金原ひとみ パリの砂漠、東京の蜃気楼

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東山彰良×金原ひとみ「越境する身体、越境する言葉」──東山彰良『越境〈ユエジン〉』刊行記念対談

東山彰良氏のエッセイ『越境』(二〇一九年七月二十六日ホーム社刊)は、日本と台湾、そして中国という境界を越えて生きてきた個人の視点から書かれている。東山氏は台湾に生まれ、五歳で日本に渡り、その後、台湾と日本を行き来しつつ暮らしてきた。特に台湾、中国、日本を一つの世界として捉えた小説世界には独特の魅力がある。
一方、金原ひとみ氏は、東日本大震災による原発事故後、岡山に避難し、やがてフランスへと渡り、

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孤独と苦悩を綴った2年間の軌跡。金原ひとみ、初のエッセイ集『パリの砂漠、東京の蜃気楼』4月23日発売



この本について
1歳と4歳の娘と始めたパリでの母子生活。近づく死の影から逃れるための突然の帰国。夫との断絶の中、フェスと仕事に追われる東京での混迷する日々……。

小説『アタラクシア』(2019年刊)で第5回渡辺淳一文学賞を受賞した金原ひとみさん。弊社ウェブサイト「HB」連載時も人気を集めた初のエッセイ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』を刊行します。

街に溢れるハラスメントや罵倒、中傷。定期的な胃

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【試し読み】金原ひとみ パリの砂漠、東京の蜃気楼 第1話「カモネギ」

illustration Shogo Sekine
※本連載が書籍化しました。
金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』2020年4月23日発売


 何度目かの正直で最後の最後の送別会を友人に開いてもらって二時に帰宅し、荷造り掃除をできるところまでやり一時間仮眠をとって早朝友人宅に子供たちを預け、五つのスーツケースを二往復してホテルに運び込み、二日酔いか胃腸炎かとにかく二度ゲロを吐き、ぐったりし

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