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音楽評論家が伝える、80年代の音楽の挑戦者たちのリアルな姿。 田家秀樹『80年代音楽ノート』3月26日(火)発売


この本について

「シティポップ」の再評価で注目されている80年代日本の音楽。本書は共同通信が配信し、地方紙に掲載された人気連載「80年代ノート」100回分に加筆したものです。
YMOへの熱狂、大滝詠一と松本隆の関係、リゾートを身近にしたユーミン、尾崎豊の切実なステージ、さまざまなバンドの解散劇……。アーティストの心情、時代背景などから、80年代音楽を深く描く。現場を見てきた著者だからこそ書ける知られざる物語も満載!
コラムごとにスマホをかざしてSpotifyから聞きながら読めるコード(掲載のないコラムもあります)や各年プレイリスト(Amazon Music, Apple Music, Spotify)も掲載しています。

【序章より】
「79年のドラマは全て終わりました。俺たちは80年代に行きます」「甲斐バンド」の甲斐よしひろ(1953〜)が、1979年12月21、22日の初の武道館2日間公演でそう言ったのは、本編最後の曲「100万$ナイト」を歌う前だ。
どんな年代にも終わりと始まりがある。それまでの10年がどう終わって、新しい10年がどう始まったのか。 79年の大みそかはその変化を集約したような日だった。

本書掲載アーティスト

甲斐バンド、吉田拓郎、沢田研二、シャネルズ、佐野元春、オフコース、松田聖子、RCサクセション、浜田省吾、山下達郎、YMO、サザンオールスターズ、五輪真弓、松任谷由実、小室等、井上陽水、寺尾聰、大滝詠一、南佳孝、加藤和彦、アナーキー、松山千春、アリス、中森明菜、薬師丸ひろ子、中島みゆき、あみん、矢沢永吉、THE ALFEE、CHAGE and ASKA、安全地帯、チェッカーズ、竹内まりや、TM NETWORK、尾崎豊、はっぴいえんど、BOØWY、REBECCA、ハウンド・ドッグ、中村あゆみ、渡辺美里、BARBEE BOYS、米米CLUB、1986オメガトライブ、長渕剛、萩原健一、THE BLUE HEARTS、矢野顕子、美空ひばり、BUCK-TICK、大江千里、プリンセス プリンセス、THE BOOM、DREAMS COME TRUE、UNICORN(掲載順)

佐野元春、尾崎豊、浜田省吾、BOØWY、THE BOOMの迫力のライブ写真や
当時の大滝詠一、井上陽水の写真、登場アーティストのアルバム、シングルのジャケット写真も多数掲載!

