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Author Talks

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作家のインタビュー、対談、書店トークイベントなどをお届けします。著者の新刊の話を中心に、テーマやゲストは多岐にわたります。
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#対談

「わるたべ」ファン総勢80名が八重洲ブックセンターに集結! 千早茜×北澤平祐『こりずに わるい食べもの』刊行記念トークイベント&サイン会

第168回直木賞を受賞した千早茜さんの、最新エッセイ集『こりずに わるい食べもの』。2022年12月17日、八重洲ブックセンター本店8階ギャラリーにて本書の刊行記念イベントを開催しました。 本イベントは、著者である千早茜さんと本書の装画・挿絵を担当されている北澤平祐さん、T嬢ことホーム社担当編集者の3名によるトークイベントと、サイン会の2部構成で行いました。 会場はありがたいことに満員御礼! 千早さん、北澤さんのファンの方、そして「わるたべ」ファンの皆さん総勢80名の方に

吉田豪×豊崎由美「書評とは何か?」 祝『書評の星座 紙プロ編 吉田豪のプロレス&格闘技本メッタ斬り1995-2004』のプロレス本大賞2021技能賞受賞!

昨年2月刊の『書評の星座 紙プロ編 吉田豪のプロレス&格闘技本メッタ斬り1995-2004』が、プロレス本はじめ充実した品揃えで知られる書店・書泉(グランデ/ブックマート)制定「2021年度(第2回)プロレス本大賞」の技能賞を受賞しました。 これを祝し、著者の吉田豪さん、ゲストに書評家の豊崎由美さんを迎える世紀のビッグ・マッチが実現。意外にも初顔合わせのお二人が「書評とは何か?」をテーマとして、雑誌黄金時代の思い出からフリーライターの生き方までを切り口に、縦横無尽に語り合い

斧屋×水野仁輔「いちご信仰、スパイス主役問題…終らない僕らの探究」-『パフェが一番エラい。』刊行記念対談【後編】

パフェ評論家・斧屋(おのや)さんとカレー研究家・水野仁輔さんの対談、最終回です。斧屋さんによるパフェ愛あふれる新刊『パフェが一番エラい。』を、水野さんはどう読んだのでしょうか。そして、それぞれが惚れ込むパフェとカレーの魅力を、時間の許すかぎりどこまでもディープに語り尽くします。 構成=編集部/撮影=山口真由子 『カレーが一番エラい。』でもいける!――パフェを堪能していただいたところで、水野さん、本書のゲラを読んだ感想はいかがですか? 水野 第一に、すごく僕の好みの本だなと

斧屋×水野仁輔「どう食べる? カレーとパフェ」-『パフェが一番エラい。』刊行記念対談【中編】

単行本『パフェが一番エラい。』刊行を記念してお届けする、パフェ評論家・斧屋(おのや)さんとカレー研究家・水野仁輔さんとの「異種格闘技」対談。前編から引き続き、東京・目白のCAFE CUPOLA mejiroからお送りします。今回はいよいよ、斧屋さんが監修した期間限定パフェが降臨! 構成=編集部/撮影=山口真由子 カレーの料理人として、僕がどうしてもきけないこと――前編で、パフェは完成品ではなく食べ手が「どう食べるか」が重要という話が出ましたが、水野さんはご自分でカレーを料理

斧屋×水野仁輔「“美味しい”はゴールじゃない」-『パフェが一番エラい。』刊行記念対談【前編】

パフェ評論家・斧屋さんの最新刊『パフェが一番エラい。』刊行を記念して、カレー研究家・水野仁輔さんと初の対談をおこないました。パフェv.s.カレー、食の「異種格闘技」対談のゆくえは……!? 独創的なパフェが人気のお店CAFE CUPOLA mejiroより、全3回にわたってお届けします。 構成=編集部/撮影=山口真由子 僕はこうして「パフェ評論家」「カレー研究家」になった――まずはHB読者へ自己紹介ということで、それぞれどんな活動をされているか教えてください。 斧屋 僕は基

吉田豪×玉袋筋太郎「“あの頃”を語ろう」──『書評の星座 紙プロ編 吉田豪のプロレス&格闘技本メッタ斬り1995-2004』刊行記念対談

美人カメラマンと吉田豪の意外な接点玉袋 今日は『書評の星座 紙プロ編』はもちろん、いろんな話をしていこうと思うんだけど。豪ちゃん、最近どう? 吉田 ボクの周りが、皆さん燃えたりとか大変なんですよ。 玉袋 みんな燃えてるんだよなー。ネットで炎上しちゃってね。 吉田 玉さんも相方(水道橋博士)が炎上してましたもんね。 玉袋 また、あの人もよく炎上するんだよ(笑)。豪ちゃんはこの本では燃えなかったの? 吉田 燃えかねない内容ではあるんですけど、立ち読みとかで簡単には読めな

岡田育×千早茜『しつこく わるい食べもの』刊行記念対談 第5回「共感とは真逆の、ポジティブななにか」(全5回)

