
 悟は突き飛ばされた。
 つづいて母親が、さらには宮島と原田も突き飛ばされ、そのあいだを縫うように、小さな人影がすり抜けた。
 透だった。
 リュックサックを背負った透が家を飛び出して、脇目も振らずに走り去った。   

 あっというまのできごとだった。
 透は迷いのない動きで走り抜け、夜の闇に消えてしまった。
 悟も、2人の警察官も、そして母親も、突然の展開におどろき、なにもできなかった。だれもが混乱して、無言だった。悟は呆然として、弟を呑みこんだ暗闇を見つめながらも、激烈な不安に襲われていた。
 最初に動いたのは母親だった。
 裸足のまま外に飛び出すと、しばらくあたりを見回していたが、警察官たちに向き直って、
「あんたたち、どうしてくれるのよ!」
 食ってかかった。
 いきなり怒鳴りつけられ、さすがの宮島も困惑した様子で、
「いえ、我々はべつになにも……」
「どうしてくれるのよ!」
「奥さん、落ちつきましょう」
「あんたたちがこんな時間に急にくるから、きっと息子はびっくりしちゃったのよ! もし息子になにかあったら、どう責任をとるつもりなの!」
 むちゃくちゃなことを言っていると悟は思ったが、同時に、いつもの母親らしい反応だとも思った。
 こうなると、手がつけられない。
 たしか以前にも、このようなことがあった気がする。
「どうにかしてよ! 早く息子をさがしてよ!」
 そうだ。
 数年前の保護者会だ。
「なんでそんなところに突っ立ってるわけ……なにかあってからじゃ遅いでしょ!」
 保護者会の席で、あのときも母親はおなじように叫んでいた。
「ねえ、さがしてちょうだい! おねがいだから早くしてよ!」
 すると父親がやってきて、
「さがしてくる」
 そう言うなり、駐車してある白いワゴン車に駆け寄った。
 原田が短く、「あっ」と言ったが、父親はエンジンをかけて、透とおなじく闇夜に消えてしまう。たしか父親はビールを飲んでいたはずだが、ここで指摘すべきではないと思い、悟はだまっていることにした。
「私たちもさがしましょう。あんたたち、車を出して」
 母親は、家の前にとめてあるパトカーを指差した。
 宮島は母親をなだめつつ、
「奥さん、ちょっとまってください。あの、我々は話をですね……」
「わかってます。聞きたいことがあるなら、あとでしっかり話します。それでいいでしょ? さあほら、さっさと車を出して……早く! 早く!」
 ものすごい剣幕で詰め寄る。
 宮島はまだ困惑している様子だったが、それでもなにかを計算しているらしく、眼球をすばやく動かしながら、隣に立つ原田に耳打ちした。
 原田はうなずき、
「では奥さん、パトカーに乗って、我々といっしょに息子さんをさがしましょう。心当たりはありますか?」
「そんなのないわよ!」
 母親は大声で叫ぶと、
「悟、あんたは自転車で透をさがしてちょうだい。おねがいね」
「わ……わかった」
 悟は反射的に返事した。
 母親は宮島と原田に連れられて、パトカーに乗った。
 宮島がパトカーの中から、ちらりと悟を見た。
 感情の読めない目だった。
 パトカーは走り去る。
 悟も自転車にまたがり、とにかく夜の町に出た。
 自分の計画とは、まるでちがう展開になってしまった。
 父親から、文通や血のついたコートの話を聞こうとして、とうとう質問できたというのに、やってきたのは新たな混沌こんとんだった。
 いったい透はどうしてしまったのか。
 そして、どこに行ってしまったのか。
 透の調子がおかしいのは承知していたが、いきなり家を出るなんて、想像すらしていなかった。
 透はまだ11歳だが、それでも自分より賢く、まじめで、そして常識的な人間だ。そんな人間が家を飛び出す以上、まともな精神状態ではなかったと考えるべきだ。そして透の頭を乱す要因とは、れいの水泳教室でのできごとだろう。
 だとしてもどうして、こんなタイミングで?
 宮島はさきほど、「形式的な質問」と言っていたが、しかし本当のところは、少女連続殺人事件の容疑者が父親だと目をつけて、事情を聞きにきたのだろう。
 透の悩みと、警察が父親に事情を聞きにきたことに、なにか関係があるのか? それとも、まったく無関係なタイミングで、透は飛び出したのか? タイミング? そういえば透は、タイミングがどうこうと言っていた。そこにヒントでもあるのか?
 わからない。
 わからないが、それでも悟は、家を出る透の背中に、リュックサックがあったことをみとめていた。
 つまりそれは、家出の準備を前もってしていたということだ。ならば透は最初から、こうするつもりだったのか? これが透のタイミングだったのか?
 わからない。
 結局、わからない。
 見船に相談したかった。
 この意味の通じない状況に、強引でもいいから仮説を立ててもらいたかった。
 だけど今、見船はいない。
 見船どころか、だれもいない。
 暗闇の中で自転車を走らせるのは、自分だけ。
 遠くからサイレンの音が聞こえた。母親たちが乗っているパトカーだろうか? 車がアクセルをふかす音が聞こえた。父親の乗った車だろうか?
 わからない。
 悟は永遠になにもわからないまま、暗い町を自転車で走りつづける。
 公園。水泳教室の前。住宅街。横断歩道。透はどこにもいない。そして悟には心当たりもない。当然だった。一般的な小学生にすぎない透は本来、こんな時間に出歩かない。きっと行くところなんてないのだろう。
 それなのに透は、リュックサックを背負って、家を出た。
 ……野宿?
 あのリュックサックには、水筒や食料が入っていたかもしれない。透はどこかで夜を明かすつもりなのかもしれない。
 季節は7月。
 やろうと思えば、外で夜を明かすこともできるし、この町には、人目につかない場所など腐るほどある。
 それこそ、菱坂町ひしさかちょう……見船の父親が経営する古本屋のあたりまで行けば、周囲にあるのは森だけだ。
 深い森にもぐってしまえば、まず発見されない。
 透が本気で逃げたとしたら、見つけることはできない。   

