「わるたべ」ファン総勢80名が八重洲ブックセンターに集結! 千早茜×北澤平祐『こりずに わるい食べもの』刊行記念トークイベント&サイン会
第168回直木賞を受賞した千早茜さんの、最新エッセイ集『こりずに わるい食べもの』。2022年12月17日、八重洲ブックセンター本店8階ギャラリーにて本書の刊行記念イベントを開催しました。
本イベントは、著者である千早茜さんと本書の装画・挿絵を担当されている北澤平祐さん、T嬢ことホーム社担当編集者の3名によるトークイベントと、サイン会の2部構成で行いました。
会場はありがたいことに満員御礼! 千早さん、北澤さんのファンの方、そして「わるたべ」ファンの皆さん総勢80名の方にお集まりいただきました。
当日の様子をたっぷりとレポートします。
(構成=編集部/撮影=木内章浩)
※北澤さんはお手元の写真のみ掲載しています。
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「わるたべ」シリーズと八重洲ブックセンターのなれそめ
千早 千早茜です。今日はお集まりいただきありがとうございます。
――司会進行をさせていただきます、わるたべの中のT嬢こと担当のTです。よろしくお願いします。最初に「わるい食べもの」と会場の八重洲ブックセンターさんのなれそめと、なぜこちらでイベントするのかということをお話していければと思います。1冊目のピンクの本(『わるい食べもの』)のときにこちらでイベントをしたんですよね。
千早 そうですね。今回の赤(『こりずに わるい食べもの』)で3冊目なんですけど、全部買ってくださっている方ってどのくらいいらっしゃるんでしょうか……?
(客席の半数以上が手を挙げる)
わぁ、すごい、いっぱいいる! ありがとうございます!
――4年前(2018年)1冊目が出たときに初めてこちらでイベントをさせていただいたのがはじまりですね。八重洲さんの文芸書担当である内田さんは、書籍化される前の文芸誌の連載も読んでいるというすばらしい書店員さんで……千早さんの著作もいつもたくさん揃えてくださっていてありがたいです。でも2冊目のときはコロナ禍でイベントがなかなかできない状況で……。
千早 その中で何かできないかと思って、日比谷(HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE、現在は閉店)でパネル展と、北澤さんとのトークイベントを少人数でやったんですよね。
なので、八重洲ブックセンターでは今回が2回目のイベントです。嬉しいです!
自分だけの食生活を楽しんでほしい
――ところで、ちょうど昨日報道がありまして、千早さんの『しろがねの葉』(新潮社)が直木賞の候補に選ばれました。おめでとうございます。
(客席から大きな拍手)
千早 候補というだけで、おめでとうと言ってもらってもいいんでしょうか。よくわからないので、Twitterとかでおめでとうと言ってくださった人も全員スルーしていて……今、「ありがとう」と言ったら、なにか良くないことが起きるような気がするんですよ。
――こういう偏屈なところが千早さんの面白いところなので、エッセイを書いていただいているわけです(笑)。
千早 でも、今の拍手もそうですけど、喜んでくれる人がいるんだというのは嬉しいです。今回はすでにわるたべシリーズを読んでいただいている方が多そうなので、作品のふみ込んだ話もできるかな。しかし、3冊目ってすごいなという気持ちがあります。個人的には2冊まではまだシリーズじゃないなと思うんですけど、3冊となるともう逃れようなくシリーズですよね。まさか自分の人生でシリーズを出すことになるとは……今も嘘みたいだなと思っています(笑)。
――では、そろそろ北澤さんをお呼びしましょうか?
