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金原ひとみ デクリネゾン  第6話「ハンプティダンプリング」

illustration maegamimami
「であるから、私は繰り返し、繰り返しいうが、原子は少々斜に進路を逸れるに違いない。」
『物の本質について』ルクレーティウス著 樋口勝彦訳 岩波書店
※この連載を初めから読む:「デクリネゾン 」TOPへ

 取り皿とタレ用の小皿とお箸を用意し、ビールとグラスを持って来てくれた蒼葉にありがとと言いながら袋に入っている透明なパックを取り出すと、予想以上の熱さに落としそうになる。昨日の夜、近所の有名な餃子屋さんがテイクアウェイをやっているという話題になって明日のお昼に食べようと盛り上がり、明け方まで仕事をしていた私は、昼過ぎに餃子買ってきたよという一日の始まりに相応しい声で起こされることとなった。
「志絵ちゃんここ行ったことあるんだよね?」
 何回か行ったことあるよ、ていうかこんなに食べれる? と不安の声を上げながらパックを開いていく。四つ入りの餃子が三パックとよだれ鶏一パックだったけれど、餃子は皮が厚く、一つ一つがまあまあ大きいためそれでも十分過ぎる量に見えた。
「全然平気だよ」
 蒼葉はそう言いながらご飯をよそっていて、ご飯も炊いたの? と思わず吹き出すと、そりゃあ餃子にはご飯がないと、と蒼葉は真面目な顔で言ってから笑った。いただきますとしっかり手を合わせてから食べ始める彼を初めて見た時、なんて偉いんだろうとほとんど親目線で感心したのを思い出す。レストランでも家でもコンビニで買ったおにぎりや肉まんでも、彼はこの儀式を欠かさず、聞くと一人の時も欠かさないらしい。
「ここの餃子はどんなに気をつけても必ず肉汁が飛ぶからね。これだけ気をつければさすがに大丈夫だろうと思ってても一回の食事中に必ず一回は派手に飛ばすから」
 俺は絶対に大丈夫、と断言するけれど、確か店内の張り紙にも「肉汁注意! 予想の五倍飛びます!」くらいのことが書いてあったはずだ。
 白い餃子のタネからは、シナモンと八角の香りがする。ふんわりとした僅かに甘みを感じる皮と、タネのエキゾチックな味、こっくりとした甘辛タレの味が絡んで竜巻のように美味しさが巻き起こる。見ているこっちが笑ってしまうほど慎重にかぶりつき、すごい美味しいなと唸るように言う蒼葉が嬉しくて、私は頬を緩める。一度一緒に行ったことがあったけれど、理子はここの餃子を「変な味がする」と拒み、仕方なく頼んだルーロー飯も八角風味で、結局ほとんど何も食べられないまま店を後にした。少し前まで、理子にとって少しでも癖のある味のものを食べるのは、プラスチックやゴムを食べることに等しい苦行だっのだ。
「これ結構辛いな」
「あ、辛い餃子はラー油たっぷりかけるとより美味しいよ。こっちは何? 紫蘇?」
「それはセロリ餃子。さっぱりしたやつも食べたいかなと思ってさ」
 確かにシャキシャキしてて爽やかな味、と声を上げ、これは今の理子でも食べられないだろうと考える。
 私はどうしてこんなに理子のことばかり考えているのだろう。不思議に思いながら、理子が匂いを感知するだけで「ヤバい! 臭い!」と大騒ぎしていたパクチーを大量に載せた鶏を口に運ぶ。これまで蒼葉といる時、理子のことを考えることはほとんどなかった。でも理子がいなくなり入れ替わりで蒼葉がここに住み始めてから、事あるごとに理子のことを思い出してしまう。そして同時に、残りわずかであったはずの息子との同居の時間を一方的に短縮された蒼葉の母親に思いを馳せる。コロナはこの私の狭い世界の中で、少なくとも二つの親子の物理的な時間を奪ったと言える。
 理子のいない生活は解放されている。夜デートや飲みに行くたびに吾郎や直人や両親の助けを借りなくていいし、ご飯や登下校の時間に煩わされることもない。理子の成長期とか栄養とか好き嫌いを気にせず、私の食べたいものを食べたい時間に食べればいい。今の私には我慢をする必要が一ミリもない。蒼葉は私の喫煙飲酒、めちゃくちゃな生活サイクルに時々苦言を呈するけれど、甘えたり甘やかしたりすればすぐに懐柔される、全く強制力を持たない存在だ。存在自体が強制力を持っていた我が子とは違う。