 だからといって、あきらめるわけにもいかなかった。
 あてもなく、自転車をこぎつづける。
 町を1周した。
 もう1周した。
 透はどこにもいなかった。
 3周目、鶏荷駅の前に差しかかったあたりで、さすがに力尽きた。
 駅前の時計を見ると、午前零時を回ろうとしていた。
 もしかしたら透とは、もう二度と会えないのではないか。そんな不安が悟の内部を駆けめぐる。
 そのとき、赤色灯をつけたパトカーが国道をそれて鶏荷駅のロータリーに入り、そっと停車した。
 パトカーから、宮島に連れられた母親が出てくると、悟を見つけて、こちらにやってくる。
「悟!」
「母さん」
 悟と母親は、ほとんど反射的に手を取り合い、おたがいの情報を瞬時に読み取る。母親は今にも泣き出しそうな顔つきだった。どうやら捜索は不首尾に終わったらしい。
「母さん、透は?」
 悟はそれでもたずねる。
 母親は首を横に振って、
「わからないの。どこにもいないの」
「僕も見つけられなかった。ごめん……」
「透……透はどこに行っちゃったんだろうね。ああ、かわいそうだね。透、なんてかわいそうなんだろう」
「母さん」
「ねえ悟……透はどうしちゃったの? なんでこんなことになっちゃったの?」
「わかんない、どうしよう母さん。僕、透がどうしちゃったのかわかんないよ」
「私もわからないの。わからないのよ」
 母親がうなだれる。
 宮島はそんな親子を見つめながら、「応援を呼んだので、ご安心ください。息子さんはきっと見つかるでしょう」と言った。そのことばは母親には響かなかったらしく、悟の手を強くにぎったまま沈黙していた。
 悟は駅前を見回す。
 終電をすぎた駅は照明が完全に消されていて、あたりに人の気配はなかった。当たり前だった。連続殺人犯がまだ捕まっていない真夜中の田舎町を、のろのろ出歩く人間などまずいない。
 なので、子供の姿を見つけたとき、悟はぞっとした。
 その子供は、小学生くらいの女子だった。
 透と変わらないくらいの女子が、駅前の交差点に1人で立っているのだ。
 ……あれ?
 悟はその少女に、見覚えがあった。
 しかし、だれだったのか、どこで見たのか、どうしても思い出せなかった。
 少女は自分がこの場に似つかわしくない存在であることに気づいていないらしく、まるで学校に忘れ物を取りに向かうくらいの気軽な足取りで、きちんと信号を確認してから、交差点の横断歩道を渡りはじめた。
 そのとき、
 
 車のエンジン音が聞こえた。
 
 音がする方向に目を向けると、1台の車が、ものすごい速度で横断歩道に迫ってきた。
 突然のことにおどろいたのか、少女は道の真ん中で足をとめてしまう。
 ぶつかる。
 悟がそう思った次の瞬間、暴走する車は急ブレーキを踏んだ。
 タイヤが路面をこすり、異様な音を響かせる。
 車は左右に揺れながら路面をすべり、少女の横ぎりぎりをすり抜ける。
 そして勢いをほとんど殺さぬまま、交差点を猛スピードで突っ切り、反対側のガードレールに激突した。
 金属同士がまともにぶつかり合う音がとどろき、火花が飛び散った。
 ガードレールに突き刺さるようにして、車はようやく止まったが、火花が燃料タンクに引火したらしく、炎が車体を包みこんだ。
 パトカーから原田が飛び出して、横断歩道で立ちすくんでいる少女を回収すると、こちらに引き返してきた。
 爆発はつづく。
 その勢いはすさまじく、悟と母親は熱風をもろに浴びて腰を抜かした。
 宮島がすかさず、2人を受け止めた。
 悟は宮島にかかえられながら、燃えさかる車を見つめる。
 車はあっというまに火柱となり、夜空を赤く照らした。
 やがて、あの車にだれが乗っているのかを知る者たちのあいだに、静かな混乱が広がった。
 車がガードレールに激突して炎上するまで、ほんの数秒もなかった。
 それでも悟たちは、その車の正体に気づいていた。
 燃えさかる車は、父親が運転する、あの白いワゴン車だった。

(つづく)

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連載【妻を殺したくなった夜に】
毎月最終火曜日更新

佐藤友哉(さとう・ゆうや)
1980年北海道生まれ。2001年『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞受賞。2007年『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を最年少で受賞。他の著書に『クリスマス・テロル invisible×inventor』『世界の終わりの終わり』『デンデラ』『ナイン・ストーリーズ』『転生! 太宰治 転生して、すみません』『青春とシリアルキラー』等がある。
Twitter:@yuyatan_sato

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