千早 あ、その前にひとつ。北澤さんがすごくいい人なので話しているとほんわりしてしまいがちなので(笑)、先に毒を吐いておきたいです。そもそもこのエッセイのテーマって「わるい」食べものなんですよ。基本的に私の食生活をつらつらと書いてる本であって、誰かに実践してもらいたいとか、現代の食はこうあるべきとか、そういうわけではないんです。でもこの間、小さなイベントをしたときに私が「プチ絶食をしたらすごく体調が悪くなった」みたいな話をしたら、「常に食べ続けるのが健康にはいいと思う」というような内容が新聞記事に載ってしまったんですよ。そうじゃないのに……。つまり何が言いたいかというと、万人にとっての「いい食べもの」の話は全くしませんよ、という認識で読んでほしいんです。あくまで私の話。個人の感想として受け取っていただきたいし、皆さんも周りの意見に流されずに自分だけの食生活を楽しんでいただきたい、そういう気持ちで書いています。
北澤平祐さんご登場
――ということで、北澤さんをお呼びしましょう。
「わるい食べもの」シリーズの挿絵や装画を1冊目からずっとご担当いただいている、大人気のイラストレーター、北澤平祐さんです。
北澤 こんにちは。はじめましての方もいらっしゃると思います。イラストレーターの北澤平祐と申します。よろしくお願いします。
千早 最近まで表参道の「HBギャラリー」で個展をされていましたね。
北澤 はい、千早さんにも来ていただいたんですけど、「今ここで話し過ぎるとトークイベントで話すことがなくなるのでこれ以上はやめましょう」というくだりが何回もありましたよね(笑)。
千早 さっきの楽屋でも結構盛り上がってしまって、いけない、と思ってお互い背を向けたりしていました。
――今日は北澤さんのイラストも見せながらお話しいただきましょう。
千早 わるたべを連載している「HB」というホーム社文芸図書編集部のウェブサイトがあるんですけど、そこで今、この本のイラスト全点をカラーで公開しているんですよね。北澤さんと私の、絵に対してのコメントも載っています。
北澤 映画のDVDのオーディオコメンタリーみたいなのを文字でやっている感じですね。
わるたべのイラストができるまで
――わるたべは、毎回千早さんの原稿を北澤さんが読まれて、そこから北澤さんが自由に描いたラフに対して千早さんがお返事する、というプロセスでつくっています。
北澤 私のほかの挿絵の仕事に比べて、圧倒的に自由ですね。基本的には千早さんの原稿をTさんからメールでいただくんですが、そこに余計な指示とかコメントは書かれていないんです。原稿はたいてい2回分送っていただいていて、どちらか描きたいほうのイラストを描いてください、という形ですね。あとは前回のイラストとの兼ね合いでテイストを調整したりしています。そこから私はラフと呼ばれる「こういう絵が描きたいです」という下書きをお送りして、千早さんから何かリクエストやアドバイスがあれば、それを反映する形で仕上げています。
――ひとつ例をお見せしましょうか。こちらは「ブラックランチボックス」という話のイラストです。
北澤 この弁当箱のイラストは、元々私は外側にはきれいな花を描いて、実は中身は……というイメージでラフを出したんですけれども、千早さんが「ここは架空の植物のほうが楽しい」と提案してくださって。確かに、と思ってそれを取り入れつつ本番を描きました。
千早 これは私の一番のトラウマ回ですね。できれば文字に残さず封印したいような記憶のエッセイなんですけど、3冊目ともなると、昔の話のストックがなくなってきてもう書くしかないんだなと思って。私、今はわりと綺麗好きな人間だと思うんですけど、中学校の頃に弁当箱を洗わずに隠してしまったことがあって、その話です。あの時はもう本当に、ベッドの下に死体を隠しているぐらいの罪悪感と共に毎日生きていて……こんな不潔な人間だったと思われたくないという恥じらいもあって、なかなか書けずにいた話なので、はじめのラフみたいに綺麗なものじゃないなと思ったんですよ。
――結果的に、不穏だけどすごくかわいい。
千早 私のトラウマが昇華された回でした。
餃子をつくるということ
千早 基本的にお弁当はもう作りたくないけど、詰める作業は好きなんです。
北澤 あぁ、餃子を作る話もそうですよね。脳みそを休めるために、ルーチン的なことが必要なんですかね?
千早 はい。単純作業をしている間は「自分」が消える感じがあって。あとは頭の整理をするのにもいいんですよね。嬉しいこととか嫌なことがあったときとかにも餃子を作ります。というのも、私にとって嬉しいことと嫌なことはわりと同義なんですよ。もちろん嫌なことは嫌なんですけど、それが上でも下でも、感情の落差がめちゃめちゃ苦手なんです。平坦がいい。昨日みたいなこと(直木賞候補に選出)もそうですね。わるたべのLINEスタンプを作ったじゃないですか。あの「ご武運を」ってやつ。
――千早さんが愛するお菓子をお守り化したスタンプですね。ご存じない方にご説明しておくと、わるたべシリーズでLINEスタンプを作ったんです。北澤さんのイラストを使わせていただいていて、言葉は千早さんがセレクトしています。
千早 そう、これは京都の村上開新堂のロシアケーキなんですけど。直木賞候補の発表後に、友人知人からあのスタンプばっかり来るんですよ。「ご武運を」「ご武運を」って。ずらりと並ぶのを見ていたらだんだん「死ぬのかな」みたいに不安になってきて、そういう時に餃子を作りたくなる。
北澤 千早さんは一つの作品を書き終えられてからとか、締め切り明けの疲れた時に作りたくなるっておっしゃってましたよね。私も餃子を作るのはすごい好きなんですけど、絵の仕上げの締め切り前ぎりぎりに作るんです。自分でもこんなときに何をやってるのと思いながら、そうやって一瞬忘れてから、最後の仕上げに入る。儀式的な感じです。担当の方にラフをお送りしてもすんなり通らないことが多くて、ダメ出しが入るのが怖くて一旦逃げている感じですね。
北澤さんのはまっている食べ物
――そういえば千早さんと私はいつも食べ物の話をしていますけど、北澤さんとはあんまり食べ物の話はしないですよね。
千早 そうですね。あ、でも日比谷のイベントの時にしましたよね、北澤さんのはまっている食べ物の話。
北澤 ああ、私にとっての「わるい食べもの」は何かと聞かれて「サク山チョコ次郎」の話をしましたね。
千早 そうそう、サク山チョコ次郎! 私はチョコ山サク太郎とか言ってしまって、一度も正しく名前が言えなかったんですけど……。あれが好きって北澤さんがおっしゃっていたので、イベントのあとすごい探したんですけど見つからなくて。「見つからないです」ってメールしたら送ってくださったんですよ! なんていい人なんだと思いました。
北澤 それを言ったら千早さんほど丁寧な人もいらっしゃらないでしょう。いつも本が出たときは、本当にきれいなお手紙とお菓子を送ってくださいますし。
千早 お世話になっているので、それは送りますよ。あれから普通にコンビニで(サク山チョコ次郎を)見かけるようになってもう1回食べました。結構甘いですよね。
北澤 好きなので、カロリーも何も考えずに食べちゃっています。「わるい食べもの」のお菓子とかもできたらいいですね!