 抱っこをしていなければ泣き喚き続けた赤ん坊の理子や、トイレやお風呂まで泣きながら私を追いかけ回した動き始めの理子、飛び出しや迷子の心配が絶えず常に視界に入れていなければならなかった幼児期の理子、疲れている時眠たい時は必ず不機嫌になり吾郎や直人に抱っこをさせたり、自分が不快であることの対価としておもちゃやお菓子を要求した理子、こんなにも危なかしくわがままで人の気持ちを想像できない生き物が存在していることに私は驚き打ちのめされ続け、そしてようやく話が通じるようになりわがままやトンデモ要求がなくなり互いの意見をすり合わせ双方にとって快適な生活が送れるようになったと安心した数年後には、磁石がNからSにひっくり返ったかのように、手を繋ぐことやハグを拒むようになり、流されていると気が狂いそうになるYouTuberの動画や音楽を流し始め、LINEのやりとりにネットスラングを使うようになり、何を考えているのかが少しずつ、流しそうめんが箸の間をすり抜けるように掴めなくなっていく事態に直面することとなった。
「あ、ヤバっ」
 箸を片手にTシャツを見下ろして狼狽する蒼葉に、ほら言ったでしょーと笑いながらティッシュを差し出す。
「めっちゃ気付けてたのに!」
「すぐに洗剤直接つけて洗濯すれば落ちるよ」
 ヤバ、ウザ、マジ、おけ、めっちゃ、といった言葉は中学に上がってから理子の台詞やLINEに頻出するようになり、ガラの悪い若者言葉を使い始めたなと不愉快に感じていたけれど、蒼葉と付き合い始めてからそれらはガラが悪くない普通の若者も使う言葉なのだと知った。理子が聞いている歌い手やYouTuberについて「知ってる?」と聞くと大抵蒼葉は「詳しくないけど」程度に知っているが、私が自分の若い頃に流行っていた歌手や漫画なんかを「もしかして知らない?」と聞くと大抵「知らない」と言われるのだから、圧倒的に彼らの方が時代を共有していると言える。つまり私と蒼葉は、恋愛というステージでのみ結びついているということだ。専門分野も、付き合っている人たちの年齢層もカテゴリーも違う、興味の範囲も考えていることも大幅にかけ離れていて、完全にクラスタ違いだ。付き合う前からそれなりに色々な話はしていたし、それなりの楽しい時間を過ごしてはいたけれどそれは彼が私を好きだったからで、つまり恋愛的要素を抜きにしたら、彼にとって私はほとんど無価値なのだ。これほど恐ろしいことがあるだろうかと、彼と付き合い始めてから痛感してきた。
「今日は連載の仕事?」
「うん。連載とエッセイ、締め切りカブってるから気分がのった方から進めてく」
「そういえば、昨日リモートインタビュー用のプロフィール画像送らないとって言ってたけど、もう送った?」
「あ、忘れてた。ありがと」
「志絵ちゃんは忘れっぽいなあ」
 蒼葉は家事だけでなく、カレンダーで共有している仕事をきちんと認識して、それぞれの進み具合を気にかけてくれていて、随分助かっていた。締め切りが明けて糸が切れたように映画やドラマや小説にかまけていると、「今仕事をサボると来月の締め切り群がきた時にまた徹夜続きになるよ」と彼は真実を伝えてくれる。
「理子はいつもテスト直前になると勉強が分からないって半泣きになって八つ当たりするの。テストの二週間くらい前にそろそろテスト勉強しなよって言うと、私今回のテスト範囲けっこうできてるから、って嘯くくせに直前になるといつもそう」。いつだったか理子の八つ当たりにうんざりして蒼葉にそう愚痴ると「志絵の血をしっかり受け継いでるね」と笑われたことがあった。「私は八つ当たりなんかしない」と反論したけれど、余裕を持って仕事を進めるタイプでないことは確かだった。
「じゃ、俺は洗濯と掃除でもしようかな」
「今日、授業は?」
「二時過ぎからだから大丈夫」
「そっか、ありがとう」
「俺も住んでるんだし、むしろやることがあって助かってるよ。志絵ちゃんは仕事に集中して」
 昼食後、食器を片付けると蒼葉が洗い物をして私は化粧をする。二人の手が空いたタイミングで、一緒に歯磨きをする。これがコロナ禍で大学の授業がオンラインになった蒼葉と私の日課だ。少しずつ彼との生活が日常になっていくのを実感しながら、私は喪失してきた二人の夫との生活を思い出す。この人と一緒に暮らさなくなるなんて考えられない。常にそう思っていた。それでも彼らとの生活を私は自ら手放し、その都度傷ついてきた。この人と一緒に暮らさなくなるなんて考えられない。またその思いを膨らませ始めている自分が不安だった。この人と暮らすということは、理子と暮らせないということでもあるのだ。捨てられないものが増えていって、いつの間にかところてんのように大切なものがつるんと押し出され、手の届かないところに行ってしまう、それが世の常という気もする。理子がこの家を出て行ってから一ヶ月、宣言が解除されても理子は帰ってこなかった。そのことについて何の言及もない。LINEは時々しているけれど、私の質問に対して「うん」「ううん」「おけ」程度の答えしかしない。

