マガジンのカバー画像

Cat Books/猫本

80
猫の本、猫が出てくる作品、猫にまつわる話、をまとめています。
運営しているクリエイター

#猫

本と猫を愛する会社員のリアルな書店開業記|井上理津子/協力 安村正也 『夢の猫本屋ができるまで Cat’s Meow Books』(1)

ホーム社の既刊から、いま読んでいただきたい本をセレクトして紹介する「ホーム社の本棚から」。7月からは井上理津子/協力 安村正也『夢の猫本屋ができるまで Cat’s Meow Books』(2018年)を全5回でお送りします。 この夏開店4周年を迎える、三軒茶屋の「Cat’s Meow Books」は、会社員でもある安村正也さんが開いた猫本専門書店。本好きといっても関連業界の経験はなかった安村さんが、50歳を前になぜ書店を始めることになったのか。本書は、書店に精通しているノ

2月22日は猫の日! 猫と本をこよなく愛するひとに「ホーム社猫祭 2024」

2月22日は猫の日です! 猫の鳴き声”ニャン”の語呂合わせで2が3つ並ぶことから近年では「猫の日」として、さまざまなところでお祝いされています。 ホーム社では一昨年開催した「100年に一度のグランド猫の日記念 ホーム社猫祭」につづき、昨年の「ホーム社猫祭 2023」も大変ご好評いただきました。 恒例になりつつある猫祭ですが、今年も猫と暮らしているかたはもちろん、そうでないかたも猫づくしのひと時をお楽しみいただけるよう開催いたします! illustration:北澤平祐

2月22日は猫の日 今年もやります!「ホーム社猫祭 2023」

皆さん、2月22日は何の日かご存じでしょうか? この日は2が三つ並ぶことから「猫の日」と呼ばれ、近年さまざまなところでお祝いされるようになってきました。特に昨年の猫の日は、2が6つも並ぶ100年に一度の「グランド猫の日」ということで、ホーム社でもスペシャルな企画『ホーム社猫祭』を開催したのでした。 そして、昨年大変ご好評をいただいたこの企画、おかげさまで今年も開催することになりました! 猫好きの皆さんに楽しんでいただければ幸いです。 *** 1.新刊『猫はなぜごはんに

猫の飼い主さん必読! 岩﨑永治『猫はなぜごはんに飽きるのか? 猫ごはん博士が教える「おいしさ」の秘密』1月26日(木)発売

この本について猫のごはんのお悩みは、原因を知れば解決できる!「食べない」タイプ別に解決策を紹介。 気に入って食べてくれるものが少ない、好きだったはずのフードに見向きもしなくなる……よくある猫の食事のお悩みを、「猫ごはん博士」が解決! 日本とアメリカで獣医学を学び、日々ペットフードメーカーで猫の栄養学を研究する「猫ごはん博士」こと岩﨑永治さんならではの視点で、「肉食」である猫ゆえの食性から、「ハンター」としての習性まで、様々な面から猫が感じる「おいしさ」を解説します。 ま

100年に一度のグランド猫の日記念  「ホーム社猫祭」 第2部

「ホーム社猫祭」第1部はお楽しみいただけましたでしょうか。 ここからは、ホーム社発信の特集企画「ホーム社猫祭」第2部をお届けしていきます! 3.ホーム社猫本紹介「ホーム社と言えば猫本!」 ホーム社ではこれまでにたくさんの猫本を発行してきました。 ここでは、物語、エッセイ、写真集、哲学書など様々なホーム社の猫本を紹介していきます。 今回寄稿していただいた村山由佳さん、北澤平祐さんのご著書も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。 『ぼくとねこのすれちがい日記』北澤平

100年に一度のグランド猫の日記念  「ホーム社猫祭」 第1部

皆さん、毎年2月22日が「猫の日」と呼ばれているのはご存知でしょうか? そして今年の猫の日は、2022年2月22日。 なんと2が6つも並ぶ、100年に一度のグランド猫の日なのです。 ホーム社ではそんな特別な猫の日をお祝いすべく、会社を挙げて『100年に一度のグランド猫の日記念 ホーム社猫祭』を行うことになりました。 ここから先はそんなホーム社猫祭だけの特別な企画が目白押し。 猫好きのあなたも、たまたま覗いてくださったあなたも、ぜひ最後までご覧いただけたら嬉しい限りです。

【電子書籍】北澤平祐『ぼくとねこのすれちがい日記』7月29日(木)配信開始

6月25日に発売された北澤平祐『ぼくとねこのすれちがい日記』が電子書籍になりました。人気イラストレーター北澤平祐さんが、愛猫との実話を元に綴った、カラーイラスト満載の絵日記ストーリーです。 紙の単行本が刊行されたときの紹介記事はこちら。また電子書籍版では、紙版とページ順の見せ方が異なり、「ぼく」と「ねこ」による交換日記のイメージが強まっています。 本書と7月19日発売の絵本『ゆらゆら』(講談社刊)の刊行を記念し、7月31日(土)に北澤平祐さんのオンライントークイベントが行

