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第11話 エビのミソはレバー| 金原ひとみ「デクリネゾン」

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 広い会議室に一席空きで座る私たちの前には各々コーヒーの紙カップが置かれていて、私以外の人は皆マスクをつけている。コロナの影響で社内の喫茶室が営業停止したとのことで、コーヒーは中津川さんが外のコーヒーショップまで買いに行った。私も、スーパーや電車ではマスクをしている。ちらほらと、理子の学校でも三人ほど感染者が出たし、この間はひかりの息子の保育園でも園児に感染者が出て休園になったと話していたし、どこの出版社や新聞社でも大抵数人は感染者が出ていると聞く。久しぶりに会う人や、初めて会う人には、会社ではどうですかコロナ、と聞くのがルーチンになっている。目の前に座る新聞記者からは、実は第一波で感染していたんですという珍しい体験談が聞けた。帰ったら蒼葉に話そうと思いながら、何だかもうずっとこんなことばかりだなという倦怠を感じる。コロナの話をして、その話を誰かに話す。同じように、周囲の人からはこんな話聞いたよという情報が回ってくる。死ぬわけじゃないけど飽きた。いやもうずっと前から飽きていた。飽きているけど話さずにはいられないのだ。コロナは世界に蔓延した挙句人々の関心と話題もかっさらっていった。飲み会や旅行や習い事、スポーツやライブなんかの趣味が制限されているせいもあって、他に話すこともあまりないのだ。二ヶ月前にチケットを取って楽しみにしていたライブも、開催一週間前にメンバーが感染して延期になった。目の前の記者も、最初は本来の取材目的であるエッセイ集の話を聞いていたが、少しずつコロナの話題を織り交ぜてくる。今日三件目の取材だけれど、前二件もほぼ同じ流れだった。
「天野さん自身には、コロナによって生活に影響はありましたか? 例えば、お子さんの学校が休校になったりもしましたよね?」
「コロナによって、彼氏と一緒に暮らすことになったんですけど、娘はそれなら父親と住むと言って出て行ったんです。それが一番大きい変化でしたね」
「じゃあ、娘さんとは今一緒に住んでいないんですか?」
「そうですね。四月から別々に暮らしています」
「コロナによって彼氏と一緒に暮らすことになったっていうのは、同居していないと会えなくなるから、ということですか?」
 彼の母親が私と付き合っていることを快く思っておらず、コロナも手伝って衝突し実家を出ることになったと言えばコロナ話としても面白いし話題性は高いだろうが、オンラインでも配信するということだったから変な見出しをつけられて拡散してしまう可能性もあるため、「まあそんな感じです」と濁す。内々に原稿を確認させてくれる記者もいるけど、新聞は原則事前確認ができないから、絶対に下手なことは言わないようにとデビュー時担当編集者から注意され、生放送と新聞取材だけは細心の注意を払って話してきた。
「娘さんとは今はどのくらいのペースでお会いになってるんですか?」
「何日に一度と決めているわけではないんですが、月に一、二回でしょうか。二駅のところに住んでいるので、お互い近くに寄ったら連絡して、ご飯に行ったり家に寄ったりしています」
「なるほど。離れることで、何か生活や精神面で変わったことはありましたか?」
「何というか、ループものの物語の中にいるような気がする時があります。子供が生まれる前の、まだ彼氏と同棲していた頃に戻ったような。この自由の中にある不自由さ、行き場のなさは覚えがあるなと考えてみると、子供が生まれる前の自分の生活に行き着くんです」
「なるほど、コロナで人生が巻き戻された、という感覚でしょうか」
「もちろんかつての自分とは違うのでそう言うと語弊があるんですけど。子供が消えたわけではないですし」
 コロナで独身生活に逆戻り、的な見出しを想像し、うんざりしながら牽制する。だからつまらないのだ。事前確認できないから安全なことしか言えず、都合の良い見出しにされないよう、こうだけどこうではない、というまどろっこしい話になる。そもそも一時間程度の取材で思いの丈を寸分違わず伝えるなんて不可能だ。私は取材を通して、人と人とがいかに伝え合えないかを思い知り続けてきたと言っても過言ではない。基本的に、即興が苦手な私にとってはインタビューとは赤入れによって形成するものであって、それはほぼ創作活動だ。それが不可能となれば、炎上しない安全地帯内で無難な話をする他ない。かつて新聞が一日に一度配達され読まれれば終わりだった時代とは違う。新聞は一日に一度配達されるだけではなく、誰かがページを貼り付けて拡散したり、面白おかしい見出しでアクセス数を稼ごうとしたりする。そして永遠に人目に触れるところ、それこそ理子や蒼葉、彼らの友人や家族、これから先付き合うかもしれない人なんかが見ようと思えば見れる場所に残り続けるのだ。環境が変わった以上、取材相手本人に確認を取ってから掲載するというのが良心的なメディアのあり方ではないだろうか。相手が政治家や官僚ならば話は違うのかもしれないが、私は虫ほどに無力な物書きなのだからそのくらい許されても良くないだろうか。