 ひどい暑さに顔を歪め額に汗を浮かべながら、耳に届くロックさえ暑苦しくBluetoothイヤホンをオフしてバッグに突っ込んだ瞬間「志絵」と声を掛けられ振り返った。両手に買い物袋を持った吾郎は軽く手を挙げ隣を歩き始める。
「買い物?」
「うん。理子にあれこれ頼まれてさ」
「私もあれこれ頼まれたよ」
 言いながら私も二つの紙袋を持ち上げる。
「理子に何食べた? って聞くと大抵ラーメンって言うんだけど」
「外食のラーメンはあんまり食べてないよ。ウーバーイーツも使ってるし、袋のラーメン作ることもあるし」
「グルテンの取り過ぎは良くないよ。お米は食べてる?」
 酒の飲み過ぎと肉やプリン体の摂り過ぎを蒼葉に指摘され続けている私がグルテンという言葉を口にしているのを聞いたら、きっと彼は呆れるに違いない。食べてるよ、と言う吾郎はすでにこの話題に興味がなさそうで「最近ベランダでひょうたんを育て始めたんだよ」とこっちが興味のない話を振ってくる。
「そういえば、ひょうたん育てたいって、一緒に住んでた頃言ってたよね」
「言ったかもね。俺は子供の頃からひょうたんを育てたかったんだよ。コロナ禍でようやく夢が叶ったよ。本当にこんな機会でもなければ俺は定年までひょうたんを育てることはできなかったかもしれない」
 コロナ禍で得たものとして、理子との生活よりもひょうたんの栽培を挙げる辺りが吾郎らしいと思いながら、良かったねと流す。吾郎の会社の近くで、付き合っていた頃はよくこの辺りで待ち合わせたりご飯を食べに行ったりしていた。そんな街で離婚して十年近く経つ吾郎と並んで買い物袋を下げて歩いているのが可笑しかった。古書店の多い街並みが懐かしく、あそこまだあるんだ、あそこも、と店を指差していると「花巻楼が潰れたの知ってる?」と吾郎が汗を拭いながら言う。
「花巻楼って、あの汚い定食屋?」
「そう。この間コロナの影響で潰れたんだよ」
 行きたかったのに、と行ったことのない店の閉店を悔やむ。吾郎と結婚する前から、この近辺でご飯屋を探すたびその名前の華やかさの割にカラカラに干からびた食品サンプルや建て付けの悪そうな入り口の前で立ち止まっては「まあここはいつでも行けるし今日はもう少しいいところにしよう」と後回しにし続けていた定食屋だった。
「結局吾郎は行ったの?」
「結局行かなかったね。でも会社の人もあの店好きな人が多かったし、結構ファンが多かったみたいであの花巻楼が閉店、ってTwitterのトレンドにも入ってたよ」
「そっか。なんか最近、忘れられない味に数ヶ月に一度行っちゃうお店とか、別にそこまで美味しくないけど居心地が良くて通っちゃうお店がどんどん無くなって、不味くないし適度に小綺麗な居酒屋とかイタリアンとか、その場限りに適したお店が増えてるよね」
 私の言葉にそうだねと同意し、吾郎はこの十年で閉店してしまったいくつかの店名を挙げた。そう言えば、と昔よく一緒に食べに行っていて五年ほど前に閉店してしまったカレー屋が、元の場所から二駅ほど先に復活するらしいというTwitter由来の情報を教えると吾郎はへえ楽しみだなと言い、でももともとあの店に暖簾分けしてた本店はいまだ健在だよと続け、いや事実上暖簾分けだったのかもしれないけどあそこのお店は本店の方とは無関係ですって主張してたらしいよ、内部分裂かな、とどうでもいい話をしながら、私たちはマンションのエントランスをくぐった。
「あ、ママ! あれ、パパと会ったの?」
「うん。成城石井の前で会った。お邪魔します」
「ママちゃんと買ってきてくれた?」
 大変だったよと言いながら紙袋を差し出すと、理子は歓声を上げた。ケーキを作りたいけど自分でスポンジを焼く自信はないからスポンジと生クリームとイチゴを買ってきてくれと、普通にケーキを予約して取りに行くよりも三倍面倒臭いミッションを与えられた私は、スポンジを売っている場所が分からず、ネット注文だと配送に時間が足りなかったため、スポンジだけ売ってくれるケーキ屋をかたっぱしから電話して探し出し予約する羽目になったのだ。スポンジに染み込ませるためのシロップや絞り口金やクリームを塗るためのパレットナイフの存在を完全に失念している様子の理子に呆れつつ、それらも百均に寄って購入してきた。それでも、私が泡立てていい? と生クリームを片手に楽しげな理子が嬉しくて、私は家から持ってきたハンドミキサーを手渡す。
「泡立て器では無理なの?」
「無理じゃないけど、時間かかるよ」
「どのくらい?」
「それは理子の腕がどれだけ早く動くかによるんじゃない?」
 無思考な質問を揶揄すると、即座にスマホを手に取り、泡立て器でホイップクリームを作るのにかかる時間をググる理子に吾郎と顔を見合わせて笑う。最近の若者の「?」からGoogleまでの時間はおよそ三秒である説を、蒼葉のエピソードも含めて吾郎に話していると、「パパとママはいつも分からないことがあるとああかなこうかなって話をするけどその時間が無駄だと思わないの?」と身も蓋もないことを言う。