「エモい」エピソード
――そろそろいい時間になってきてしまいましたが、お二人とも言いそびれたことなどはないですか。
千早 私は今日、T嬢のコメントをみんなに披露しようと思ってきたんですよ。原稿を送るといつもはまじめなコメントを書いてくるT嬢から「これがエモか」みたいな感想が来て、びっくりした回があったんです。さて、それはどの回でしょう?
北澤 私は、「海老の頭」が大好きですね。あれはエモい。
千早 すごい! 正解です。海老の話、やっぱりエモいんですね。私はまだちょっと理解できなくて。
北澤 でもあの話、私は「夢の中で千早さんが猫になった話」だと思ってイラストを描いたんですけど、改めて読むと、全然違いますね。
千早 リアルに海老を食べていたんです。20代だったあの当時、バイトを3つとか4つとか掛け持ちしていて毎日ヘトヘトだったんですけど、当時付き合っていたカメラマンが、写真を撮りに行くときになぜかいつも一緒に連れていかれていて。で、後部座席で寝ていて起きたら海だった。それで、お腹が減ってさまよっていたら、漁師たちがカリカリに焼いた海老の頭をくれて、私は猫になったんだろうか、みたいに思った。そういう話ですね。
――歌詞とかにもなりそうな、不思議でかわいい話ですよね。私はこの感覚が俗に言う「エモい」かと、その時はじめて思ったんです。
千早 T嬢はほめ上手ですよね。本当に昔から私の偏屈度に合わせて絶妙な褒め方をしてくれます。
北澤 そういえばお二人は長いお付き合いなんですよね。
――そうですね、デビューした時からなのでもう13、14年くらいです。イベントにもだいぶ慣れましたね。
千早 そうですね。最初の頃は、授賞式なんかのときも緊張で死にそうで、T嬢に会場の一番後ろに立ってもらって、他は見ずひたすらT嬢を見ながらしゃべるというのをしていました。
千早さん、北澤さんにとっての「わるたべ」シリーズ
――話を戻しますが、北澤さんとも、わるたべシリーズのスタートからもう5年以上のお付き合いになりました。お二人にとって、わるたべはどんなお仕事ですか。
北澤 やっぱり特別な仕事ではありますね。たいていシリーズものって内容とか絵柄とか、少しずつ変えていくものだと思っていたんですが、わるたべはこの先続いていってもずっと同じテイストの絵を描きたいなって思うんです。「戻ってくる場所」みたいな感じなので、こうしてまた一緒にお仕事ができて嬉しいです。Tさんとさっきお話していたんですが、わるたべチームは、千早さんがフロントマンのバンドみたいですよね。千早さんはボーカルで、曲によってどんどん姿を変えるんですが、私たちはベースやドラムとして後ろで同じリズムを刻み続けるというイメージです。バンドは変化していっても、ベースとなるビートは変わらない、そんなふうに私たちで千早さんのための場を作っていければいいなと思っています。
千早 ありがとうございます。頼りないフロントマンだと思いますが……(笑)。私も北澤さんとT嬢とデザインの川名潤さんがいないと続けられないなと思っています。私はそもそもエッセイが苦手なんですよね。最初は嫌だなと思ってました。でも、3冊目になると嫌の気持ちがちょっと薄れてきていて、むしろ、東京に来た日々をちゃんと記録しようっていう気持ちが強くなってきています。それはコロナ禍からかもしれないですね。でも正直、エッセイの連載って怖いです。書いて発表されるまでが短いんですよ。小説だと構想、取材、連載で本になるのは早くて2年はかかります。物語によっては長く寝かせるものもありますし。でもそういうことがエッセイではできない。生の怒りや喜びが出ちゃうと、すごく恥ずかしいし、危ないというのか、怖いものだとは思いますね。
――お二人ともありがとうございました。4冊目が出せるように、皆さんからもこの後ぜひ千早さんにプッシュしてください(笑)。これからもわるたべをよろしくお願いします。
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「何か良くないことが起きるような気がする」と不安を口にされていた千早さんですが、この約1ヶ月後、見事に直木賞を受賞されました。受賞会見でも「変化」について語っておられましたが、千早さんと北澤さん、そして「わるたべ」の今後にどうぞご期待ください。
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ドレスコードは赤と黒? 「わるたべ」らしさ全開のサイン会