「今回のエッセイ集の中でも、結婚と離婚を繰り返したことについて触れている部分がありますね。少し詩的な表現をされているので、印象に残っています」
「激突されたような力が働いたというところですね。確かにあそこにも書いてあるように、私は二回結婚離婚を繰り返しているので、どこかでまた事故的に人生がリセットされていくんじゃないかという懸念というか、不安のようなものはあります。でも、元々誰にとっても人生に於いてコントロールできる部分は一部でしかなく、コロナはそのコントロール不可能性を浮き彫りにしたのではないかとも思います」
 そこで言葉を止めると、頷きながらノートにメモを取っている記者をじっと見つめながらコーヒーを一口飲み込んだ。
「でも、コントロールできない世界を生きていくのって、辛いですよね。私たちはいつ死ぬか分からないし、いつ大切な人を失うかも分からない。そんな状態で発狂せずに寿命を全うするまで生きるって、かなり精神力のいることだと思うんです。私たちは動物と違って、自分たちが必ず死ぬことを知っているわけですから。もちろん、人間の作り出した生と死という概念があるからこそ、私たちは死が怖いわけですけれど。特に日本では宗教が普及していないから、死というと生物学的な死に直結して考えてしまう。死について色んなルートから思考のアプローチをできた方が、生についても豊かな想像が膨らむと思うんですけどね。もちろん宗教を通す必要はなくて、自分自身で死という概念をアップデートするんでもいいと思いますけど」
 途中から、あれ何の話だっけと混乱しながら、目がチカチカしてトランス状態に入ってしまったように言葉が止まらなくなった。なるほど、と言いながら、記者が少し当惑しているのが分かる。普段地蔵のように肝の据わっている中津川さんも、スマホをいじっていた手を止めて私を見つめている。まだ言いたいことがある。人の死について、例えば色んな国の葬式の制度について、土葬と火葬が与える死のイメージの違いについて、安楽死について、コロナ禍で否応無しに死の概念が各々の中でアップデートされ始めている可能性について。でもどうしてこんなに死について話したいのかよく分からなかった。辞書ほどに分厚いパラパラ漫画が高速でめくられていくように、パラパラと「死」をテーマにした小説や批評や絵がものすごい勢いで頭に展開されていく。
「あ、すみません。ちょっと目眩が」
 私はそう言うと額を押さえて椅子の背もたれに体を預ける。大丈夫ですか? といくつかの声がして、目を閉じたまま「大丈夫です。すぐに治ります」と言う。横になってくださいと中津川さんの声がして、うっすら目を開けるとすぐに私の脇に椅子が並べられた。自分の座っていたものも含めて三つ並べられた椅子に寝そべると、「すみません今日はもうそろそろ時間ですし、ここで終了でいいでしょうか。また何か追加で質問があればメールで送っていただければ天野さんに転送しますので」と中津川さんが意外にしっかりした対応をしている声が聞こえた。
「すみません、取材続きでお忙しい時だったかと思います。ほぼ聞きたかったことは聞けたので大丈夫だと思います。もしお聞きしたいことがあった場合はメールでお伺いさせてください」
 小声でお礼と退室を伝える声がして、「今日はすみませんでした。お疲れ様です」と横になったまま答える。
「大丈夫ですか? 救急病院に行くならタクシー呼びますし、もっと悪いようだったら救急車呼びますけど」
「多分大丈夫なので、ちょっとだけ休ませてください」
 三年くらい前、初めてこの症状が出た。唐突に息苦しさ、動悸、頭痛が襲ってきて、手足が痺れ、恐怖に支配されるのだ。起き上がれないほどひどい症状は初めての時だけで、それから数ヶ月以内に二度ほどこの症状が出たけれどしばらく休めば治ったため、病院には行かずにネットで調べて自律神経失調症か、パニック障害だろうと片付け、すっかりこの症状が出たことも忘れていた。
「貧血とかですか?」
「分からないです。自律神経失調症とか、パニック障害かも。三年前にひどい発作を起こしたことが一度だけあります」
「取材、詰め込んでしまってすみませんでした。喋りすぎたせいかもしれませんね」