「答えの引き出しを最初に開けてしまったら想像力が発揮される余地がないでしょ。いろんな引き出しをひっくり返してるうちに、あらゆるものの有機的な繋がりとか、未知の発想が見えてきたりするんだよ。それに考える習慣をつけていないと、例えば答えの出ない問題に直面した時なんかに混乱するよ。理子はもう少し思考のトレーニングをした方がいいと思う」
「最近理子が自分自身の思考を交えずに優等生ツイート由来みたいなフェミニズム、ポリコレ的な発言をするのもそれが原因だよ。思考なき男女平等差別排除世界平和的な発言は誰からも批判を受けない代わりに何も生まないよ」
 理子が私に反論しようとするのを遮って吾郎が追随するように言うが、私は常日頃からフェミポリコレに対して懐疑的な態度を取る吾郎への違和感を募らせ更に理子が反論しようとするのを遮る。
「それは極端な話だよ。理子はそういう問題に自分自身の思考を交えて考えるほど人生経験が豊富ではないし、フェミニズムの歴史だって知らない。こういうナイーブな問題はまず現代の空気を汲み取ることから始まるのが健全だと思う。自分自身の立ち位置とか取るべき態度はこれから自分自身の身に降りかかってくる体験とか、自分自身が興味を持って学んだことから身につけるものだよ」
「だから本人に実態が伴ってないのに言葉尻を捉えて前時代的、男性的なものとされるものをマッチョイズムと切り捨てたりする態度が浅はかだっていう話だよ」
 理子がスマホを片手に「喧嘩しないでよ」と呆れたように言い、私と吾郎は同時に「喧嘩なんてしてないよ」と答える。
「若い子ってちょっと真面目に話してるだけで喧嘩とか言い争いって言うよね」
「無駄に対立する人たちを見てるのが苦痛なんだよ。私は今一瞬ググって氷水とか砂糖を使えば泡立て器でもすぐにホイップクリームが作れることを知ったし、水分とか油分があると泡立たないこととか、植物性の生クリームはハンドミキサーだと逆に泡立てすぎてしまうこともあるってことを知ったよ。Googleは先人の経験と知恵が詰まった集合知だよ。どうしてそれを馬鹿にするのか私には理解できない」
 馬鹿になんかしてない、と私と吾郎はまた同時に言って理子に笑われる。
「集合知なんて言葉どこで知ったの?」
 訝しんで聞くと「Googleでしょ」と吾郎が言って、私たちが声を上げて笑っていると理子は苛立ったような表情でスマホを見つめながらキッチンの棚からボウルを取り出した。
 ちょっと見るよと言いながらリビングと繋がった寝室のドアを開けると、家具はシングルベッドと天井までの背の高い本棚が四台だけで、理子の物が所在無げにクローゼットやベッド周辺に散らかっていた。この吾郎のマンションは理子を迎えに来る時に玄関から見る程度で、寝室は見たことがなかった。それでもレモパワクッションがベッドに、理子の推しのティーくんとレモパワ集合のポスター、ティーくんのフード付きタオルが壁に貼られているのを見て、理子の日常がすっかり丸ごとここに移動したことを実感する。レモパワについていくつか質問をして、「私はティーくん推し寄りの箱推しだから」という訳のわからない宣言を聞いて箱推しの意味を調べていた一年ほど前の記憶が随分前のことのように思える。部屋を見ていると、吾郎と理子がきっと反発したりぐだぐだしつつもお互い納得できる生活を成り立たせているのだという事実が伝わってきて、ほっとすると同時にシロアリに胸を喰われたような虚無も感じる。
「吾郎はリビングで寝てるの?」
「そのソファ、ベッドになるからそこで寝てるよ。広いしマットも結構しっかりしてるからベッドよりも寝心地がいいくらいでさ」
「そういえば理子、来週から学校始まるんだよね?」
「うん! めっちゃ嬉しい!」
「休校中に出された課題、終わってるの?」
 まあ大体? と言いながら理子は氷水に浸けたボウルの中の生クリームを泡立て始めたため、私はチェストの上に置かれた教科書やノートが何となくもうずっと放置されているような雰囲気であることには触れなかった。念願の学校再開に際して、私は理子の通学を見送ったり出迎えたりせず、日々の宿題の心配もしないのだと思うと不思議だった。
 自分でやりたいと主張する理子に疎まれない程度に口と手を出しながら、吾郎の出してくれた赤ワインを飲む。日差しが入りやすい二面採光のリビングは明るく、冷房でひんやりと冷やされているけれど温かみが感じられる。ベランダでは、巨大なプランターからひょうたんがメキメキと音を立てそうなほど力強く育っていて、プランターの後ろに設置されたフェンスにぐいぐいと巻きついていた。
