【特別企画】「箱の中で生きる人の内側から、わからない世界を描く」。木原音瀬『惑星』の世界に迫る
木原音瀬さんの小説『惑星』が2024年9月に刊行されました。それを記念して特別企画をお送りします。『惑星』に関するインタビューに加えて読者から届いた質問にもお答えいただきました。さらに、木原さんが撮影した貴重な写真も公開。たっぷりとお楽しみください!
★『惑星』インタビュー
木原さんにとって新境地となる小説『惑星』。主人公はドヤ街でホームレス生活を送る自称「宇宙人」の男・ムラ。父親と母親がいる「ジブンの星」からの迎えを待ちながら過ごしていたある日、解体現場から父親の遺体が発見される。警察の事情聴取から逃げた先で芸術家の青年・三和甘雨に出会い、共に生活を送るようになるのだが……。
劣悪な環境で日雇い労働をこなし、空腹に耐え、ときに金をだまし取られるなど、彼の人生は“外側”から見ると過酷そのもの。しかしムラ自身は、そんな人生を淡々と生きている。発売から約2か月が経ったいま、木原さんに今作で描きたかったことや個性的な登場人物についてなど、お話を伺いました。
※本編のネタバレを多分に含む内容となっています。未読の方はご注意ください。
★★★
ムラの視点で、ムラが見ている世界を書くと決めた
――『惑星』の物語は、どんなきっかけで生まれたのでしょうか。
木原 最初にふっと、「四角い箱の中に入っている人」というイメージが浮かんだんです。そこから、もしその人の思考が、その箱の中だけで確立していたらどうなるんだろう、箱の中で生きる人を内側から書いたら、その人の思考回路やその人がわからない世界がわかるんじゃないだろうか、と思ったんです。
――書く際に、「わからない世界」のイメージはありましたか?
木原 自分にとってわからない世界はどこかな、と考えたときに国際宇宙ステーションが思い浮かんだんです。そこに突然放り込まれたら、見るものすべてがわからないし、言葉だってきっとわからない。その感覚が主人公のムラにもあるんじゃないかと想像しながら、書いていきました。
――「この話は主人公ムラを書きたかった。その一言です」と木原さんは販促用POPにメッセージを書かれていますが、まさにその言葉どおり、ムラというひとりの男をきっかけに生まれた物語なんですね。
木原 そうですね。そのあと、ムラがドヤ街で働いてることや最後の展開・セリフが決まり、そこに至るまでに出会った人と別れていく、という大まかなストーリーができていきました。
――舞台をドヤ街にしたのはなぜでしょうか?
木原 ムラがほかからあまり干渉されずに、ひとりでも生きていけるのは、ここだけじゃないかなと思ったからです。ほかの場所だったら、もっとまわりからの干渉があったと思うんですよね。
――出会った人と別れていく、というのも生きていれば誰しもに必ず起こりうることですが、改めて言葉にするとずんとくるようなさみしさを感じます。そこを描こうとしたのはなぜでしょう。
木原 この物語が、「喪失」の物語だからです。お母さんがいなくなり、お父さんがいなくなり、次に愛のようなものもなくし、そして最後には……という。それで最近、気づいたことがあるんです! 帯文にも「搾取」と書かれていますが、読んでくださった方の感想にも「搾取」という言葉がよく使われていて、自分の中でマッチしない部分があったんです。でもこれは、もしかしたら私がムラの内側から書いていたから、何もかも「なくしていく」と考えていたけれど、外側から見たら「奪う」「搾取する」ということになるのかもしれないなと。視点によって変わるのか、ということに気がつきました。
――ムラさんを外側から見ている読者は、「奪う」感覚が強いのかもしれません。これは非常におもしろい発見ですね。ムラさんの内側から書く作業はいかがでしたか。
木原 まず書くにあたってムラの視点で、ムラが見ている世界を書くと決めたんです。ムラのことを外側から書くこともできますが、それだと外から見ている人の主観が入る。それはイヤだったんです。とはいえ、私がムラを動かしているので結局は私の主観が入るわけですけどね(笑)。でもやっぱり私がわからないものを想像して書くので、難しかったです。これが正解に近いだろうと思って書いてはいましたが。
最初にムラの特徴、何が得意で何が苦手なのかを決めていきました。具体的に挙げると、まずムラは短期記憶が苦手。そして目による理解も苦手で、表情から相手の感情が読み取れないので人の顔を見て話さない。そのかわり耳がいいので、泣いているとか怒っているとか人の調子を声で判断している。ただ、こういった特徴をムラは自分で説明できないので、読者もハッキリとはわからなかったと思います。なのでここで私から話しておきます(笑)。