千早茜さんの食エッセイ第2弾『しつこく わるい食べもの』刊行を記念して、ニューヨークと日本で活躍する文筆家・岡田育さんとの初対談が実現しました。5回にわたりお送りしてきた対談連載、最終回は神保町の老舗甘味処「大丸やき茶房」さんからお届けします。 構成=編集部/撮影=山口真由子 ※対談はマスク着用の上で実施し、終了後にお菓子をいただきながらソーシャルディスタンスを確保して撮影しました。 SNS時代のエッセイとは?千早 エッセイを出すと、SNSやイベントで、感想ではなく「自分

岡田育×千早茜『しつこく わるい食べもの』刊行記念対談 第4回「結婚と料理と自由と」(全5回)

コロナ禍にエッセイをどう書くのか問題──岡田さんの近著『女の節目は両A面』も、節目や変化がテーマです。千早さんの『しつこく わるい食べもの』も、中盤からはコロナ禍という変化に向き合っていくエッセイですね。 岡田 『しつこく わるい食べもの』の中でも、コロナ禍の、タイムスタンプつきの箇所はとくに面白く読みました。 千早 感染が拡大して緊急事態宣言が出たりするなか、連載を続けられないかもと騒いで、またT嬢に説得されまして……。日付を入れるということで、やっと書けるようになりま

岡田育×千早茜『しつこく わるい食べもの』刊行記念対談 第3回「大人げない方向で生きていこうぜ」(全5回)

大人げない方向で生きていこうぜ千早 岡田さんは『ハジの多い人生』に、「自分を制御できているなんて考えていた自分は本当に愚かで幼かった」みたいに書いていますよね。読むたびに、自分の幼さや愚かさを突き付けられているみたいで「ひーっ!」となっています。岡田さんはちゃんと大人でちゃんと分析的だけど、私の「わるたべ」はなんていうか……大人げない。大人げない方向で生きていこうぜ、って言ってしまっている。 岡田 いいんですよ。千早さん、大人げない内容でも、大人っぽい語彙と文体でズバッと書

岡田育×千早茜『しつこく わるい食べもの』刊行記念対談 第2回「コロナで生じた言葉の変化」(全5回)

登場人物に作者の食生活は透けてみえるのか問題岡田 解像度の高いチハヤ・アイは、もともと小説を書く武器の一つとしてお持ちなんじゃないかと思いますね。私は短絡的な読者の一人なので、例えば何かが好物だというキャラクターが出てきたら、そうかきっと作者の人もこれが好物なんだろうなと思ってしまいます。でもエッセイを読むと、千早さんご本人にはまた全然違うところにこだわりがあって。小説を創作するというのは本当にすごいことなんだなと、逆にエッセイを読んで思ったりもしました。 千早 そういう作

岡田育×千早茜『しつこく わるい食べもの』刊行記念対談 第1回「食への情熱と解像度」(全5回)

ツイッターと餃子でつながった仲──おふたりの出会いは? 千早 この本の「金針菜、こわい」に書いたんですが、代々木上原の按田餃子(あんだぎょうざ)で金針菜を食べたんですよ。それが美味しかったとツイートしたら、初めて岡田さんが反応してくれて。相互フォローはしていたものの、それまで話しかけられずにいたんですが、そこからは積極的に話しかけるようになりました。 岡田 ラゲーライスですよね。私あの辺に住んでいたことがあって、トレンドに疎いものですから「おらが村のおいしい餃子屋さんだぜ

村山由佳×姜尚中「猫がいなけりゃ……」──村山由佳『晴れときどき猫背 そして、もみじへ』刊行記念対談

最愛の三毛猫〈もみじ〉との日々と看取りを綴った『猫がいなけりゃ息もできない』『もみじの言いぶん』(ホーム社)が大きな反響を巻き起こした村山由佳さん。房総・鴨川での田舎暮らしと猫との「事はじめ」を綴ったエッセイの増補新装版『晴れときどき猫背 そして、もみじへ』(ホーム社)刊行を記念し、集英社の読書情報誌「青春と読書」誌上で姜尚中さんとの対談が実現しました。 実は姜尚中さんもまた、近刊『母の教え 10年後の「悩む力」』(集英社新書)のなかで、転居した軽井沢での高原暮らし、初めての

東山彰良×金原ひとみ「越境する身体、越境する言葉」──東山彰良『越境〈ユエジン〉』刊行記念対談

1 境界の消えていく世界で東山 実は自分が越境している感覚って、あまりなかったんですよね。小さいときのことだったので。  日本と台湾は、人々の見た目もそんなに違わないし、子供だったので、すぐに日本語ができるようになりました。自分から名前や出自を言わなければ台湾人だとはわからない。  細かい手続上の問題はいろいろあるんですが、今でも僕は台湾に国籍を残したままなので、在留カードの携行を義務づけられていたり、永住者といえども何年かに一回、切りかえに行かなければいけなかったりとか、制

【変更のお知らせ】『書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り2005-2019』発売記念 吉田豪さん&中井祐樹さんトーク・サイン会をライブ配信に変更いたします。

来る2月28日(金)に予定しておりました『書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り2005-2019』発売記念 トーク・サイン会は、新型コロナウイルス感染症が拡大している昨今の状況を鑑み、著者、ゲスト、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、この度のイベント内容を"無観客"で実施、ライブ配信することに変更いたしました。 何卒、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。 イベント名称と実施概要『書評の星座 吉田豪の格闘技本メッタ斬り2005-2019』発売