「ご飯は何にするか決めたの?」
「ピザだよ」
 まあピザか、と独りごちる。直人と再婚した後も、吾郎の誕生日と理子の誕生日は何となくこの三人でお祝いする習慣を続けていて、理子の誕生日に関しては直人と一回、吾郎と一回、と二度パーティをするのが慣例になっていた。直人と離婚してからも、理子はそれぞれの父親と二度パーティをしている。誕生日の人は何でも食べたいものを食べられるんだよ、と幼い頃の理子に食べたいものを聞き出していたから、いつしか誕生日の人がその日の晩餐を決めるシステムになっていて、理子は大抵お気に入りのラーメン屋、吾郎は大抵宅配ピザ、直人はケンタッキーをテイクアウェイで、私はちょっと行ってみたかったお店、と毎年大体同じような選択になる。そういえば、去年までは直人の誕生日も理子と三人でお祝いしていたけれど、今年は直人のお祝いはどうするべきだろう。
「吾郎に付き合ってる人がいた時、誕生日パーティってどうしたっけ?」
「当日じゃなくて前日とか週末とかだったかもしれないけど、この三人でやってたよ」
「そっか。じゃあ直人とも続けていいのかな」
「この間持田さんと会ったんだけど、毎年誕生日を元奥さんと子供で祝ってるって言ったらすごく不思議がっててさ。よくそんなことができるね、ってほとんど不審がってたよ」
「そうなんだ。まあ誕生日って家庭によって感覚が全然違うからね」
「理子は俺と直人さんのところでそれぞれ祝ってもらって、志絵の今の彼氏ともパーティをする。ってことになったら誕生日週間みたいな感じで幸せなんじゃない?」
「アメリカ人だったら気にせず皆呼んでいっぺんにやりそうだけどね」
「それはアメリカ的過ぎるね。慎ましく、家族の最小単位でやるからいいんだよ。理子だって皆いっぺんに集ったら戸惑うだろうし」
 確かにね、と生クリームと格闘している理子を見ながら答える。吾郎に対して、直人に対して、私に対して、理子は少しずつ違うペルソナを持っている。そのあらゆる人格が、それぞれの対人関係によって満たされているのを感じてきたし、それはきっと理子にとって大きな安心感に繋がっているはずだ。全ての人に統一した人格を見せる必要はなくて、自分の中の相反するいくつかの人格をそれぞれ別の人に肯定され、バランスよく、色々な人にわがままを言ったり、頼ったりできる人になってもらいたい。最小限の傷つきと、傷つけで、本人にも周囲の人にも幸せでいてもらいたい。自分にはどうしてもできないそんなことを、娘には望む身勝手さに改めて気づかされる。
「じゃ、適当に頼んどくね」
 吾郎がそう言ってスマホを手に取ると、理子が「えー、私の食べたいのも頼んでよ!」と生クリームを放り出して一緒に覗き込む。「L二枚?」「三枚あった方がいいかな?」「私サイドメニューも頼みたい」「俺はギガ・ミートが一枚あれば他は何でもいいよ」「えっ、一枚ギガ・ミートにしちゃうの? ハーフ&ハーフじゃなくて? そういうのモテないよ」「ギガ・ミート一枚くらい俺一人で食べれるよ」「だからそれがモテないんだよ」「別にピザをモテに利用する必要はないからね」「そういう話じゃなくて、ウザいってこと」「え? ギガミート一枚頼む奴はウザいの?」「ウザいよねママ?」
 理子が振り返って言うから「まあモテる人は四種類入ってるピザを頼みそうだね」と答える。
「そんなの非モテの乙女心分かりますよアピールだよ。そんなせせこましい奴絶対モテないね」
「そもそも吾郎は一人で勝手にメニュー決めようとする段階でモテを放棄してるけどね」
「誕生日の人が食べる物を決めるルールだったよね? それに俺は毎年ギガ・ミートを必ず一枚は頼んできたし、もっといえば一人でピザを頼む時もギガ・ミートを一枚頼むよ」
「パパは何年も前から変わってないけど、私は毎年少しずつ変わってるんだよ」
「理子だって毎年ラーメンじゃん」
 吾郎の言葉に、今年は違うものにしようと思ってる、と理子は反論する。二人の生活を垣間見ているようで、僅かに居心地の悪さを感じる。結局吾郎はギガ・ミートを一枚頼み、理子が残りの二枚を自分好みにカスタマイズし、サイドメニューも選んだ。
 巨大な三枚のピザがダイニングテーブルを埋め尽くし、私たちは手をベタベタにしながらピザやフライドチキンを口に運び、吾郎が最近よく見ているというアメリカのスタンドアップコメディを一本見ると、ケーキを食べた。生クリームが少しダレ始めていたけれど、ケーキ屋のスポンジにしっかりシロップを染み込ませ、わざわざ八百屋に在庫を確認して手に入れた新鮮なイチゴで作ったケーキは普通に美味しくて、吾郎は一人でホールケーキの半分を食べた。