――作中でカンさん(三和甘雨)が、ムラさんは「人の顔を見て話をしない」と指摘していますよね。
木原 そうなんです! そこは単行本化にあたって加筆しました。語りべがいないので、少しだけカンさんに触れてもらいました。
――そういった特徴も踏まえながらムラさんを内側から表現するのは、ものすごく制限もあったかと思います。
木原 ムラが何をどこまで知っていて、考えているのかを決めるのがものすごく大変だったんですよ。たとえば作中にも書きましたが、アナログ時計の「リューズ」という名称はわからないだろうからデジタル時計にして「ボタン」と表現しようとか。何をするにも「ムラはこれがわかるのか」と考えて、決めて、書かなければならなかった。そういった点でのしんどさはありました。それから、比喩表現ができないことも大変でしたね。ムラがいつも見ているコンクリートを海の色にたとえることはできるんですけれど、それ以外のムラが覚えていないものは絶対に比喩に使えない。私はもともと比喩表現を多くするタイプではないんですが、いつも以上に抑えました。
――漢字表記にするか、ひらがな表記にするか、という部分でも悩まれていましたよね。木原さんからA4サイズの紙4枚分の表記リストが送られてきたときには驚きました。
木原 ゲラの校正をしているときに気になり出して、どうしても変えたい……と、途中でたくさん修正してしまいました。漢字が多いとムラらしくないと思ったんですよね。
――使われる言葉が非常にシンプルで、それゆえに深く刺さります。なかでもインパクトがあるのは、やはり「ジブンの星に帰る」という言葉です。ムラさんは、お母さんから「むかえがきたら、宇宙の星に帰る」と言われたことで、その言葉をずっと信じて生きていきます。
木原 これは、アパートの隣人のきいちゃんから続く、お母さんの呪いなんですよ……。まずきいちゃんがお母さんをだまし、それを信じたお母さんがムラに話してしまう。そのときにムラは「誰にも言っちゃダメだ」と言われたことで、その約束を守り(両親がいる場所を)誰にも話せなかった。ちゃんと説明すれば、ムラは両親が亡くなったことも理解できるはずなんですけど、誰にも「ジブンの星」について話せなかったために、修正がきかないままきてしまったんですよね。
――ムラさんの「人を信じる」、「約束を守る」といういい面が悪い方向にいってしまったわけですね。一方、お父さんからの言葉は決して呪いではありませんでした。
木原 お父さんからの言葉は「教え」でしたね。お父さんはふつうにちゃんとした人だったので、ムラもお父さんに似て優しい人の設定にしました。
お父さん、お母さん、そして愛のようなものを教えてくれた人
――両親のほかにカンさんやお父さんを知る神辺さん、元隣人のきいちゃんなど、ムラさんが出会い、別れていく人たちは、どのように生まれていったのでしょう。
木原 それぞれ書きながら人物像が固まっていった感じですね。書き始めたころは、「ムラがところどころで会っていく人」とふわっと考えていたくらいで、細かい部分までは決めていませんでした。ムラとカンさんとの関係も当初はそこまで深くなく、書いていくうちにかかわりが増え、深くなっていったという感じです。
――カンさんは、ムラさんにとっても読者にとっても、ほっとひと息つける「救い」のような存在でした。
木原 先にひとつお話しておくと、カンさんはたしかに「芸術家」なんですが、私のなかではめっちゃ売れていない芸術家。美大を卒業したけれど、何者にもなれない内のひとりなんです。なので「芸術家」と紹介されると、少し違和感があります(笑)。
――「芸術家」というにはまだまだ、というカンさんですが(笑)、どのような人物として書かれたのでしょうか。
木原 アーティストであることは最初から決まっていました。なぜ版画なのかというと、単純に私が好きだからです。それで、来るもの拒まず去る者追わずの人。私の勝手なイメージですが、芸術家ならいろいろな人、ちょっと変わった人でも受け入れそうだなと。「この人はこういう人」とありのままを受け入れて、干渉もしない。なのでカンさんは、ムラに期待も何もしていないんですよね。ただいるだけでよくて、それ以上のことを望んでいない。ムラも出しゃばることがないので、ふたりの相性はよかったんだと思います。
――腕に入れ墨が入っているという設定にしたのには、何か理由があるのでしょうか?