「いえいえ、三件なんて全然。最後の取材中に起こって良かったです」
 放っておいて欲しいのに、中津川さんはフランクに話しかけてくる。
「あ、そういえばうちの部署の牧野が言ってたんですけど、この間牧野の親が脳の病気で倒れたらしいんですけど、その時救急車がきても四十分くらい搬送先が決まらなかったらしいんですよ」
「コロナで、ですか?」
「まあ、でしょうね。だから今は救急車呼んでも搬送先なかなか決まらないかもしれませんね」
 黙って欲しかった。
「あ、そうだ。うち確か車椅子の用意があるんで、もし歩けなかったら車椅子でタクシーまでお送りしますよ」
 だいぞうぶです、と力なく呟くと、彼はようやく黙ってくれた。両手が激しく痺れていた。ここに中津川さんがいなかったら泣いていただろう。というより、早く中津川さんのいないところに行って泣きたかった。怖いという感情を表現しないとおかしくなってしまいそうで、でも今ここで突然怖いという感情を表現し出したらそれはおかしな人なわけで、でも私は今すぐ怖さを感じていることを誰かに伝えなければならなかった。
「すみません、バッグ取ってもらえますか? 彼氏に連絡して迎えに来てもらいます」
「あ、いいですね。さすがにこのまま一人で帰すのは心配なので」
 渡されたバッグからスマホを取り出すと、私は横になったまま蒼葉にLINE通話を掛ける。スマホ使用率の高い蒼葉のことだからきっとすぐに出るだろうと思っていたら、意外に繋がらず不安になる。ここだったら吾郎の家がすぐ近くだから、吾郎に迎えに来てもらおうかと思うけれど、母親がこんな状態にあるのを見たら理子に心配をかけてしまうかもしれない。どうしようと混乱が巻き起こりそうになった瞬間呼び出し音が止んで蒼葉の声がした。
「もしもし? どうしたの?」
「もしもし? 取材中にちょっと具合が悪くなっちゃって、迎えに来てもらえないかと思って」
「大丈夫? どこがどんな風に具合悪いの?」
「動悸と頭痛と、痺れとか。前にもこの症状出たことあるから、多分少しすれば治ると思うんだけど」
「すぐ行くよ。住所は?」
「ちょっと待って」
 すみませんここの住所伝えてもらえますか、と言って中津川さんにスマホを渡すと、中津川さんは簡単に挨拶をしてからこのビルの住所を伝えた。ずっとここにいるわけにはいかないのは分かっているけれど、電話で話すだけで気を失いそうなほど疲れていたし、吐き気も感じ始めていた。

 タクシーで隣に座った蒼葉の足に頭を載せて横になると、タクシーの揺れに連動して眉間に皺が寄る。頭を撫でていてくれる蒼葉は心許なさそうで、安心させてあげたいものの頭の中で幼い子供や赤ん坊が凄惨な虐待をうけ虐殺されていく動画が流れ続けていて安心させてやるための言葉が思いつかない。しばらくすれば治るという思いと同時に、症状が長引けば長引くほどこのまま治らなかったらどうしようという不安も増大していく。
「本当に救急行かなくていいの?」
「うん。明日も症状が続いたら病院行く」
 色々聞きたいことがあるのであろう蒼葉は、今じゃないのを分かってくれたようで、家に着くまでただ黙って手を握っていてくれた。降りる時、「ごめん行きのタクシーでお金使い切っちゃった」と言う蒼葉に苦笑してペイペイで支払う時、「ペイペイ」という甲高い支払い確認音が耳に届いた瞬間、その生身の人間のものとは思えない声が地獄の死者が発したもののように聞こえ、胸の奥底に墨液を垂らされたように、どっと不安が色濃くなった。蒼葉に支えられながらエントランスとエレベーターを経て家に帰った瞬間気が抜けて、ベッドに横になるとそのまま永遠に起き上がれない気がする。横になっているのに心臓がバクバクしていて、息苦しく、手は痺れ汗をかいていた。とりあえず二時間くらい放っておいてくれと言うと、蒼葉は枕元に水を置き、何かいる時は言ってねと言い残して寝室を出て行った。やっぱり病院に行くべきだったかもしれない。このまま死ぬのかもしれない。こんな姿を見せたくはないけれど、死ぬのであれば理子に会いたかった。枕元のLEDライトを限界まで絞った光だけが照らす部屋の中、私は静かに涙を流し続けた。コントロールできない世界を生きていくって、辛いですよね。さっき取材で話していた言葉が蘇る。私はコントロールできない世界を生きていくことに、疲れ果ててしまったのかもしれない。若い時は疲れながらも生きていくことができたけれど、もはやこの歳になった私には、この世界を生きるのは荷が重すぎて、今はその荷がこぼれ落ち始めた瞬間なのかもしれない。そうか、老化か。三年前の時は直人との離婚を予感し不安定になっているんだろうと片付けていたけれど、あれも老化の第一現象だったのかもしれない。思考が一本にしか動かなかった。