【電子書籍】千早茜『しつこく わるい食べもの』 の配信が始まりました。
2月26日に単行本が発売された千早茜さんの食エッセイ『しつこく わるい食べもの』。3月26日(金)より、電子書籍の配信も開始されました。どこから読んでも面白い35話が、デジタルでも楽しめます。
電子書籍では前作に続き、挿画をオールカラーで収録。洋菓子「フランセ」「キャラメルゴーストハウス」のビジュアルなどでも人気のイラストレーター、北澤平祐さんの世界をお楽しみください。
そして、単に美味を愛でるエッセイではないのが本書の魅力。書評家の吉田伸子さんはこう語っています。
千早さんの核にあるのは、「自由」なのだ。(中略)何者からも、何事からも、自由たらんとすること。だからこそ、彼女は、その自由を脅かされそうになったり、もぎ取られそうになったり、自分の求める自由とは違う自由を押し付けられそうになったりすることに、鋭敏であるのだ、と。
そのことが端的にあらわれるのが、たべものに関する場合なのだ。たとえば「おいしい呪い」の章。ここで描かれているのは、味の評価について、「おいしいでしょう」と押しつけられることへの嫌悪、である。(中略)千早さんは、書く。「できるなら『おいしい』以外の言葉で食べものを人に勧めたい」と。そこには、自らが自由を欲するのと同時に、何かを押し付けることで、他者の自由を奪いたくない、他者の自由を尊重したい、という千早さんの姿勢、がある。
(「HB」掲載 書評「自由であることへの希求」より)
「わるたべ」シリーズを貫く千早さんの美学は、前作『わるい食べもの』刊行時にも大きな反響があり、雑誌などで多く取り上げられましたが、本書も早速『Precious』4月号、『日経エンタテインメント!』4月号のブックレビューで紹介されました。
本書の後半では、コロナ禍以降についても描かれます。ゆらぐ世界を反映したリアルな記録を、電子版でもぜひ!
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【電子版】千早茜『しつこく わるい食べもの』
2021年3月26日(金)配信開始
装画・挿画:北澤平祐
装丁:川名 潤