見出し画像

第21回 2024年に私たちができること、始めること、やめること 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!」

混乱の日々の中でも、小さなハッピーをミルフィーユのように積み重ねていきたい。BBAの自由なファッション&日常を数センチ豊かにするヒントを、スタイリスト・地曳いく子が綴ります。
[毎月1回月曜日更新 はじめから読む

photo:地曳いく子/design:アルビレオ


「1円玉募金」のススメ

2024年は激動の幕明けでした。
震災の被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復興を祈りつつ、復興のために、今私たちができることを考えてみました。

それは、募金をすること。ボランティアも大事なことですが、段差ができた道路を直し、電気や上下水道を復旧させるなど、復興にはお金が必要です。もちろん、政府も私たちが日頃納めている税金を使い復興を進めているとは思いますが、それにプラスして私たちが少しでも募金をすれば復興が早まるのではないでしょうか?

そこで私がおすすめしたいのが、「気がついたら1円! 小銭募金」です。

募金というと5000円とか1万円など、まとまったお金が必要だと想像しがちですが、お財布を膨らませていたり、ポケットや机の引き出しに忘れられていた1円玉や5円玉など、スマホ決済が進んだ今も眠っている小銭がありますよね? それを震災の募金箱に入れてみてはいかがでしょうか?

たった1円、されど1円。もし、日本の半分の人が1円ずつ募金をしたら、5000万円以上になると思います。それを週1回続ければ、1か月で2億円! それが5円玉だったら10億円です。まさに、塵も積もれば山となるです。

お財布やポケットで忘れ去られていた1円玉や5円玉が集まれば人の助けになる、素晴らしいことではありませんか? コンビニやスーパー、レストランなど、募金箱を置いているところは多いと思います。

見かけたら私は1円募金をするようにしています。収入に余裕のある時は、お札も募金しています。そのほかにもふるさと納税の返礼品の代わりに被災地に募金できるシステムも始まりました。無理せずにできることから始めてみてはいかがでしょうか。

玉三郎を観に関西遠征! 美しいものを見ることは心の栄養に

そんな2024年の年明けでしたが、長年の友人に誘われて、大阪の松竹座に坂東玉三郎丈の特別公演(初春お年玉公演)に行ってきました。

女形についての解説を含めた口上に始まり、舞踊の「黒髪」は小学生の頃習っていた長唄で出会ったものの幼かった私はその色恋の切なさなど理解できず、のちにNetflixでみた『舞妓さんちのまかないさん』(かなりおすすめです)で切ない恋に生きる舞妓さんが踊った「黒髪」で、その深い意味を知りました。

それを、歳を重ね深い妖艶さを秘めた玉三郎丈が踊るのですから、もう「素晴らしい」の一言につきました。

翌日は友人と別れて、朝から“エベっつぁん”の愛称で知られる西宮神社に参拝。関西に行くたびに立ち寄っていた神戸の横尾忠則現代美術館がお休み(1月26日までメンテナンス休館中)だったため、大阪に戻り、中之島美術館へ。「Light」光がテーマの「テート美術館展 光 ターナー、印象派から現代へ」と、明治時代から大阪で活躍した女性画家展「決定版! 女性画家たちの大阪」を半日かけてゆっくり見ました。

テート美術館展は宗教画や風景画からモダンアートまで、目に見える物事はすべて光なんだなあと感じ、女性画家展は、まだまだ女性が画家として生きていくのが難しかった時代に描かれた素晴らしい作品の数々に感銘を受けました。たまに美術館に行くのはこのような、普段はそこまで感じ取れない深い思いを体験するためだとあらためて思いました。もちろん美しいものを見ることは心の栄養になりますしね!

その夜は久々に会った神戸の友人たちと楽しくお酒を飲み、素敵な時間を過ごしました。今回、宿に選んだのは阪神電車・甲子園駅そばにある「ホテルヒューイット甲子園」。

なぜここに宿を取ったかというと、今回私の行きたい場所がすべて、阪神線の沿線にあったからです。駅前からは伊丹空港行きのバスも出ていて、730円で、30分くらいで空港に着きました。こんな宿の選び方もおすすめです。

いろいろなことがあった2024年の年明けですが、私たちは普通に生活を送り自粛しないこと、自粛すると経済が止まります。「風が吹けば桶屋が儲かる」ではありませんが、経済を止めると世の中のお金も回らなくなり、復興も遅れます。

1月に金沢にお寿司を食べに行く予定だった友人も、現地の状況を電話で確認した上で、金沢行きを決行したそうです。1円玉募金をしながら、普段通りに生活を送りましょう。

<前の話へ  連載TOPへ  次の話へ>
連載【日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!】
毎月1回月曜日更新

地曳いく子(じびき・いくこ)
1959年生まれ。スタイリスト。「non-no」をはじめ、「MORE」「SPUR」「Marisol」「eclat」「Oggi」「FRaU」「クロワッサン」などのファッション誌で30年以上のキャリアを誇る。スタイリングのみならず、洋服のプロデュースからTV、ラジオと幅広く活躍中。著書に『50歳、おしゃれ元年。』『服を買うなら、捨てなさい』『日々是混乱 これが私のニューノーマル』『ババア最高!+60からのHappyおしゃれ』(槇村さとるさんとの共著)『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』『60歳は人生の衣替え』など多数。新刊は『50代からの大人ひとり旅』。
Twitter:@FukuBot
Instagram:@ikukoluv

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

更新のお知らせや最新情報はTwitterで発信しています。ぜひフォローしてください!