木原 ムラは目での理解が得意ではないので、一緒に雨宿りをしただけの人の顔はそんなに印象に残らないだろうなと思ったんです。それで坊主であること以外に目につくものが欲しいなと思って、入れ墨をいれることにしたんだと思います……たぶん。
――ふたりが初めて出会うシーンはとてもドラマチックですよね。
木原 海で雨宿りして出会うって、冷静に考えたら少女漫画みたいじゃないですか? あとになって「少女漫画だ!」と気がつきました(笑)
――言われてみればたしかに! カンさんは、早くもこの時点でムラさんに惹かれるものがあるようですし。
木原 ムラの髪型も変わっているし、なんだこの人って気になったんでしょうね。
――神辺さんやきいちゃんといったおっちゃんたちも、キャラが濃いですね。
木原 きいちゃんは、すごく書きやすかったです。「いつまで過去の栄光を引きずってるんだ!?」とツッコミたくなる人ですよね。そして神辺さんはめちゃいい人。唯一、ムラにしっかり干渉してくれた人です。そういえば神辺さんは、お父さんのことをムラに教えてあげる人がいないといけないと思って、生まれた人でした。ムラは自分からお父さんやお母さんを探しに行かないので、教えてくれる人が必要なんですよ。そういう意味できいちゃんは、お母さんのことを教えてくれる人だったということです。
――では、カンさんは?
木原 愛のようなものを与えてくれる人です。でもそれもムラはなくしたんです……。
――いやいや! まだ、なくしたかどうかはわかりませんよ!
木原 あははは(笑)。
――続きを希望する声をサイン会でも聞きましたし、SNS等でも多く目にしますが、この先の展開は考えていらっしゃいますか?
木原 作品によっては、形にしていないけれど自分のなかだけで続きを考えたものはあります。でも『惑星』については、ラストのその先を考えながらは書きませんでした。みなさん続きを読みたいとおっしゃってくださっているのですが、またムラを掘り返すのがしんどそうで……。
――カンさん視点で書く、というのはいかがでしょう。
木原 それはありかもしれませんね。そういえばカンさんの元彼の宮口は、カンさんが男性も恋愛対象になることを教えてくれる人でしたね。彼にはその役割がありました。ムラ同様、カンさんも自分のことをべらべらしゃべる人ではないので、誰か語る人が必要になり、突然鍋を食べに来させたというわけです(笑)。恋愛対象に男性も入るのかどうかを話してもらわないと、カンさんがムラに恋愛感情を抱けるのかどうかが読者は判断できませんからね。
――ムラさんはカンさんから愛のようなものを与えられましたが、カンさんに与えてもいましたよね?
木原 そうですね。カンさんに影響も与えていました。ムラに影響されて苦手な人物を彫り始めていましたし。ふたりはある意味、相思相愛だったんですよね。
――にもかかわらず、最後には誤解が生じてふたりの関係に亀裂が生じます。ムラさんのすべてを受け入れてきたカンさんの初めての拒絶だったので、衝撃的でした。
木原 書いている側としてはムラを拒絶したときのカンさんの感情は、そこまで爆発しているつもりはなかったんですよ。言葉のとおり、本当に少しだけでいいから、一日くらいでいいから距離を置かせてほしい、一生部屋に帰って来るなっていうことではなく、ちょっとだけ頭を冷やす時間をください、というくらいの気持ちでした。カンさんとしては、ガッと突き放したつもりがないので、ムラが走り去ったのもふっといなくなっちゃった、そのまま帰ってこないな。くらいなんだと思います。
この話はこうなんだ! すべて失う話なんだ!
――ムラさんの視点で書く苦労やしんどさはあったとのことですが、ストーリー自体には感じられていましたか?
