ウンコいってきまーす! と言えないきみへ 文・湯澤規子/絵・金井真紀『ウン小話 世界一たのしくてまじめでちょっとクサい授業』6月24日(金)発売
ウンコに注目すると、教室の学びはSDGsやあらゆる分野にひろがる!
小学生から大人まで楽しめる、驚きと発見だらけのウンコ教育読本。
この本について
“どうして生きるうえでとても大切なウンコなのに、学校ではだれも話さなくなったんだろう”(本文より)
著書『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』が話題となり、「人糞地理学者」としてワークショップや講演にもひっぱりだこの湯澤規子教授が、子どものために書き下ろした、深くて楽しいウンコ教育本ができました。
小学4年生のクラスを舞台にした物語形式で、破天荒な「もじゃ大」先生が、ウンコの大切さ、奥深さ、おもしろさを教えます。社会科、体育、国語、理科、図工など、あらゆる授業で展開する「ウン小話」は全17話。金井真紀さんのかわいいイラストも満載。全ての漢字にルビをふり、小学校低学年から日本語が第一言語でない読者まで、誰もが読みやすい本に仕上げました。
朝井リョウ氏、絶賛!
トイレを恥じる子どもには勇気と興味を、
トイレに慣れた大人には情報を知識を授けてくれる貴重な一冊。
人目を忍んでトイレへ向かう小さき私に、印籠として授けたい。
この本を懐に、胸を張れ! ──朝井リョウ(作家)
※『桐島、部活やめるってよ』や『何者』で知られる直木賞作家・朝井リョウさんは、実は自身のエッセイ集やラジオ番組で、便意の問題を真剣にうったえ続けてきました。今回の企画に当初から熱く賛同してくださっています。
「衣食住」に「便」を足してみると 湯澤規子
この本を、勇気を出して、あるいは興味をもって手に取ってくれた大人の皆さんに敬意を表して、まずは私の秘密を打ち明けます。
私は小学生の頃、学校で掃除の時間におしっこを漏らしてしまったことがあるんです。それは、私の中に育ち始めた自尊心が、ぺちゃんこになってしまうような出来事でした。この本に出てくる田中さんと高橋さんを足して2で割ったようなタイプだった私にとっては、自分自身が信じられなくなる大変ショックな出来事でした。
なぜか「掃除の時間はトイレを使ってはいけない」と、頑なに思い込んでいたんですね。 体の欲求よりも時間を守ることが大切という自己規制に囚われていたのかもしれません。でも、今思えば、体の欲求のほうがもちろん大切なので、タイムマシンに乗って、「トイレ行ってもいいんだよ、排泄って大事なことなんだよ」と、あの日の私に教えてあげられたらと思っています。
私が専門としている地理学という学問分野では、フィールドワークを通して、私たち人間が、古今東西、さまざまな暮らしや生きる術を創り上げてきたことを知り、経験する機会がたくさんあります。その中で、「衣食住」に「便」を足してみると、知らない世界が広々と見えてくることに、私はいつしか魅了されるようになりました。「食べること」と「出すこと」のつながりを考えることは、世界の複雑さと面白さを知る、絶好のフィールドだと気づいたからです。
そのような複雑で多様な世界と人間との関わりを知り、面白がることで、思い込みや頑なさから自由になれたら。自由な発想や好奇心から、来るべき未来を子どもたちと一緒に考えることができたら。そんな思いをもじゃ大の言葉に込めて、この本を書きました。それは、子どもたちだけでなく、じつは私たち大人にこそ、必要なことなのかもしれません。
(「大人のためのあとがき」より)
本書の目次
【もくじ】
ウン小話1 ウンコは手紙である
ウン小話2 海のウンコとエンゼルフィッシュ(ポリネシアの島々)
ウン小話3 イタリアのウンコ祭り
ウン小話4 もじゃ大の名前の秘密
ウン小話5 ウンコは宝物である
ウン小話6 ウンコの漢字練習
休み時間 サバイバル・ウンコ俱楽部の結成
ウン小話7 空飛ぶトイレの物語
ウン小話8 ウンコを食べて生きている?
ウン小話9 秘められたウンコ
ウン小話10 ウンコができるまでの時間をはかる
ウン小話11 停車中はウンコをしてはいけません!
ウン小話12 国づくりの神話に欠かせないウンコ
ウン小話13 夜の土と夜のひと
ウン小話14 サラブレッドのウンコはどこへ行く?
ウン小話15 地球上のウンコを計算する
ウン小話16 戦争とウンコ
ウン小話17 ウンコから紙を作る(ゾウのプープペーパー) ほか
【役立つ情報満載のおまけコーナー】
★解説 ブリストルスケールってなに?
★解説 スローフードってなに?
★解説 発酵と微生物のはたらき
★解説 SDGsってなに?
★解説 ウンコで悩んだら?
★サバイバル・ウンコ倶楽部活動ノート(トイレットペーパーがなかったら?/災害時のトイレを考えるすごろく/ほか)
★ウンコ本ガイド
購入する
文・湯澤規子 絵・金井真紀『ウン小話 世界一たのしくてまじめでちょっとクサい授業』
2022年6月24日(金)発売
定価:1,320円(税込)
発行:ホーム社/発売:集英社
体裁:A5判ソフトカバー/本文:128P(オール2色刷)
ISBN:978-4-8342-5357-3
電子版:同時発売
イベントレポート
本書の発売を記念し、東京・神保町の絵本専門店&カフェ「ブックハウスカフェ」にて、7月30日(土)に湯澤規子さんと金井真紀さんによるワークショップを開催しました。学校が夏休みということもあり、オンラインの方も含め、10組20名の小学生親子にご参加いただきました。イベントの様子をレポートします。
著者プロフィール
湯澤規子(ゆざわ・のりこ)
1974年大阪府生まれ。法政大学人間環境学部教授。専門は歴史地理学、農業史。博士(文学)。著書に『7袋のポテトチップス』『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』『食べものがたりのすすめ』『うんこでつながる世界とわたし』など。
金井真紀(かない・まき)
1974年千葉県生まれ。文筆家、イラストレーター。著書に『パリのすてきなおじさん』『世界のおすもうさん』(共著・和田静香)『戦争とバスタオル』(共著・安田浩一)など。挿絵担当に毎日小学生新聞の連載「日本語をつかまえろ!」、岩波ジュニアスタートブックスなど。