第22回 春の始まりに備えるアップデート服と、「運」も「スタイル」も変える髪型 地曳いく子「日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!」
混乱の日々の中でも、小さなハッピーをミルフィーユのように積み重ねていきたい。BBAの自由なファッション&日常を数センチ豊かにするヒントを、スタイリスト・地曳いく子が綴ります。
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photo:地曳いく子/design:アルビレオ
混乱の気温 服選びは自分の体感気温で
東京の気温のアップダウンの激しさに、もう何を着てよいのかわからない日々。梅が咲き始めたと思えば、3月中旬には桜が咲き始めるとの予報も。異常気象も何年か続けば通常になるのでしょうか? もう、今までの2月の冬の装いとか、3月の春を意識したスタイルなどは参考になりませんよね。
こんな時は自分の体感気温で服を選ぶしかありません。同じ気温でも、人によって感じ方が違いますから。
今回は春夏の展示会で見つけたウキウキする服を紹介しますが、もし気温が20度超えても寒く感じたら、ダウンコートを羽織ったり、タイツをはいてもよいと思います。あくまでも自分の感覚で着るものを選びましょう。
身も心も軽やかに! 春の始まりに備えましょう
ユニクロ&バナナ・リパブリックの展示会へ
2024年春夏の展示会が目白押しだった2月(中には気が早く、次の秋冬の展
示会やショーもありましたが。笑)、中でも気になったのがユニクロとバナナ・リパブリックの展示会でした。
ユニクロの展示会で見つけたメッセージが、「体も心も軽くいこう」。まさに今の気分です。ここ数年、ますます色のバリエーションに磨きがかかったユニクロ。ユニクロUのクリエーター、クリストフ・ルメールが、「僕たちは毎シーズン素材などの研究を続けている」と会場で流れていたインタビューで言っていましたが、その研究の成果が、くすみ色ではない大人ニュアンスカラーの色味や、毎年軽く着やすくなっていく素材などに表れていると思います。
一方、私が30代の頃から好きだったバナナ・リパブリックも時代に合わせてアップデートしています。今回の展示会では、懐かしいサファリテイストを一部に感じさせながら、大人のカジュアルスタイルを見せてくれました。
二つのブランドとも、ベーシックな形を保ちながら、袖のボリュームや色などで、今のスタイルにアップデートしているところが大好きです。
スタイルを変える一番効果的なことはヘアチェンジ
混乱するくらい変われば大成功?
何度か提案してきましたが、もしあなたが今の自分に満足していない場合、一番手っ取り早いイメージチェンジの方法は、ヘアスタイルやカラーを変えることです。
私の行きつけの美容室「TWIGGY.」では、ヘアカット担当の松浦美穂さんにも、カラー担当のステファンや大島氏にも、行くたびに「今回はどんな感じにしますか?」と聞かれ、希望を伝えますが、出来上がった時、鏡を見て毎回混乱! 鏡に中には思いもよらないヘアスタイルの私がいます。
もう、驚愕ではなくて混乱のレベルです。もちろん、私の想像を軽く超えた素敵なスタイルなのですが、行きに着てきた服が、帰りには完全に違ったスタイルに見えるほどの変身。もうこれは、驚いているより、面白がったほうがよいレベルです。
「餅は餅屋」という例えがありますが、こと、ヘアスタイルに関しては、プロのお二人にすっかりお任せした方が、なまじ素人の私の希望を叶えてもらうより、良い結果になると思います。
今回は松浦さんの作ったワンレングス前下がりボブスタイルに、ステファンが大胆にカラーリングを! 一見、アバンギャルドに見えるカラーも、顔周りに白髪が増えた私の髪を生かしたカラーです。素晴らしい出来上がりに、二人とも満足したお顔でにっこり。
たかが髪の毛、されど髪の毛。ちょっとしたカットで、全身のバランスさえ変わって見えます。もし、切りすぎても、カラーが気に入らないことがあっても、髪はまた伸びますし、カラーだって染め直せます。
歳を重ねると、経験から、いつも同じ手堅いスタイルを選んでしまいがちです。たまには全てプロにお任せして、マンネリ化したスタイルをリブートしてみるのもいいですよね。
気の流れや運を変えたい時に、髪の毛をカット(たとえ毛先だけでも)するとよい、という話を聞いたことがあります。古い自分の一部を切り捨てるから厄落としにでもなるのでしょうか? 失敗を恐れない心がいちばんの若返りの元かも!
指先からも春気分
大好きなukaのネイル、「ペディキュアスタディ(pedicure study)」に新作
登場。その発表会に行ってきました。63%植物由来の成分、動物実験なしのヴィーガン仕様。爪にやさしいだけではなく、環境に配慮したカラーはその名も「ぶどう」「よもぎ」など、草木染めのような肌馴染みの良い色ばかり。重くなく軽い付け心地も、春気分にぴったりです。
「まるで下着をつけるように、ペディキュアをつけて欲しい」と語るuka代表の渡邉季穂さん、彼女のこだわりが詰まった一本を、ぜひお試しください。
たまには贅沢フルーツあんみつ 自分の機嫌を取りましょう
天候も定まらないし、なんだか気分が晴れないそんな時、自分の機嫌を取る
ために、私はあんみつを食べることがあります。今回は、ちょっと贅沢して、フルーツてんこ盛りのあんみつにしてみました。乗り換えで寄ったJR藤沢駅ビルの1Fのフルーツ屋さん、果実園リーベルで、1200円くらいでした。たまにはこんな贅沢もいいですよね。
「1円玉募金」のススメ、その後 気軽に寄付できる仕組み、増えています
前回この連載でお願いした1円玉募金、ご協力いただいた皆様ありがとうご
ざいました。その後、仕事の合間に、IKEA原宿のカフェ(スウェーデンカフェ)にコーヒーを買いに立ち寄ったところ、レジに、募金のための100円、500円、1000円のバーコードを発見。ここのコーヒーはIKEA会員価格だと50円、100円寄付してもお会計は150円です。コーヒーを買うついでに気軽に寄付できるなんて素敵です。
そのほかに、一部の店舗ではありますが、無印のCafé & Meal MUJIでもレジの近くに「TABLE FOR TWO」という案内があるところがあります。こちらは、カフェでご飯を食べたりお茶をした際に申し出ると、食料に困っている人たちに20円寄付できる仕組みです。気軽に寄付できるこんなシステムがどんどん広がるといいですね。
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連載【日日是混乱2 ハッピーレイヤード大作戦!】
毎月1回月曜日更新
地曳いく子(じびき・いくこ)
1959年生まれ。スタイリスト。「non-no」をはじめ、「MORE」「SPUR」「Marisol」「eclat」「Oggi」「FRaU」「クロワッサン」などのファッション誌で30年以上のキャリアを誇る。スタイリングのみならず、洋服のプロデュースからTV、ラジオと幅広く活躍中。著書に『50歳、おしゃれ元年。』『服を買うなら、捨てなさい』『日々是混乱 これが私のニューノーマル』『ババア最高!+60からのHappyおしゃれ』(槇村さとるさんとの共著)『ババア上等! 番外編 地曳いく子のお悩み相談室』『60歳は人生の衣替え』など多数。新刊は『50代からの大人ひとり旅』。
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