木原 じつは、ストーリーについてしんどいとかつらいとは思っていないんです。ムラ視点で書くことに、すべてのしんどさが向いていたという理由もあるかもしれませんが……。なので読者のみなさんが「ずーんとした」「しんどい」と感想を(SNS等で)書かれていて、「あれ? そうなの?」という気持ちになったんです(笑)。さきほどお話した「喪失」と「搾取」の違いといっしょで、書き手と読み手の受け取り方の違いがここにも表れたのかもしれないと思いました。私が読み手でこの話を読んだら「ずーん」としたり、後味が悪いと怒るかもしれませんが、書き手としては「だってこの話はこうなんだもん! すべて失う話なんだもん!」という思いだけなんです。
――木原さんが描きたかった『惑星』という物語はこれなんだ、これが正解なんだ、ということですね。では、書いていて楽しかったシーンはありますか?
木原 カビのはえたパンをくれるおじちゃんのシーンは、実際に「摘んで食べたらええねん」って言いそうだなぁと思いながら楽しく書きました。あとは、ムラが傘をうまくさせないシーンでしょうか。楽しかった、というか印象に残っています。
――最初から書こうと決めていたという映画館のシーンも非常に印象的ですね。
木原 唯一の“BL的”なシーンですが、いっさい萌えがないという……。「お子さま銀行」のお金は、書いているときに思いつきました。嫌さ加減が何倍にもなりますよね。「妻子持ちかよ! この男サイテー!」と書きながら思っていました(笑)。
――それでは最後に、今後挑戦してみたいテーマなどがありましたら教えてください。
木原 いろいろとあるんですが、品性が漂う話を書いてみたらおもしろそうだなと思っています。品性という言葉はジブンにないものなので(笑)。冷静に、これまで自分が書いた作品のことを考えたときに、裸になるし吐くし漏らすし、その描写がない話がないということに気づいたんです。逆に品性漂う話が、いままでの私の作品にはない。品性しかないのに、最後の最後にその品性がガラガラと崩れる……というお話なんてどうでしょう。やっぱりキラキラした話にはなりそうにないですね(笑)。
2024年10月末収録
聞き手・構成=編集部
★読者から木原さんへ Q&A
X(旧Twitter)で募集した読者のみなさんの質問に木原さんがお答えします。『惑星』のことやプライベートに関することまでアレコレと教えていただきました。
★★★
Q. 物語の舞台は架空の都市か実際の地域を想定して描かれていたのか、どちらなのでしょうか?
木原 日本に何か所かあるドヤ街を参考に、自分なりに想像して書いていった感じです。(構想・執筆期間が)コロナ禍だったということもあり、実際に取材をして書くことが難しかったためいろいろな資料をヒントにしました。
Q. 木原先生の作品の登場人物の細かな心情描写がとにかく大好きです。登場人物を考えるとき(性格など)どのように考えてらっしゃいますか?
木原 最初に、ざっくりと「やさしい」とかどんな人かを決めて、あとは書きながら「やさしい人ならこうする」「この人ならこうする」というのが自然と決まっていきます。連想ゲームのような感じです。「身長は何センチ」とか、細かい設定を考えることはないですね。
Q. 先生の作品の人々は想像の方たちなのですか?
木原 私が書く人たちは想像です!(笑) ただ、知り合いのちょっとしたところを見て、ピッとキャラクターに取り入れたりはします。本当にちょっとしたところなんですけどね。
Q. ムラさんの年齢は42歳とのことですが、誕生日はわかっているのでしょうか?
木原 「ジブンの生まれた日しか、わからない」とムラは作中で言っていますが、私はわかりません(笑)。イメージは……「6月」とふっと思い浮かびました。雨が降っていそうだなって。
Q. 三和甘雨の年齢を知りたいです。
木原 27、28歳くらいでしょうか。30はいっていない感じがします。
Q. 印象的な雨のシーンが多い今回の作品、カンさんの名前も「甘雨」で人名には珍しいと思うのですが、どんな思いを込めて名付けられましたか?
木原 ムラが呼びやすい名前にしたいなと思って「カンさん」。そこから「カン」と呼べるいい名前、漢字がないかなと辞書で調べていった気がします。「甘雨」ってかわいい名前ですよね。
