ウクライナの作家が綴った戦時下の市民の記録 アンドレイ・クルコフ『侵略日記』10月26日(木)発売
この本について
「これは私的な日記であり、この戦争についての私の個人的な歴史でもある。これは私の物語であり、私の友人たちの、知人たちの、見知らぬ人たちの物語であり、私の国の物語である」
小説『ペンギンの憂鬱』『灰色のミツバチ("Gray Bees")』の著者で、2014年のマイダン革命を『ウクライナ日記』に書き記したアンドレイ・クルコフが、2022年2月に始まったロシアとウクライナの戦争について、国内避難生活のさなかに書いたノンフィクション。戦争の激化していく同年7月までの日々が、作家の観察眼で生々しく綴られている。戦時下のウクライナの貴重な記録。ロシア文学者・沼野恭子による解説「〈記憶の保管庫〉としての日記」を収録。
日記冒頭を公開
沼野恭子さんの解説全文を公開
紹介されました
2023年11月11日 NHK ETV特集「個人的な大江健三郎」内で朗読
2023年11月19日 産経新聞 書評「戦時下の文化と生活」評者・沼野充義
2023年11月20日 ハーパーズ バザー1・2月合併号(ハースト婦人画報社)評者・綿貫あかね
2023年11月30日 週刊文春12月7日号「文春図書館」
2023年12月10日 北海道新聞「ウクライナ戦争 本質に迫る」評者・米田綱路
2024年1月13日 信濃毎日新聞ほか「ウクライナ 抵抗の言葉を撃つ」評者・小野元裕
2024年2月3日 日本経済新聞短評
2024年2月9日 週刊読書人「21世紀の『アンネの日記』」評者・金井啓子
2024年3月16日 図書新聞「歴史は繰り返す」評者・新庄孝幸
目次
二〇二二年一月五日 メリークリスマス!
二〇二二年一月一四日 ウクライナのテレビ番組 プロデューサーたちと俳優たち
二〇二二年一月一五日 ろうそくが灯る一月の夜
二〇二二年一月二一日 「悪く思わないでくれ!」
二〇二二年一月二八日 ウイルスと戦争の間
二〇二二年一月三〇日 自分の言葉を選ぶこと ウクライナの言語問題
二〇二二年二月二日 歴史を作り変えること
二〇二二年二月一一日 ウクライナの戦場 街路、図書館、教会
二〇二二年二月一三日 すべてが熱い、サウナも熱い
二〇二二年二月二〇日 戦争の気配の中の文化
二〇二二年二月二三日 緊張が走る、だがパニックにはならず
二〇二二年二月二四日 キーウでの最後のボルシチ
二〇二二年三月一日 時は来た
二〇二二年三月二日 笑顔の私を覚えていて
二〇二二年三月三日 国境
(中略)二〇二二年七月一一日 戦争、車、そして夏
あとがき
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著者/訳者プロフィール
著者:アンドレイ・クルコフ(Andrey Kurkov)
キーウ在住のロシア語作家。1961年ソ連のレニングラード州ブードゴシチに生まれ、3歳のときに家族でキーウに移る。キーウ国立外国語教育大学卒業。オデーサでの兵役、新聞や出版社の編集者を務めるかたわら、小説やシナリオを執筆。1996年に発表した『ペンギンの憂鬱』が国際的なベストセラーとなる(邦訳は沼野恭子訳、新潮クレストブックス)。著作は30以上の言語に翻訳されている。日本では『大統領の最後の恋』(前田和泉訳、新潮クレストブックス)、『ウクライナ日記』(吉岡ゆき訳、ホーム社)も紹介されている。2014年フランスのレジオンドヌール勲章。18年から22年までウクライナ・ペン会長。22年、本書でドイツのゲシュヴィスター・ショル賞を受賞。
訳者:福間恵(ふくま・めぐみ)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程(現代文芸論)単位取得満期退学。記事翻訳・出版翻訳を手がける。訳書に『英文創作教室』(共訳、研究社)、『作家たちの手紙』(共訳、マール社)、『アニマル・スタディーズ』(共訳、平凡社)などがある。