 白ワインと日本酒ばかり飲む私に対して吾郎は赤ワインと焼酎しか飲まず、私は普段飲まないお酒でそれなりに酔っ払って帰ることとなった。何かあったらいつでも来てね、小学校の友達と遊ぶ時はこっちに寄ってくれてもいいし、学校が始まってもし何か不便なことがあったら言ってね、制服の夏服はちゃんと揃ってる? 何かあった時のためにいつもPASMOに予備のお金を入れておいてね、私の言葉に理子は面倒臭そうに頷き、吾郎は何かあったら連絡するよと宥めるように言い、私は役に立たなかったハンドミキサーを持ってマンションを出た。
 一人になった途端、冷たい川に飛び込んだように孤独が身体を包む。理子が家を出て一ヶ月、今タッツーの家で遊んでるんだけど帰りに寄ってもいい? と突然電話を掛けてきて夕飯を食べて帰ったことが一度、アプリを承認してくれとせがまれたことが三回。理子からのアクションはその四回だけだ。歩きスマホをしながら駅に向かう途中、和香がネット連載している小説の更新を知りTwitterから飛ぶ。気がついたら読むという形だったけれど、自然と全回読んでいた。惰性と倦怠の臨界点を迎えたカップルのその先を描いた小説は、男の浅はかな言動により破綻し、女がヒステリックに男を責め立て、手を上げた挙げ句一緒に暮らしていた部屋を出ていき男友達の家に転がり込み、自堕落で淫奔な生活に身を窶していく様子が描かれ、三十枚程度の連載なのに前回からすっかり状況が様変わりして終わっていた。胸に影が広がっていくような内容だったけれど、ちょうど電車を降りる頃に読み終わった。
 どうして吾郎ではいけなかったのだろう。急激に疑問が湧き上がる。なぜ、理子と吾郎と三人の家庭を大切にできなかったのだろう。駅のホームでぼんやりと立ち止まる。駅前の看板やネオンが全て虚しい。酔っ払った様子のサラリーマンも疲れきった様子のサラリーマンも、お父さんに抱っこされて眠っている小さな子供も、こんなはずじゃなかったといった絶望的な表情を浮かべている駅員も、手を繋いでいるものの話すべきことは永遠に何もなさそうな様子のカップルも、皆虚しく見えた。私はタバコを取り出して火をつけるようにスムーズに、スマホを取り出し「Yomoozの連載読んだよ。読んだら何でか落ち込んで、久しぶりに自分以外の誰かになりたいって思った」と和香にLINEを入れた。自分以外の誰かになりたいと思う人は、誰になっても自分以外の誰かになりたいって思うんだよ。和香の答えをそう予想しながら、私はようやく歩き始め改札にPASMOをかざした。

 ただいまと呟くと、すぐにおかえりと蒼葉の弾むような声が聞こえた。遅かったねと心配したよのコンボを抱きしめて誤魔化す。遅くなってごめんね、言いながら既に眠そうな蒼葉の頭を撫でる。
「もう眠たいの?」
「うん。さっきまで筋トレしてたからかな」
「私まだ仕事するから、先寝てていいよ」
「どうだった? 誕生日会は」
「まあ、いつも通り。ピザとケーキ食べてお終い」
「理子ちゃんはケーキ作れた?」
「うん。意外と綺麗にできてたよ。私もちょっと手伝ったけどね」
 結構飲んでる? と聞かれ、酒臭い? と聞き返すと、志絵が酔ってる時は一目瞭然だよと蒼葉は眉を上げる。彼が僅かに苛立っているのが分かった。それでも彼は和香の小説の主人公の彼氏のような間違いは犯さない。お水飲む? という言葉に、飲みなおそうと思っていた気持ちを抑えうんと答える。
 少しだけベッド来てよという蒼葉について寝室に入ると、サイドテーブルのランプの光量を絞って薄暗くする。彼の腕に頭を載せると、急激に今日の疲れと眠気が襲ってきて、無理やり目を見開く。ねえと呟くとなあにと蒼葉が腕枕の力を強める。
「蒼葉は私と暮らしてみてどう?」
「うん? すごく幸せだよ。一緒にご飯作ったり、買い物行ったり、ずっとしたかったし。理想的な生活だよ」
「蒼葉は魔法にかかってるからね。魔法が解けたら、今のこの幸せ以外のより輝かしい幸せがあるってことに気づく。それでいつか時間を無駄にしたって思うんだよ。どうしてこんなものに時間と労力を注いでたんだろうって、狐につままれたような気持ちになる」
「どうしたの。今日はずいぶん悲観的だね」
 他に好きな人ができたんだと、蒼葉に同世代の女性の存在を明かされた時、既に何回もシミュレーションしてきたおかげで私は自分の言うことを完璧に予測できる。「蒼葉に好きな人ができた以上、蒼葉の幸福を願う以外のことはできないよ」だ。予測というより、これ以上も以下もないとも言える。結局のところ私は彼に求められているから応えているだけであって、私が求めて成り立っている関係ではないのだ。付き合っている以上恋人に求めるべきものは求めているが、向こうが求めなくなったが最後、私は一方的に求めることができなくなる。求めていた手を下ろし、手を振り、見送るしかない。年齢的にもシチュエーション的にも、私は蒼葉に縋れない。蒼葉が追って縋って粘ってこの関係を築き上げたことを思うと、やはり若さとは強大な力なのだと痛感する。