色々な思考が繋がったり曲がったりせず、物干し竿のようなまっすぐの棒が伸びては考え続けられず一メートルで途切れるようだった。すでに大量の一メートルの棒が散乱する暗闇の中で、私は額から次々一メートルの棒をニュッと排出し続けている。棒が一本、棒が二本、と数え続けていると僅かな安心感が自分を包んでいくような気がして私は延々棒を数え続ける。額から棒を排出し続ける自分を見ながら、幼い頃理子が大切にしていたユニコーンのぬいぐるみを思い出す。あれは直人と結婚した数年後、文学イベントに参加するためオーストラリアに赴いた際に玩具屋で買って帰ったお土産だった。あの時、一緒に参加していた現地の作家と一度だけセックスした。日本語をかじったことがあるという彼と意気投合しホテルのバーで飲み明かし、夜中に彼の部屋にもつれ込んだのだ。編集者も同行しておらず、日本からの参加者も私の他には一人しかおらず、ジャンル違いだったこともあってほとんど話もしなかった。そして理由は覚えていないけれど、二ヶ月くらい直人とセックスをしていなかった。ちょうど良かったのだ。そしてその翌日、セックスをした彼も含めた若手作家括りでトークセッションに登壇した私は、彼と意見が対立し互いに鼻で笑うような態度をとり、帰国前にまたご飯に行こうという約束を果たさないまま帰国した。歓声をあげてユニコーンのぬいぐるみを抱きしめる理子を抱きしめながら私は満足し、この子のお家を作ってあげたいと言う理子に、段ボールのハウスキットを買ってやった。あれも激突だったのだろうか。もっと周到だったような気もする。絶対誰にもバレないし、外国人とセックスしてみたいという思いもあったし、イベント出演が続いて緊張を強いられるシーンが多く一瞬でいいから身体的な気持ちよさに逃げたかったのかもしれないし、ただ単に酔ってその気になったのかもしれなかった。私は外国に行って女性を買う臭いおっさんと同レベルのことをしたのかもしれない。そして多分私の中には、相手が同業者ということで売春や興味本位とは一線を画しているという免罪符まで用意されていた。最低だった。自分の最低さが、長い時を経て今の私に襲いかかっている。死にたかった。そう言えば理子は、私をこの家に置いていったけれど、あのユニコーンは吾郎の家に持って行った。私は理子の離れられない人にはならなかったけど、離れられないぬいぐるみを与えることができたということだ。汚れてきたぬいぐるみを洗濯しようと提案した時、ユニコーンが心配で洗濯機の中をずっと見つめていた幼い理子の姿が蘇る。思考がブツ切れになっていく。一メートルだった棒が、少しずつ長さを短くし、もはや十センチほどでことんことんと地面に落ちていく。恐怖心が安心感に変わっていく。私は今死にたいのだから、死を恐れる必要はないのだ。死にたい自分と迫りくる死とが融合して、安堵に包まれる。いつの間にか、額から排出される棒が蛍光灯に変わっていて、私は床に落ちた蛍光灯の山によって煌々と照らされている。

「それで、今朝には元どおりだったんだよね」
「うん。あの時もそうだったよね?」
「うん。翌朝、お昼くらいだったかもしれないけど、起きてきた時はもう普通だったよ。それで、それから一ヶ月後くらいに二回目があったかな。酷くないけど、あの時と同じ感じがするって言ってた」
「そうそう、最初の時から二、三ヶ月くらいの間に二回あったと思う。それで、それ以後は忽然と消えた」
「じゃあ、今回は三年ぶりくらいか」
 そうだねと言いながら、当時私の色々なことを把握していてくれた直人の存在を今更ありがたく思う。出社を週に一、二度に減らしていると話した直人は、Zoomで見る限り血色も良く元気そうだ。
「確か、ストレスとかホルモンの乱れが積み重なって症状になってるから、むしろ正常な反応だって書いてあるのを読んだ気がするよ。自律神経が正常だからこそ壊れてしまった、って捉えた方がいいって。今、ホルモンの乱れとか、ストレスは感じてないの?」
「そんなに感じてないんだよね。それが逆に怖いっていうか」
「今の生活に不満とかストレスは?」
「別に。理子がいないのが辛いけど、それは仕方ないし」
「元どおりにしようとは思わないわけ? 彼氏との同棲を解消して、理子と住むのは?」
「同棲を解消しても理子は戻ってこないよ。吾郎との気ままな生活を謳歌してる。それに、彼との生活もかけがえのないものになってる」
「ストレスは?」
「締め切り前はバタバタするけどそれはいつものことだし、本質的な危機に直面してる感じはしない」
「その、発作が起きる前死について話してたっていうのが不安の引き金になった可能性は?」