和やかな雰囲気で終わった前半のトークイベント。
後半のサイン会では千早茜さん、北澤平祐さんとお話ししながらお二方のサインと北澤さんのイラストがいただけるという豪華な会となりました。
今回のわるたべのテーマカラー(書籍の装丁)は赤と黒ということで、千早さんをはじめ、会場にはこの2色を取り入れたコーディネートでお越しくださった方がたくさんいらっしゃいました。
千早さんのお召し物は、赤と黒のコントラストが鮮やかな素敵なワンピース。サイン中の参加者の方との交流の際には、最初に服について触れてくださった方にお渡ししようと思って、とお店の情報が書かれたポストカードもお渡しされていました。
今回進行役を務めたT嬢も、千早さんから支給されたという赤のシアートップスに、わるたべ関連のイベントのために作ったというTと書かれた黒いTシャツを着て気合十分の様子です(T嬢曰く、「普段はこんなキャラじゃないんですよ!」とのこと)。
参加者の方には事前に千早さんの「わるい食べもの」シリーズか、北澤さんの『ぼくとねこのすれちがい日記』をご購入いただきサインを入れていただく形だったのですが、わるたべシリーズ3冊はサインペンの色と印の色を替えるというこだわりのほか、サインともに捺されていた印は作品ごとに千早さんご自身で彫られているという情報も飛び出し、驚きの声が上がりました(「わるい食べもの」シリーズは「悪食」印です)。
千早さんがサインを書き終えると、北澤さんにバトンタッチ。さらさらと千早さんの分身である〈けものちゃん〉のイラストを描き入れていきます。
『ぼくとねこのすれちがい日記』には作中に登場する〈ホワンホワン〉や〈ねこようせい〉のイラストを描いていただいたのですが、目の前で描かれるかわいらしいイラストに読者の方も「わ~! すごい!」と感激されていました。
参加者の皆さんは「わるたべ」読者の方ということもあり、食通の方が多い様子。
サイン中もおすすめのお店の情報が飛び交う、わるたべらしいサイン会となりました。
また、お持ちいただいた差し入れの中にはトークイベントで話題になった「サク山チョコ次郎」もあり、これには千早さんも北澤さんも大盛り上がりでした。
ご参加くださった皆さん、楽しいイベントにしてくださった著者の千早さん、北澤さん、全面的にご協力いただいた八重洲ブックセンターの皆さん、本当にありがとうございました!
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会場の八重洲ブックセンターについて
会場となった八重洲ブックセンター本店は、JR東京駅八重洲口近くにある地下1階、地上8階建ての大型書店。1978年9月に、当時国内最大規模の書店として開店しました。
立地の良さや豊富な品揃えもあって、東京駅を訪れる観光客やビジネスパーソンなどから長年親しまれてきた同書店ですが、周辺エリアの再開発のため、2023年3月にいったん営業は終了予定とのこと。
これまでも「わるたべ」シリーズのサイン会などでお世話になった八重洲ブックセンター本店ですが、ホーム社としては今回が現在の店舗で行う最後のイベントとなりました。
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プロフィール
千早茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。小学生時代の大半をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。同作で09年に泉鏡花文学賞、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一文学賞を受賞。小説に『男ともだち』『犬も食わない』(共著・尾崎世界観)『ひきなみ』『しろがねの葉』など。エッセイ集に『わるい食べもの』『しつこく わるい食べもの』『胃が合うふたり』(共著・新井見枝香)がある。
北澤平祐(きたざわ・へいすけ)
イラストレーター。東京都在住。カリフォルニア州立大学フラトン校にてBFA、同大学院にてMA取得。アメリカに16年暮らした後、イラストレーターとして活動を開始。書籍装画、広告、CDジャケット、商品パッケージなど国内外の幅広い分野でイラストを手がける。著書に『キャラメルゴーストハウス』(共著・かさいたつや)、『こはるとちはる』(文・白石一文)、『ぼくとねこのすれちがい日記』『ゆらゆら』『ルッコラのちいさなさがしものやさん』等。