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連載 千早茜 こりずに わるい食べもの

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舞台は京都から東京へ。大好評の食エッセイシリーズ第3弾! illustration 北澤平祐
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#エッセイ

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東の食の海原へ|千早茜「こりずに わるい食べもの」第1話

20年以上住んだ京都を離れ、はじめての東京ひとり暮らし。さて、何を食べようか? 偏屈でめん…

恋と「サッポロ一番」|千早茜「こりずに わるい食べもの」第15話

 新年の抱負を決めなくなって久しい。    もともと神仏には祈らない主義だ。初詣にも行かな…

乾物のつぶやき|千早茜「こりずに わるい食べもの」第14話

  二月末に東京に引っ越してから、度重なる緊急事態宣言で新しい土地での外食はほぼしないま…

食べものの重み|千早茜「こりずに わるい食べもの」第13話

 数日前から右肩が痛い。首がうまくまわらない。肩はあがるが、重いものを持つとピーンと糸が…

ケーキの故郷|千早茜「こりずに わるい食べもの」第12話

 ここ最近パフェにかまけているが、もともとは洋菓子好きだ(パフェも洋菓子ではないかという…

包んで包んで兵馬俑|千早茜「こりずに わるい食べもの」第11話

 渡辺ペコの『にこたま』という漫画が好きだ。各章の題名が食べものや料理名で、おいしそうな…

ロシアンルーレットで食欲爆発|千早茜「こりずに わるい食べもの」第10話

 注射が嫌いだ。静脈注射も筋肉注射もどちらも大嫌いだ。わけのわからない汁を体内に注入されるのが気持ち悪いのだ。まだ血を抜かれるほうがいい。  予防接種会場とか地獄だ。そんな嫌なことを列を成して待つという状況に耐えられない。小さい頃は学校だろうが病院だろうが脱走した。しかし、大人はそうはいかない。このコロナ禍においては特に。  今夏、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた。一回目も二回目も最高気温三十四度の猛暑日だった。マスクが本当につらい。ごくごく水を飲みながら会場に行き

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海老の頭|千早茜「こりずに わるい食べもの」第9話

 寿司屋や和食の居酒屋で生の海老を頼むと、海老の頭を炙ったり揚げたりしたものを「よかった…

土地のレッテル|千早茜「こりずに わるい食べもの」第8話

 またパフェの話で恐縮だが、京都は抹茶のパフェがやたらに多かった。  京都は好きだ。生ま…

パーフェクトワールド|千早茜「こりずに わるい食べもの」第7話

 新型コロナウイルスが蔓延る世界になってから、初対面の人と食事をする機会が激減した。知人…

布団のスープ|千早茜「こりずに わるい食べもの」第6話

 もう不惑を越したので、自分の機嫌を取るのが大分うまくなったと思う。  仕事が忙しくなり…

焼いてから|千早茜「こりずに わるい食べもの」第5話

 新緑が深まり初夏に近づく頃になるとそわそわする。国産アスパラの旬の時期だ。アスパラを食…

めんつゆはデニム|千早茜「こりずに わるい食べもの」第4話

 以前、「大人の拒絶」(『わるい食べもの』収録)でコーヒーとビールが飲めないことを書いた…

先祖返り|千早茜「こりずに わるい食べもの」第3話

 東京に越して二ヶ月になろうとする頃、大型連休を前にして三回目の緊急事態宣言が発出されてしまった。姪の「あとかた姫」に会いに行くつもりだったが断念、京都にも戻れない。  ひきこもるか、と食材の買いだしに出かけ、スーパーに山と積まれた果物を見て、「そうだ、果実食をやろう!」とひらめいた。  果実食とは果実、つまり実と種だけを摂取する食生活だ。果実食主義となると思想的なものが絡んでくるが、ネットニュースで読んだのは食実験のために果実食を続けている人の記事だった。「フルーツは完全

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コンロのT-1000|千早茜「こりずに わるい食べもの」第2話

この世には2種類のコンロがある。ガスか、I Hか、だ――。 台所から思いもよらぬ世界へと誘わ…