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Author Talks

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作家のインタビュー、対談、書店トークイベントなどをお届けします。著者の新刊の話を中心に、テーマやゲストは多岐にわたります。
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#インタビュー

変態バトルフィールドにようこそ ―『チームオルタナティブの冒険』の原点― 宇野常寛

地方の高校生の青春が描かれた『チームオルタナティブの冒険』(2023年11月24日発行:ホーム社/発売:集英社)を刊行された宇野常寛さんに、ご自身の高校生活についてお尋ねしました。 聞き手/構成 編集部 ―― 今回初の小説として『チーム・オルタナティブの冒険』を刊行されましたが、この語り手は、地方の進学校に通う高校二年生の男子ということで、宇野さんご自身の実体験みたいなものが込められているのでしょうか? 宇野 そうですね。僕が自分の人生で一番のターニングポイントになった

恋愛、住まい、お金、母……書くことで得る気づき。村山由佳デビュー30周年 特別ロングインタビュー【後編】

作家として、ひとりの女性として。その破天荒な生き様と、波瀾万丈な半生を支えたものとは――? 作家生活30周年、村山由佳の素顔に迫る特別ロングインタビュー。 前編に続き後編では、恋愛観、住まいとモノのこと、そして長らく確執のあった母親との関係性について、赤裸々に語っていただいた。リニューアルしたばかりだという執筆部屋も公開! 恋愛小説はさんざん書いてきたのに……──『猫がいなけりゃ息もできない』と『命とられるわけじゃない』のシリーズは、南房総の鴨川暮らし以来、約10年ぶりのエ

今だから明かせる、彗星のごときデビューの舞台裏。村山由佳デビュー30周年 特別ロングインタビュー【前編】

作家として、ひとりの女性として。その破天荒な生き様と、波瀾万丈な半生を支えたものとは――? 作家生活30周年、村山由佳の素顔に迫る特別ロングインタビュー。 前編では、青春恋愛小説のスターとなった90年代当時の舞台裏、担当編集者との関係、そして抱え続けた「ある不安」について初めて明かす。こだわりのモノと猫たちに囲まれた、軽井沢のご自宅にてお話をうかがった。 きらめく「青春恋愛小説界の彗星」の舞台裏──当時を知る編集者は、90年代半ば、村山由佳さんの登場は彗星のようだったと言い

佐藤友哉『青春とシリアルキラー』刊行記念インタビュー「一人の小説家が十四年をかけた作品」

この度、『青春とシリアルキラー』を上梓されることになった佐藤友哉さんが、最初にこの作品の取材に行かれたのは、今から14年前の2008年のことでした。完成に到るまでの日々について、佐藤さんにお話を伺いました。 聞き手・構成:阿南三郎/撮影:湯浅香奈子 1. 28歳から41歳までの間の仕事──『青春とシリアルキラー』の刊行、おめでとうございます。僕がこの本の執筆のきっかけとなる取材に、佐藤さんをお誘いしたのは2008年。もう14年も前になります。 佐藤 ある殺人事件の現場を

『ぼくとねこのすれちがい日記』ができるまでの話【後編】/北澤平祐インタビュー

 数々の書籍装画や絵本、洋菓子「フランセ」のパッケージ、「アフタヌーンティー」の雑貨シリーズなど、多方面でいま引っ張りだこのイラストレーター・北澤平祐さん。『ぼくとねこのすれちがい日記』刊行を記念して、前回に引き続き、作品の誕生秘話をうかがいました。  ブックデザインを手がけた名久井直子さんのコメント、カバーデザイン完成のプロセス、貴重なラフ画、本に仕込んだたくさんの「仕掛け」など、作品をより楽しめる裏話満載でお届けします。 ブックデザイナー・名久井直子さんが加わり、いよ

『ぼくとねこのすれちがい日記』ができるまでの話【前編】/北澤平祐インタビュー

 数々の書籍装画や絵本、洋菓子「フランセ」のパッケージ、「アフタヌーンティー」の雑貨シリーズなど、多方面でいま引っ張りだこのイラストレーター・北澤平祐さん。文芸サイトHBでの連載を経て2021年6月に発売となる『ぼくとねこのすれちがい日記』通称「ぼくねこ」は、自身初となる長編。駆け出しイラストレーターと保護猫の少し不思議な絵物語は、実話がベースになっています。この作品に、北澤さんは特別な思い入れがあるとか。  企画誕生のきっかけ、イラストと文章の創作プロセス、本に仕込んだた