北澤平祐 ぼくとねこのすれ違い交換日記 第3話「ねこを袋から出せ/Let the cat out of the bag」

本連載が書籍化します。 北澤平祐『ぼくとねこのすれちがい日記』2021年6月25日発売 【ぼく】6月17日  当初は温かく見守ってくれていた義母だったが、こかりのぐうたらぶりや、ぼくのイラストレーター業の閑古鳥の鳴きっぷりを目の当たりにして、最近その眼差し温度がすごい勢いで下がってきた。いずれ絶対零度の視線で氷漬けにされてしまう前に、ぼくらは重い腰を上げて8畳間の我が城に帰ることにした。  ホワンにとっては初のお引越しだ。ペット用キャリーバッグなんて買えないので、紙袋にタ

北澤平祐 ぼくとねこのすれ違い交換日記 第2話「好奇心はねこを殺す?/Curiosity killed a cat」

本連載が書籍化します。 北澤平祐『ぼくとねこのすれちがい日記』2021年6月25日発売 【ぼく】4月27日 春なのに暑すぎる。こんな時期からクーラーなんて贅沢はできないので、こかりの実家にまだいる。そろそろ帰らなくてはと思いながらも、仕事の依頼は皆無で良くも悪くも支障がない。のんびり屋のこかりは「大丈夫、気長に行こう」と言ってくれるが、このままじゃ「自称」イラストレーターだ。どうにかせねば。 はじめは、自分でおしっこすらできなかったホワンホワンも、無事育っている。最近はい

北澤平祐 ぼくとねこのすれ違い交換日記 第1話「誰がねこの首に鈴をつける?/Who will bell the cat?」

本連載が書籍化します。 北澤平祐『ぼくとねこのすれちがい日記』2021年6月25日発売 【ぼく】4月16日 こかりの実家の裏庭で子猫を拾った。 目を開けずに、ミーミーと弱々しく鳴いていたので近所の動物病院に連れていった。こかりが学生時代にバイトをしていたところ。 幸い目やにでくっついていただけのようで、薬品を染み込ませた綿棒でなぞっただけで、子猫のまぶたはぱちりと開いた。瞳は大きく、まんまるで、薄い色をしていた。 「よかった」こかりは、子猫と長いこと見つめ合った後、 「この

村山由佳×姜尚中「猫がいなけりゃ……」──村山由佳『晴れときどき猫背 そして、もみじへ』刊行記念対談

最愛の三毛猫〈もみじ〉との日々と看取りを綴った『猫がいなけりゃ息もできない』『もみじの言いぶん』(ホーム社)が大きな反響を巻き起こした村山由佳さん。房総・鴨川での田舎暮らしと猫との「事はじめ」を綴ったエッセイの増補新装版『晴れときどき猫背 そして、もみじへ』(ホーム社)刊行を記念し、集英社の読書情報誌「青春と読書」誌上で姜尚中さんとの対談が実現しました。 実は姜尚中さんもまた、近刊『母の教え 10年後の「悩む力」』(集英社新書)のなかで、転居した軽井沢での高原暮らし、初めての

うち、ここにおるやん。村山由佳さんのフォトエッセイ『もみじの言いぶん』発売中

この本について 17歳で今生を旅立ったあの子が見てきた世界とは。 作家・村山由佳さんの盟友で、たくさんのフォロワーから愛された三毛猫・もみじ。2018年3月、もみじは17歳で今生を旅立ちました。彼女の軽妙洒脱な関西弁のつぶやきが、時にユーモラスに、時に厳しく、時に切なく……私たちの心に沁みこんできます。大切な存在を失った「その後」をどう生きるか――そのヒントがここに。オールカラーのフォトエッセイ。 連載最終回にTwitterでお寄せいただいた声・勇気を持って一歩踏み出せそ

村山由佳 もみじの言いぶん 第5話「わからせる」

 腹立った時はな。無理に我慢したらあかん。  遠慮して、言いたいこと飲みこんで、おなかに溜めといたところで、あとから大爆発すんねやったらおんなじこっちゃろ? それやったら、ふだんから小爆発でガス抜きしといたほうがなんぼかマシや。  大事なことはな、「今うちは怒ってんねんで!」いう事実と、「こっから先は絶対譲ったげへんで!」いう境界線を、いやっちゅうほど相手に思い知らせたるこっちゃ。  言うてもわからんようなら、わかるまで断固として口きいたれへん。背中向けて、呼ばれても無視し続

村山由佳 もみじの言いぶん 第4話「爪をととのえる」

 かーちゃんが小学校に上がった頃やから、おおかた半世紀も前の話やけどな。  新しく買(こ)うてもろた赤いランドセルが嬉しゅうて嬉しゅうて、後生大事に枕もとに置いて寝たんやて。  朝起きたら、どないなってた思う? 当時、家におった〈チコ〉いう名前の猫が、夜中に乗って爪とぎしよって、ふたが一面おろし金みたいにバリバリの傷だらけやがな。  一年生のかーちゃんはめっちゃ悲しかったけど、ここで泣いたらチコがかーちゃんのかーちゃんに怒られる、思(おも)て我慢して、そのランドセルで六年間通