Q. ムラさんのフルネームも決めていたのでしょうか?
木原 下の名前、考えてないんですよね。考えていないから作中にも出てこなかった、というだけなんです。
Q. ムラさんはもちろんのこと、カンさんはムラさんに対しての終着点を見つけることができるでしょうか?
木原 ふたりにとっての終着点は、「ずっとお互いを覚えていること」かなと思います。忘れっぽいムラもカンさんのことは忘れない。なので、そう考えると終着点は見つけられるのではないでしょうか。ふたりが再会するかどうかは、みなさんのご想像におまかせします。
Q. 一般文芸とBLの境界線があるとすればどんなところでしょうか?
木原 一般文芸は、バッドエンドでも恋愛じゃなくてもOKというところですかね。でも今回、読んでくださったみんながみんな、「しんどかった」「ずーんとした」とおっしゃるので、そんなにしんどかったか~となりました(笑)。
Q. 最近ハマッてること、影響を受けた作品について知りたいです!
木原 オーディション番組にハマっています! TimeleszとNo No Girlsのオーディションがめっちゃおもしろくて、夢中になって見ています。番組を見た人の感想動画もあさってます(笑)。影響を受けた作品というわけではないのですが、おもしろいと感じたのはNetflixのドラマ『極悪女王』。精神的にも肉体的にも強い女性はいいな、と楽しく視聴しました。
Q. 木原先生が「あぁ、幸せだな~」と感じる瞬間はどんなときですか?
木原 みんなが健康ならいいな、幸せだなって思います。やっぱり健康第一ですよね。あとは、何かに夢中になっているときが幸せなのかもしれません。夢中になっていたら時間もあっという間に過ぎるので。
Q. 単行本の化粧扉にも使用させていただいた、木原さんお手製の星の消しゴム判子ですが、作ってみた感想を教えてください(担当編集より)。
木原 実際にやれそうなことだったので、体験してみようと思いました。判子作成キットを購入し、まず鳥の判子を作ったんですが、鳥に見えなくて驚愕しました。次にハートを作ったら周囲を削りすぎていびつな形になり、ムラの気持ちがよくわかりました。星は慎重に作ってなんとか形に。判子作りは想像よりも難しかったです。
※みなさま、たくさんの質問を送ってくださりありがとうございました。掲載にあたり、いただいた質問文を編集させていただきました。また、質問採用者とプレゼント企画当選者は異なります。ご了承ください。
★『惑星』誕生の裏側がわかるスペシャル写真
いつも作業しているデスクや執筆&リフレッシュタイムのお供などを木原さんに撮影していただきました。ここでしか見られない貴重な写真の数々と木原さんによる解説をお楽しみくだい。
★★★
木原 このデスクで原稿を書いたり、ゲラの校正作業をしています。窓辺にある植物は、一年ほど前に突然植物を育てたい欲が高まり100円ショップで買ってきました。
木原 原稿執筆中にハーブティー、紅茶、カフェオレ、ココアをローテーションで飲んでいます。最近はハーブティーが多いかもしれません。
木原 愛用中のポメラ(4台目)です。これは2年ぐらい使っています。初校原稿の段階まで、だいたいポメラで書いています。
木原 お気に入りのキノコのフィギュア。5、6年前にハンドメイド作品の即売会で「かわいい! 欲しい!」と一目ぼれして購入しました。原稿に煮詰まったときなどに眺めて癒されています。
木原 ゲラ校正用のブックスタンドと校正に使っている青ペン。ブックスタンドのサイズはA4よりやや大きいぐらいです。
木原 散歩中に撮影した風景です。天気がよくて用がなければ毎日散歩しています。原稿中は座りっぱなしになるし運動らしい運動をしていないので、歩くぐらいはしよう……と思って(笑)。
木原 友人に贈った手作りの布カバンです。布小物を原稿執筆中にリフレッシュとして作るときもあれば、たまに猛烈に何か作りたくなることも。カバンにかぎらず、気になった小物を昔から作っていました。数年~数ヶ月に一度くらいブームがやってきます。
★★★
木原音瀬(このはら・なりせ)
高知県出身。1995年『眠る兎』でデビュー。『美しいこと』『箱の中』をはじめとするボーイズラブ作品を多数発表。ほかの著書に『ラブセメタリー』『罪の名前』『コゴロシムラ』「捜し物屋まやま」シリーズ、「吸血鬼と愉快な仲間たち」シリーズなどがある。2024年12月20日にシリーズ完結編となる『吸血鬼と愉快な仲間たち6』を刊行予定。