「それは、あるかもしれないね。ていうか、話の流れ的に別に死の話に結びつかなくても良いところだったのに、なぜか思考が全て死に引き寄せられていく感じで。そうなってからは全ての思考がネガティブだったり恐ろしい方向に結びついていった。過去の行いとか、普段は忘れてるような、自分のしてきた過去の愚かな行動なんかがぐんぐん蘇って、死なないとっていう気になったりして」
「今はもう、思考回路は大丈夫なの?」
「今はもう、なんでそんなことで死なないといけないのか意味が分からないよ」
「志絵は、たまに自罰的になることがあったよね。自律神経とは多分関係なく、突然謝ったりすることがあった。不倫した時も、ずっと仕方ないじゃんて開き直ってるような感じで振舞ってたのに、何度か発作的に泣いて謝ってきたことがあったよ」
 確かに言われてみればそうだった。行哉との不倫を告白してから離婚までの間に何度か、私は発作的に自分のしたことが信じられなくなり、後悔し泣いて謝ったのだ。どの時も、直人と経てきた時間を思い出している内に起こった気がする。その内の一度は、泣きながら謝って、抱きしめられている内にセックスに発展した。私は相手が自分にしてくれたことや、与えてくれたことを常々意識し続けることができないのだろうか。失って初めて気づく的なことを経ないと、私は相手の存在が如何なるものか認識できないのだろうか。でも私はああして自分の行いを泣いて後悔し自己嫌悪に陥り直人とセックスをしたあと、何事もなかったかのように行哉に会いに行きセックスをしていた。あれは一体何だったのだろう。自分の行動や思考の根拠が分からないことに、気持ち悪さを感じる。
「今思えば『ふたりの5つの分かれ路』みたいなシーンだったね」
 直人は二人でいつか見た映画のタイトルを挙げる。確か、冒頭でもう離婚を決めたか、離婚をしたばかりの夫婦が、ホテルでセックスをするのだ。
「最近、吾郎とか直人と離婚していなかったらって想像することがあって」
「吾郎とか直人とって、雑すぎないか?」
「ごめん、まあなんて言うか、こうだったら、っていう仮定の話を想像するってこと」
「想像の中の俺はどんな感じ?」
「理子も私も直人も幸せそう」
「志絵って、別れるきっかけになったあの男以外にも浮気してたの?」
 昨日オーストラリアでのことを思い出したばかりだったせいか、生々しく記憶が蘇る。
「してないよ。仲良くやってたじゃん」
「吾郎さんとも?」
「は? 吾郎とは離婚してから一度もセックスしてないよ」
「どっかで、やっぱり志絵はずっと吾郎さんのことが好きだったんじゃないかって思ってたんだよ。俺と適当に遊んでる内に妊娠しちゃって、流産しちゃったけど、吾郎さんにバレたこともあって志絵は後戻りできなくなったんじゃないかって。結婚してからも、志絵が精神的に頼ってるのは吾郎さんなんじゃないかと思ってた。俺は家事とか育児を担う実務担当で、吾郎さんは志絵のもっと本質的な頼りになってる気がしたんだ。もちろん、二人には二人の関係があると思ってたから、割り切ってはいたんだけど」
「私は吾郎とも直人とも、行哉とも今の彼氏とも、その二人でしか持ち得ない特別な関係を築いてきたと思ってる。吾郎は知識があって口が達者で、言葉を介したコミュニケーションが前面に出るから、精神的なつながりが強いと感じるかもしれないけど、直人とは、一緒に家庭を作ったり、理子を育てながら快適な生活を共にするっていう物理的な目標を共有して、共闘してきたと思ってる。吾郎とは共闘できなかったし、同じ目標を見つめることすらできなかった。それで、そのことが私と吾郎の間の亀裂になってた。だから、直人と暮らし始めた時、私は初めて家が自分の安息の場だと思うことができた」
 じゃあ何で、あんなにも安息の場とは程遠い行哉と浮気したんだろう。自分を好いてくる女に地獄を見せるような強烈な破綻のある人と付き合ったんだろう。結局ないものねだりでこっちと付き合うとこっちが良くなる的なことだろうか。だとしたら、行哉と別れた後、安定感のある、人として分かりやすい蒼葉と付き合い始めたのも納得がいく。でもだとしたら絶望だし、私の欲望を満たすためには両方のタイプと並行して付き合う他ないということになるし、もっと言えば場合によっては二人では足りず、三人、四人と自分の空白を埋めるための人材を増やしていく必要に駆られるかもしれない。
「そっか。いつまでも吾郎さんと自分を比べたりしてたのは、病的だなって自分でも思ってた。ごめんね変なこと言って」
「いいけど」
「実は、彼女と結婚することになってさ。彼女は志絵とは全然違うタイプなんだけど、最近ちょっと志絵との生活を思い出したりしてて」
「そっか。おめでとう。理子には話したの?」
「うん。ちょっと前、先月かな、学校帰りにうちに遊びに来てさ。彼女が帰ってくる前で、二人だったから、言うんだったら今かなって思って。喜んでくれたよ」