目次

序章 1979年12月
それぞれの区切りと再出発
1980年
新時代を告げた衝撃のパラシュート/シャネルズ、日本語でドゥーワップ/佐野元春の新しい「ストリートの歌」/オフコース、目指す音楽への”未来設計図”/山口百恵から松田聖子へ――劇的な主役の交代/RCサクセションの鬼気迫る熱気/「俺はフォークじゃない」/意外にも共通点が多い「ある種の同志」/YMOの異様な熱気/「コミックバンド」からの脱皮/「こっち側」にはまだ高かったレコ大の壁/流行先取り、夏はサーフィン、冬はスキー/ジョンが亡くなった場所へ/ズックからスニーカーへ
1981年
松本隆が描いた「大人の失恋」の歴史的ヒット/時代を超えるポップスの金字塔『ロンバケ』/松本隆と南佳孝、ヒットへの長い伏線/松田聖子を”永遠のアイドル”にしたもの/香り高き大人の「ヨーロッパ3部作」/「日本一のパンクバンドに」/ロックでもフォークでもない「長い夜」/最強のライブバンド、アリスの活動休止/「歌謡曲」を変えた松本隆の人選/「解散」のうわさで回線がパンク
1982年
「花の82年組」で異彩を放つ/10代の主演が歌う映画主題歌の大ヒット/ユーミンとみゆき、チャート1位時代へ/「マリコ」とは何者?/女子大生ブームの盛り上がりの中で/日本の音はなぜしょぼいのか、確かめに/浜田省吾の地球環境への問題意識/「わしの太鼓がロキシー・ミュージックになった」/「音の宇宙」と「ダブルミーニング」の新次元/井上陽水と沢田研二という新しい組み合わせ/「世代」を明確なアイデンティティーに/アコースティックグループからロックバンドへ
1983年
山下達郎30歳、「夏と海」を抜け出す試み/「そこは全部プールなんですよ」/時間をかけて浸透した名曲
1984年
松本隆から大滝詠一への「別れの手紙」/ドゥーワップの街から来たロックアイドル/音楽雑誌「PATi▸PATi」の創刊/オフコース、4人での再出発/ヒップホップの洗礼/音楽活動と家庭生活を両立させた竹内まりや/MTVの時代のデビューの仕方/革ジャンにエレキ、脱フォークソング/地方都市の若者たちへの賛歌/フォーライフレコードの社長を辞めた拓郎の覚悟/新たな陽水ブームの訪れ/時代を超えるサザンの大衆性
1985年
ステージに血を塗りたくるような痛々しさ/80年代最大の音楽イベント/意図したのは「ニューミュージックの葬式」/縦ノリビートの可能性/「自分の時代に幕を引きたい」/「どのくらい歌えば幸せになれるんだろう」/レコーディング時間1800時間/NOKKOの言葉で歌う「女子」の日常/「素人の時代」の始まり/HOUND DOGのひたむきな力強さ/ガールズロック時代へ/「ロックを母乳に育つ」/「公園通りを攻め上っていきます」/「時代」と「世代」と一体化した「カリスマ」/すさまじく面白い本格ファンクバンド
1986年
ボーカリストに徹するという決意/命を宿す女性の「大きな歌」/甲斐バンド、「花火のように」解散/感情を吹っ切っていくようなスピード感/オメガトライブの鮮やかなボーカル交代劇/渡辺美里、19歳のみずみずしい日常と夢/「自分は何者か」/アルフィーと10万人の大合唱/長渕剛、頑強な肉体と強靭な精神へ/艶のあるハスキーボイスのラブソング/憂いとはかなさの歌姫、中森明菜
1987年
ミュージシャンのショーケンは「月」/結婚か仕事か、揺れる時期に/ドブネズミみたいに/語り継がれる伝説のライブイベント/矢野顕子の「出前コンサート」/「じめっとするのは似合わねえと思うから」
1988年
光GENJIのスタートとチャゲアス/疑わなかった美空ひばりの「完全復活」/近未来のロックで「バクチク現象」/桑田佳祐初のソロアルバム/放射能はいらない/氷室京介のソロデビュー/エピック旋風とその舞台裏/尾崎はニューヨークで何を見つけたのか/孤高のシンガー・ソングライターの到達点/プリンセスプリンセスの快進撃
1989年
昭和と平成をつなぐ曲「川の流れのように」/一つの時代の終わり/「ホコ天」と「イカ天」が浸透させたバンドブーム/新しい未来を予感させる吉田美和のエネルギー/「服部」って誰!?/「一瞬のきらめきのようなバブルの世紀末に」

ご購入はこちら

田家秀樹『80年代音楽ノート』
2024年3月26日(火)発売
定価:1,870円(税込)
体裁:272ページ、四六判変型ソフトカバー
発行:ホーム社 発売:集英社
ISBN 978-4-8342-5381-8
装丁=松田行正+山内雅貴

イベント情報

2024年5月23日(木)に「80年代音楽ノート」の刊行を記念して、代官山蔦屋書店にて著者・田家秀樹さんと推薦文を寄せてくださった作家・重松清さんによるトークイベント「あの頃、僕は田家秀樹になりたかったんだ――重松清」を開催いたします。詳しくは下記よりご確認ください。

著者プロフィール

田家秀樹 (たけ・ひでき)
音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、ラジオの音楽番組パーソナリティー。日本のロック、ポップスを創生期から見続けている。1946年、千葉県生まれ。中央大学法学部政治学科卒業。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者になる。文化放送「セイ!ヤング」などの放送作家、「レタス」(サンリオ)などの若者向け雑誌編集長なども経験。放送作家としては、民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント部門で最優秀賞(2001年)や優秀賞などを受賞。著書に『風街とデラシネ 作詞家・松本隆の50年』、『オン・ザ・ロード・アゲイン 浜田省吾ツアーの241日』など多数。

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