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#22 生きていれば誰しも、コンビニパフェに救われる日がある 斧屋「ひとりパフェ活のすすめ」


「お父さん、最近なんだかイキイキしてない?」「主任、朝から楽しそう……」それ、パフェのおかげです! 趣味がない大人、第二の趣味がほしい大人に、日本で唯一のパフェ評論家・斧屋が全力でプレゼンする「おとなのパフェ活」指南。さあ、あなたも人生を豊かにする「ひとりパフェ活」はじめませんか。
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※本連載は小社より単行本として刊行される予定です。
※書籍化にあたって一部のみ公開しています。

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 ある日、夜パフェを食べようと決めて、前から気になっていたお店の最寄り駅まで来たところで、もうそこではパフェを提供していないことがわかってしまいました。「いまからほかの店に行くのも無理だし……」と心は折れて、とぼとぼと家までの帰り道。そこには、コンビニがありました。
 コンビニのパフェを、プラスプーンですくって、救われたのです。
 
 コンビニパフェは大きく3種に分類できます。冷凍されたアイスのパフェ、チルドコーナーに並ぶ冷蔵スイーツのパフェ、そしてミニストップで提供している、その場で盛り付けるパフェです(*1)。アイスのパフェは「ガリガリ君」で有名な赤城乳業が製造している場合が多く、セブン-イレブンで販売している「ななパフェ」シリーズの製造元でもあります。
 最も注目したいのはチルドのパフェです。アイスを入れられないという制限はありますが、ここ最近はちょと変わった中身のパフェもあり、見逃せません。コンビニ大手三社であるセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン。それぞれが工夫のあるパフェを提供しています。最近食べたパフェを見てみましょう。
 
 まずはローソン。冬に提供していた、「ブランデーとシナモン薫るショコラパフェ」。コンビニで、ここまで香る(薫る)ことに注力したパフェは珍しい。特にブランデーがよく薫り、ずっしりと食べ応えのあるパフェでした。
 続いてファミリーマート。8月に食べた「抹茶ミルクパフェ」です。特筆すべきは、抹茶パフェと言えばお約束の白玉やあんこを入れていないこと。抹茶のソース・ホイップ・ゼリーと、ミルクソースや練乳ムースだけで構成された甘すぎないパフェで、抹茶の魅力がちゃんと伝わってきます。
 最後にセブン-イレブン。冬に提供していた「黒ごまと豆乳ブラマンジェパフェ」。毎年少しずつ中身を変えつつも、恒例のパフェとなっています。黒ごまたれ、くるみ、白玉、きな粉付わらび餅、黒ごまムース、豆乳ブラマンジェ。定番の売れ筋のパフェを模倣した商品ではなく、黒ごまの風味に、くるみや白玉、わらび餅の食感が楽しい、独創性のあるよくできたパフェです。
 アイスが入れられない分、食感や香り使いにそれぞれ趣向を凝らしたコンビニの冷蔵パフェ。一日の終わりに、頑張った人も、つらい人も、悲しい人も。コンビニパフェがあなたを救う。

黒ごまよ、ありがとう。

▲セブン-イレブン「黒ごまと豆乳ブラマンジェパフェ」(2022年12月撮影)

緑と白、抹茶とミルク。

▲ファミリーマート「抹茶ミルクパフェ」(2023年8月撮影)

香るじゃないよ、薫るだよ。

▲ローソン「ブランデーとシナモン薫るショコラパフェ」(2023年2月撮影)

*1:ミニストップは、各店舗にソフトクリームフリーザーがあり、季節のフルーツやプリンとソフトクリームを盛り付けたパフェを販売しています(なお、深夜に数時間機械洗浄をしている間は注文できません)。個人的には夏季に販売されるマンゴーのパフェを楽しみにしています。

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連載【ひとりパフェ活のすすめ】
毎月第1・3金曜日更新

斧屋(おのや)
パフェ評論家、ライター。東京大学文学部卒業。パフェの魅力を多くの人に伝えるために、雑誌、配信チャンネル、ラジオ、トークイベント、テレビなどで活動中。パフェの魅力を探究するコミュニティ「パフェ大学」主宰。著書に『パフェ本』『パフェが一番エラい。』がある。
Twitter: @onoyax

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