「そうなの? 理子からは何も聞いてない」
「俺が直接話すまで言わないようにしようと思ってたんじゃない?」
「最近よそよそしいんだよ。頼って欲しいのに頼ってくれない。一年前はあんなに密な関係を築いてたのに、今じゃちょっと仲のいい叔母みたいな感じ」
「志絵は理子とずっと叔母みたいな関係を築いてきてたと思うよ。付かず離れずで、いいなって思ってた。俺は継母に育てられたから、そういう少し距離のある関係性の良さもあるって分かるよ」
 だから直人は、理子との暮らしをあそこまで自然に受け入れていたのかもしれない。改めて、直人に救われてきた自分の数年を思う。例えば私と理子が母子家庭で二人でずっと暮らしていたとしたら、私と彼女の関係はもっとギスギスしたものに、冷めきったものになっていたのかもしれない。
「理子は吾郎さんとか俺とか、志絵のご両親とか俺の両親、友達とか友達の親にも大事にされてるし、人を頼ることにも抵抗がない。まっすぐ成長してるし、あの年にしてはかなり自分のことを客観視できてると思うよ」
「客観性があったらもうとっくに塾通い始めてくれてると思うけど」
「まあ、そういうのは別にしてね。それでいうと、志絵はもしかしたら、自分に対して一線を越えさせる人を、恋愛相手に限定してるのかもね。だからこそ、志絵は両親にも子供にも周囲のいろんな人にも社会的な関わり方ができてる。でも志絵が唯一社会性を排除して、感情とか感覚で生きれる世界、恋愛界に於いては一人しか相手がいないから常に欠乏が生じる。その欠乏を埋めるために新しい恋愛を求めてしまうのかもしれない」
「私は恋愛相手に対してだってそれなりに社会性を求めてると思うけど」
「それは対外部に関しての話でしょ。恋愛関係の中には一切社会性なんて求めないはずだよ」
「まあそうかもしれないけど、皆そうなんじゃないの?」
「志絵は一人に全てを求めてしまうっていうことだよ。普通の人は多分、いろんな存在を治外法権的に許容してる。志絵はそれができないから、恋愛相手に自分の個人的な面を一任しようとする。他に委託先がないから、恋人に全てが委託できないと志絵は別の人に走るんじゃない? ごめん、なんか責めてるような感じになっちゃったけど、責めてるわけじゃないからね。恋愛関係にある時は自分の感情が邪魔をして冷静に考えることができなかったけど、別の人と結婚するってなって改めて志絵のことを考えてみたら、ちょっとそれまでは見えなかったものが見えてきた気がしたんだ」
 そう。と言ったまま言葉が続かず、言葉が続かないことを隠すためにストロングを呷る。
「とにかく、ありがとう。前の時の記憶が曖昧だったから、直人に話が聞けて助かった」
「いや、何かあったらいつでも連絡して」
 私はついこの間、蒼葉が元カノと連絡を取っていることに嫌悪を露わにしたことを思い出す。蒼葉には、元カノに何かあったらいつでも連絡してと言うような男であって欲しくない。
「彼女は、私と連絡とってること嫌じゃないの?」
「別枠に捉えてるみたいだよ。理子のことも可愛がってくれてるし」
 いっても別枠は理子までに違いない。どうして彼女にとっての私までもが別枠と捉えられると信じているのか、私には直人が信じられない。そしてもし彼女が直人の言うとおり前妻と連絡をとっていることに一切嫉妬しない女だったとしたら、私は彼女を偽善者あるいはポンコツと軽蔑するだろう。そんなことを考えている自分がバカバカしくなった瞬間、スマホが震え始めたことに気づいて「ごめん電話だ」と言いながら短い別れの言葉を互いに口にしてカメラに向かって手を振り通話を切ると、蒼葉からのLINE通話を受ける。
「どう? 体調」
「もう大丈夫だってば」
「そう? 無理しないでね。今美容室終わって帰ってるところだけど、夕飯の買い物していこうか?」
「うん、お願い。何にしよっか」
「何がいい?」
「たまには手巻き寿司とかは?」
「生物は消化に悪いよ」
「じゃあ、スンドゥブとか?」
「辛いものもちょっと心配だな。昨日の今日なんだからちょっと体に優しいものにしようよ」
「お粥はお昼に食べたじゃん」
「あ、じゃあパエリアはどう?」
「おー、いいね。じゃあ大きいエビとイカ買ってきて! ムールとかもあったら入れたいな。あとは鶏肉と、パプリカ玉ねぎ? 鶏肉と玉ねぎはあったはず。サフランはなかったと思う」
「おっけー。じゃあ副菜にサラダでも作る?」
「うん。レタスと大きいトマトがあったと思う」
 言いながらリビングに出て冷蔵庫の中を確認する。あったあった、玉ねぎも入れてチョレギサラダにしよっか、と言うと、じゃあ豆腐も買ってくよと蒼葉は答える。
「そう言えばキッチンペーパー切れてたよね」