「その日がきたら今の私の話を思い出して欲しいの。私は狐じゃないって、私がつまんだんじゃないって。蒼葉が一方的に魔法にかかっただけなんだって。それで君が一方的かつ一時的に魔法にかかってる間、私もその魔法に便乗してこの幸福を享受し続けた。私も蒼葉と同じかそれ以上に幸せだったって。でも君の魔法が解けたら全部お終い」
「魔法じゃないし、解けないよ。志絵ちゃんは酔っ払うとたまにこうなるんだよ。大丈夫、明日にはこの幸せが永遠に続くって信じられるようになってるよ」
 それはない。私は幸福を感じると同時に終わりを感じるし、彼が魔法から醒めなかったとしても経験則としていつか幸福をぶち壊してしまうことを知っている。私は膨らみ切った幸福に、画鋲を刺すのだ。それでも結婚生活の破綻×2は決して単なる幸福の終焉ではなかった。私は吾郎とかつて持っていた幸福の一部分をまだ共有しているし、直人とかつて持っていた幸福の一部分もまだ共有している。少しずつ積み上げていった関係の中にある幸福は消えないのかもしれない。膨らみ切った幸福とは、別に風船のように中の空気と外の空気を区切るものではなくて、ぐりとぐらの作ったカステラや、ねるねるねるねのように中にも何かが詰まっているものなのかもしれない。そもそも幸福を薄いゴムやビニールだとする方が間違いに決まっている。巨大なカステラを手づかみで食べている私と蒼葉のイメージにはっとして、眠気に侵食されていることに気づく。蒼葉に腕を伸ばして抱きつくと、彼は私の髪に顔を埋めた。一緒に寝ちゃおうよ、と言われ、うーんと悩みながらも蒼葉と眠気に身を委ねる。こんなに幸せなのに虚無を感じるのは、私が吾郎と生きる幸せや、直人と生きる幸せ、理子と生きる幸せを知っているせいなのだろうか。オンリーワンでナンバーワンだと思える幸福と添い遂げていれば、幸せと虚無はワンセットにならなかったのだろうか。

 ひどい喉の渇きで目を覚ますと、しっかりと私を抱きしめたままの蒼葉の腕からゆっくりと体を外す。キッチンで慌ただしく水を一気飲みすると、口の端から零れた水滴を拭いながらバッグの中に入れっぱなしだったスマホを取り出す。酔っ払って送ったLINEを思い出し、送信取り消しをしようかと思ったけれど既に既読はついていて、さらに和香からの着信が二十分前に入っていた。三時前に掛けてくる非常識な奴なんだから、別に三時過ぎに掛けなおしたって構わないだろうと音声通話をタップする。
「もしもし和香? どうしたの?」
「どうしよう」
「どうしたの」
「旦那が愁を連れて失踪した」
「……根津くんが? 失踪?」
「昨日突然いなくなった。帰ったらいなかった。愁と旅行に行くって書き置きがあった」
「なら、失踪じゃなくて、旅行なんじゃない?」
「電話に出ないメールも返さない。書き置きも走り書きで変だし、向こうの実家には帰ってないみたいだし、どこにいるか全然分からないの」
「まあ、休校中だし、ちょっと気晴らししようってことになったのかもよ。何か兆候はあったの?」
「普通だった。一昨日は普通に夕飯を一緒に食べたの。三人で旦那の作ったハンバーグを食べた。昨日の明け方帰ったら、二人ともいなかった」
「不倫相手と会って帰ったらいなかったってこと?」
 そう! と開き直ったように和香は大きな声で言う。コロナが拡大する中で、不倫相手の奥さんがコロナを過敏に気にする人で会いづらくなり、必然的に和香も家にいることが増え、家庭内がかつてなく平和に回っていたこと、緊急事態宣言が解除されてからはまた頻繁に会う生活が始まったこと、もしかしたら一時の平和があったせいで揺り戻しが激しく夫が絶望したのかもしれないということ、夫はもともと精神的にムラがあり蒸発への衝動を吐露したことがあったということ、いろんなことをまくしたて、警察に届けるべきか逡巡している和香の声を聞きながら、私はパソコンでTwitterを開き和香の名前で検索をかけていた。もしかしたら何か和香の不倫の目撃情報なんかがツイートされていてそれを旦那さんが見つけたのかもと思ったけれどそんなこともなく、ただ小説の感想や新作情報なんかが書き込まれているだけだった。
「根津くんはさ、和香が不倫してることは知ってるんだよね?」
「知ってるよ。でも何も聞いてこない。いやでも、当然知ってるはずだけど、知ってないのかもしれない」
