
世界が注目する気鋭の映画作家による瞑想体験記。想田和弘『なぜ僕は瞑想するのか─ヴィパッサナー瞑想体験記─』4月26日(月)発売

この本について
スマホもパソコンも財布も預け、外の世界との関係を完全に断ち切った上で毎日10時間以上、ひたすら座って修行した10日間の記録。
2600年前ブッダが実践したという瞑想修行のコースに参加した映画作家、想田和弘によるルポルタージュ。娑婆を離れてひたすら座って修行する中で、著者は驚くべき貴重な体験をし、考え方と生き方を大きく変えられてしまう。「週刊金曜日」の好評連載、待望の書籍化!
本書より
生き方を変え、世界を変える「ブッダの瞑想」
皆さんは「ヴィパッサナー瞑想」をご存知だろうか。
2600年前、ブッダが菩提樹の下で実践し解脱に至ったという、究極の瞑想法である。
僕は2019年の夏、この瞑想法を伝授する10日間の修行コースがあると聞いて、恐る恐る参加した。千葉にある大自然に囲まれた瞑想センターで、スマホもパソコンも財布も預け、外の世界との関係を完全に断ち切った上で毎日10時間以上、ひたすら座って修行した。
そして驚くべき貴重な体験をした。
それは僕自身の考え方と生き方を大きく変えてしまった。
今ではヴィパッサナー瞑想は、僕の精神と身体を静め、安定させ、ストレスと制御し、健康を保っていくために、どうしても欠かせないツールになっている。
瞑想は、この暴力的な世の中を平和なものに変えていくため、鍵になるだろうとも確信している。
本書は、雑誌「金曜日」に連載された瞑想合宿の体験記を、一冊にまとめたものである。
恥ずかしい出来事や体験もかなり赤裸々に書いてしまったが、この本を読んで、ヴィパッサナー瞑想に興味を持ったり、実践したりする人がひとりでも増えるなら、これほど嬉しいことはない。
「観察映画」から「観察瞑想」へ
僕は「観察映画」を標榜し、台本もナレーションも使わぬドキュメンタリー映画を作ってきた。「観察」という行為に興味があり、「観察瞑想」とも訳されるヴィパッサナー瞑想に関心を抱いてきた。(...) また、自分の精神状態が、年を取るにつれてどんどん悪化していくことも、瞑想に興味を抱いた理由である。
毎日とにかく忙しすぎるし、競争が激しく心が安らぐことがない。祖国や世界の政治状況を見ていても怒りが湧くことばかりで、心が乱されることが多い。ついでに、映画作家などというヤクザな商売をしているので、経済的な不安も常に抱えている。
そういうストレスを少しでも軽減し、心の平静を保つ必要性を感じていた。
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想田和弘『なぜ僕は瞑想するのか ─ヴィパッサナー瞑想体験記─』
2021年4月26日(月)発売
体裁:新書判ハードカバー/128ページ
定価:1,870円(税込)
発行:ホーム社/発売:集英社
ISBN:978-4-8342-5347-4
装幀:川名潤
[電子書籍は5月配信予定]
著者プロフィール

想田和弘(そうだ・かずひろ)
映画作家。1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学科卒。米国スクール・オブ・ビジュアルアーツ映画学科卒。日米を往復しながら、台本やナレーション、BGM等を排した「観察映画」というドキュメンタリーの方法を提唱・実践。監督作品に『選挙』『選挙2』『精神』『Peace』『演劇1』『演劇2』『牡蠣工場』『港町』『ザ・ビッグハウス』『精神0』等。国際映画祭での受賞多数。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)、『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社)、『カメラを持て、町へ出よう』(集英社インターナショナル)等がある。