「あ、切れてた。じゃあまたなんか買うものあったら電話して」
 はーい、と言いながら電話を切る。私と蒼葉はコロナ禍で手料理を極め、すっかり生活を充実させている。掃除洗濯洗い物は基本蒼葉で、仕事が忙しくない時は私も手伝う。料理や買い物は二人で、あるいは手分けして。彼が就職して毎日出社するようになったら生活は変わるだろうけれど、別れない限り、きっと今の生活の延長線上を生きていくのだろう。私はすっかり、子供のいない独身女性あるいは子供が巣立った後実家に残された母親のようだ。
 この間、今ごっちんとたっくんと亀池公園で遊んでるんだけど夕飯食べに寄っていい? と突然近所にいることを告げた理子が家に来た時のことが蘇る。えっまじ? 超素敵! と来るなり食卓に用意された電気グリルプレートと三枚肉に声を上げ「テンション爆上げ!」と私と暮らしていた頃にはしていなかった言葉遣いで彼女は興奮を表現した。理子が喜ぶものをと思って、私は蒼葉と買い出しに出かけたのだ。気まぐれかつ身勝手にやってくる娘を喜ばせようとご飯やデザートを用意する私は、まさに親戚や祖父母のようだった。ネギも一緒に入れな、サムジャンはたっぷり塗った方が美味しいよ、お肉はごま油に浸してから載せるんだよ、とサムギョプサルレクチャーをする私に、好きに食べさせてよと言い返す理子に笑う蒼葉も、親戚のようだった。理子が一緒に住んでいた頃は、蒼葉との関係を進めていく中で、いつか理子と三人で暮らすことになるかもしれないと想像していた。そうしたら、蒼葉はきっとお父さんと言うよりも、お兄さんに近い存在になるだろうとも。でもそうはならなかった。蒼葉も私も、親戚のような存在になったのだ。理子との生活の喪失が、重たかった。理子も吾郎も蒼葉も直人も私と理子の離別を悲しんでいない。ただ一人私だけが重たがり、悲しんでいた。食事を終えると十時を過ぎていたため吾郎の家まで理子を送り届けると、帰り道蒼葉から電話が掛かってきた。単に吾郎の家に寄って欲しくなかったのかもしれないけれど、駅まで迎えに行くよと彼は言った。今私が安心させてやるべき相手は、蒼葉なのだと思った。次いつ会えるか分からない理子との別れが辛く泣きそうになっていた私は、階段を登り切ったところにいると思っていた蒼葉を改札を出たところに見つけた瞬間、安堵で泣きそうになった。もう誰との生活も失いたくなかった。そして蒼葉と手を繋いで気温三度の街を歩きながら、不意に激しく歳を感じた。もうかつての私ではないと感じた。どんな刺激も経験も出会いも私を変えなかったのに、老いだけが私を変えたのを痛感する。この感覚を蒼葉に伝えたかったけど、老いだけはどんなに言葉を尽くしても小説にしても若い人に伝えられる気がしなかった。それにそんな話は若い人にとっては迷惑あるいは嘲笑の対象でしかないことを私は知っていた。これを伝えられない人と暮らしていくのかと思うと、自分がこれからも頑張って蒼葉に合わせようとするであろうこと、頑張りきれないことも浮上してくるであろうことも含めて憂鬱だった。生まれて初めて、老人と話したいと思った。

 鮮やかな黄色に染まったお米はピンと立っていて、緑と赤のパプリカはちょっと量が多いけれど黄色の上に鮮やかな彩りを添え、均等に並べられたヒゲの長いエビとイカはプリッとしていて、お米の中には所々大きめの鶏肉が埋まっている。大きめのホットプレートで作ったため、ご飯とおこげのバランスも最高だった。美味しい美味しい言いながら、私たちは少しずつ取り皿に取り分け食べ進んでいく。
「もう全然大丈夫なの?」
「大丈夫。前の時もそうだった。次の日になったら異世界から現実に戻ってたみたいな、何が起こったんだって感じ」
「そんなことが突然起きるって怖くない? 向こう側に行ったきり戻れなくなるんじゃないかとか、考えない?」
「まあ怖いし色々考えるよ。でも予期不安っていうんだけど、あんまり怖がってると症状を引き寄せちゃったり、症状が強くなっちゃったりするから、まあ次またなったら病院行こうかなくらいに考えてる」
「なるほど。確かに過剰に怖がるのは良くない気がする。何か他にできることはないの?」
「医者が言う三大無駄なこと、ストレス溜めるな働きすぎるな生活リズム整えろ、だよ」
「できることはやっていこうよ」
「できることはやってるよ。エビの頭もらっていい?」
「エビの頭は全部あげる。最近取材が多いけど、全部リモートにしたら?」
「私はリモートの方がストレスなんだよ」
「じゃあ、毎日お風呂にしっかり浸かるとか、夜はホットミルク飲むとか。お酒は絶対減らした方がいいと思う。あと、タバコも少し増えてるよね?」