 混乱が過ぎる。そう思いながら、宥めるように愁くんも一緒なら変な気起こすわけないし、自粛が続いてストレス溜まっていたのかもしれないし、今は男二人を泳がせて息抜きさせてあげればいいんじゃない? と言ってみるけれど、電話の向こうの和香は話せば話すほど混乱していっているように感じられた。
「まあ、和香との関係について思い悩んでるのかもしれないとは思うよ。でも自殺とか、子供と心中とか、そういう可能性はさすがにないでしょ」
「愁は旦那の子じゃないの」
 思ってもいなかった言葉に一瞬聞き間違いを疑い、その後すんと納得した。彼女の、核心に迫るほど言葉が少なくなるところや、犯罪者が漂わせているような微かな後ろめたさのようなものの理由の一端が分かった気がしたのだ。
「ずっと献身的に子育てしてくれてたし、家のこともやってくれてたけど、愁のことをどう思ってるのか全然分からなかった。どこかでずっと不信感を抱いてた」
「血の繋がりなんてそんなに関係なくて、やっぱり一緒に過ごした時間が親子を作るって、私は思うよ」
「こっちからしてみればそうだけど、向こうに割り切れないものがあるのも当然なんだよ。割り切れないものが私が不倫を続けてきたことで肥大していったのも当然だと思う」
 今にも泣き出しそうな声を聞いていられず、私はスマホと耳を僅かに離す。和香はデキ婚だったはずだ。どういう経緯で出来上がった家庭なのかは分からない。それでも何とか回ってきたものが、回らなくなるというのは感慨深いものだ。
「このこと、誰かに話した?」
「旦那の親にはそっちに行ってないか聞いたから一応事情は話したけど、フラフラした子でごめんねって全然真剣に受け取ってくれないし、うちの親は絶縁してるし、そもそも愁が旦那の子じゃないってことは誰にも話してない」
「何か私にできることはある? 明日、ていうか今日、どこかで会って話す? 仕事は大丈夫?」
「どうしよう」
 話はループした。ぐるっと一周回りきった。それでも和香はぐだぐだと話すタイプではなく、ふと我に返ったように、とりあえず明日の夕方まで様子を見ること、それまでに連絡が来なかったら捜索願を出すこと、頼れる人はいないし、頼ったとしても結果は同じだから頼らない、あんたにも頼らない、という内容のことを柔らかく伝えて電話を切った。まったく、作家っていうのは可愛げがあるように見えて可愛げがない人たちばかりだ。人懐こくオープンな人と思わせておいて、最後の最後で閉じている。奥底に絶対に開けないドアを持っている。彼らはきっと、それを小説にだけ吐露するのだろう。夫による子供の連れ去りという友人の陥った悲劇はじっとりと伝播し、私の腹のあたりから胸のあたりまでに熱っぽいざわつきを残していった。コロナで子供との時間を喪失した人が、ここにもいた。
 子供を失う女たち。薄暗い部屋の中、ソファに座ったままカーテンの隙間から見える夜空を見つめているとそんな言葉が思い浮かんで、私は笑えないまま弛緩してソファの背もたれに頭を載せた。


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金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年、東京都出身。2003年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞。2010年『トリップ・トラップ』で織田作之助賞受賞。2012年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。著書に『アッシュベイビー』『AMEBIC』『オートフィクション』『アタラクシア』等がある。『SPUR』にて「ミーツ・ザ・ワールド」連載中。最新刊は『パリの砂漠、東京の蜃気楼』
maegamimami(マエガミマミ)
Twitter:@maegami_mami


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HB(エイチビー)は、集英社グループの出版社・ホーム社の文芸サイトです。2017年11月にサイトを立ち上げ、2020年にnoteへ引っ越してきました。小説やエッセイを中心に、毎日をより楽しく過ごすための、さまざまなコンテンツをお届けします。

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連載 金原ひとみ デクリネゾン
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コメント (1)
金原ひとみさん
お誕生日おめでとうございます🎂
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