戦争×鉄道エンターテインメント小説の傑作!! 野上大樹『ソコレの最終便』6月26日(水)発売
この本について
大戦末期、ソ連軍の奇襲侵攻を受け崩壊の危機に瀕する満洲国。
特命を帯びた装甲列車(ソコレ)が、混乱の大地を駆け抜ける。
疾走距離 2000 ㎞、タイムリミットは 7 日間!!
昭和 20 年 8 月 9 日、日ソ中立条約を破棄したソ連軍が突如として満洲国へ侵攻を開始。国内全体が未曾有の大混乱に陥るなか、陸軍大尉・朝倉九十九率いる一〇一装甲列車隊「マルヒト・ソコレ」に特命が下った。それは、輸送中に空襲を受けて国境地帯で立ち往生してしまった日本軍唯一の巨大列車砲を回収し、はるかかなたの大連港まで送り届けよ、という関東軍総司令官直々の緊急命令であった。
佐藤賢一さん推薦!
昭和二十年八月、終戦間際の満洲を装甲列車(ソコレ)が走る。 迫真の戦争小説と転変のロードノベルが合体 ――おののかされ、引き回されて、もう一気に読まされた。
目次
序章 ノモンハン
第一章 昭和二十年八月九日、出発の日
第二章 北へ
第三章 西へ
第四章 半島へ
第五章 終着駅
終章 ノモンハン後日――始まりの誓い
本書の登場人物
朝倉九十九:長崎出身の陸軍大尉。一〇一装甲列車隊の指揮官。29歳。
雲井ほのか:日本赤十字の救護看護婦。17歳。
井先任:仏と呼ばれる列車隊の先任曹長。
川野辺少尉:学徒出陣した予備少尉。列車隊の偵察警戒班長。
金子少尉:叩き上げの砲兵少尉。列車砲の運搬責任者。
宮部鉄三:満鉄(南満州鉄道株式会社)の老整備士。
矢野軍医:伝染病を研究する東大の研究医。軍医少佐。
キヨ子:親を亡くした生後4 ヶ月の乳児。
小池機関士:列車隊の機関士。
酒井通信士:列車隊の通信士。
ルカチェンコ少佐:NKVD(内務人民委員部)の少佐。
大須賀大尉:かつて九十九が仕えた中隊長。
紹介されました
2024/7/21 産経新聞:書評「満洲舞台の冒険小説 『ソコレの最終便』」評者・細谷正充
2024/7/25 日本経済新聞:目利きが選ぶ3冊「終戦間際 特命の虚しさ」評者・大矢博子
2024/8/21 東京新聞:コラム大波小波「戦争小説から自衛隊を考える」
2024/8/23 週刊読書人:「戦争の愚かさを白日の下にさらす 大戦末期の満州を舞台にした秀逸なロードノベル」評者・末國善己
2024/8/31 西日本新聞:担当記者の激オシ本「全ての兵器と命への鎮魂歌」評者・大田精一郎
2024/10/22 オール讀物11月号:「時代小説、これが今年の収穫だ!」評者・末國善己、細谷正充
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著者プロフィール
野上大樹(のがみ・たいき)
1975(昭和50)年生まれ。佐賀県在住。防衛大学校卒。2014 年、「霧島兵庫」名義で第 20 回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、2015 年『甲州赤鬼伝』でデビュー。その他の著作に『信長を生んだ男』、『二人のクラウゼヴィッツ』(「フラウの戦争論」より改題)、『静かなる太陽』がある。2023 年、「野上大樹」へ名義変更。『ソコレの最終便』が名義変更後初の刊行作となる。