「お酒とタバコのことについては、私がやめたいけどやめられないって困ってる時に手を伸ばす以外のことはできないと思って。蒼葉は、そこの辺のモラルが欠けてる気がする。お酒とタバコは、とても個人的なものだよ。誰かに助言するようなことじゃない。他の人がどうかは知らないけど、私にとっては存在の根拠でもあるし、孤独を慰める唯一のものでもある」
「お酒とタバコが?」
「お酒とタバコがなかったら私は何回死んでたか分からない。蒼葉にとっては単に寿命を縮める体に悪いものかもしれないけど、私にとっては喘息の人にとっての吸入器、アレルギー患者にとってのエピペン、糖尿病患者にとってのインスリン、命を繋ぐものなんだよ。自分の命をこの世につなぎとめてくれたものを、その関係性を知らない人に安易に否定されたくないの。世間で言われてるお酒とタバコの害悪については蒼葉と同程度に私も目を通してるから、この二つに関しては見守っていて欲しい」
「分かった。前からタバコとお酒の話になると志絵ちゃんが嫌がるの分かってたし、できるだけ触れないようにしてたけど、そこまで大きな存在なら何も口出ししないよ」
「蒼葉は柔軟でいいね。柔軟だから、私もああして欲しいこれをして欲しくないあれは良くてこれは嫌ってはっきり言える」
「そう? 何でも言って。俺は全部志絵ちゃんに合わせられるし、求められたことも大概できるから」
「でも、これはおかしいって思ったことはちゃんと言ってね」
 おかしいことなんて志絵ちゃんは言わないよと笑ってパエリアを頬張る蒼葉に、これはいつまで続くのだろうと考える。彼は私の意見に対立することを言わない。それは不自然だ。人なのだから、一緒にいればそれは違う、それは間違ってる、それは横暴だ、と思うことが出てくるはずだ。例えば理子が成長していく過程に於いて私に稚拙でありながら論理的に反論を試みるようになったように、それはいずれ起こるだろうし、起こらないとしたらそれは彼が我慢しているということに違いない。でも、もしかしたら私の言うことに反論せず同調することこそが彼自身の安息を生み出しているのかもしれない。何を考えてるんだろうと思った時、蒼葉は大抵何も考えていない。何考えてるの? いや何も、というやり取りを私たちは何度もしてきた。私はそんなに何も考えない人間は存在しないと思い込んでいてしつこく何度も聞いてきたけれど、本当に彼は何も考えていないのだ。表出する問題がなければ、彼は思い悩まない。通学を制限している大学のことや就活を控えた学生としての憂いはあるのだろうし、大学のシステムや友達付き合いなんかでめんどくさいとかくだらないと思うこともあるようだけれど、何も悩んではいない。それはすごい才能だ。彼の才能が欲しいとは思わない。でも、私に足りていないのは彼の才能だとも思う。
「ねえ、エビのミソって脳味噌じゃないの知ってる?」
「そうなの? じゃあなんなの? 内臓?」
「うん、なんか人間でいう肝臓とか膵臓みたいな内臓らしいよ」
「へえ。知らなかった。じゃあ、脳味噌はどこにあんのかな」
「ていうか、エビに脳味噌ってないんじゃない?」
「え、ないの? じゃあエビは一切考えてないってこと?」
 その言葉が自分に向けられたような気がして、一瞬戸惑う。考えるっていうか、もっと反射神経的なもので生きてるんじゃない? と答えながら、私は何も考えずに生きているのだろうかと自分を疑う。
「エビ食べる?」
「うん」
「イカは?」
「食べる」
 私のお皿にイカとエビを取り分けてくれる蒼葉は幸せそうだ。私は何が幸せじゃないんだろう。最近、そう思うことが増えた。パエリアは美味しくて、エビのミソはさらに美味しくて、パエリアに合わせて開けたワインも美味しかった。何が幸せじゃないんだろう。死の概念以上にアップデートしなければならないのは、幸福の概念なのかもしれないと漠然と考えながら、私は両手をめちゃくちゃに汚しながらエビの内臓に吸い付く。

illustration maegamimami

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金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年、東京都出身。2003年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年『トリップ・トラップ』で織田作之助賞受賞。2012年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『オートフィクション』『アタラクシア』『パリの砂漠、東京の蜃気楼』『fishy』 等がある。『SPUR』にて「ミーツ・ザ・ワールド」連載中。

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